中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】圧倒的に足りないドイツの教員、ChatGTPが救世主になる?

こんにちは!ドイツの日常コラム「ゆきラボ」です。話題のChatGPTについて、身近なユーザー=息子に聞いてみた先週のコラム、たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました。

今週はドイツの教員不足問題に絡めて、この人工知能の話題を続けていきたいと思います。

イメージ https://www.photo-ac.com/

日本同様、ドイツの学校現場も深刻な人手不足に見舞われています。「2025年には、26,300人もの小学校教員が不足する」「2030 年までに 80,000人を超える教職の空きが生じる可能性も」という数字も報じられています。

数字を見なくても、子どもたちの学校生活を見ていると、学校の内情に詳しいわけではない1人の保護者目線からしてすでに、「ほんとに人手足りないんだな…」ということを実感します。

例えば、息子たちの通う学校(ギムナジウム)では頻繁に休講が発生します。今週を振り返ってみると、長男も次男もそれぞれ4コマ(45分×4)ずつ休講がありました。先生本人や、先生の家族の急な体調不良でお休みになるのなら理解できるのですが、今回の休講は「フランスから交換留学の生徒グループが来ており、フランス語の先生たちは引率のため不在」というのが理由。「その予定、前もって分かっていたはずでは?前もって分かっていたのなら、代わりの先生を手配するとか、フランス語の時間に他の授業を振り替えるとか、何か対策ができたはずでは?」と思うのですが。

ちなみに、ギムナジウムの卒業試験である「アビトゥーア」が4月末から始まっているのですが、これも試験が大詰めになってくると、先生方が試験官に駆り出されるため不在がちになり、休講も多くなります。どこの学校でも公立校なら状況は似たり寄ったりなんですが、息子たちの通う学校は、市内でも特に生徒数が多いため、規模の割には職員の手が足りていないのではと感じます。

前もって予定を立てられそうな学校行事のときでさえ、対応が追いつかずに授業に空白ができてしまっているのですから、先生の急な病欠や、校内で不測の事態が発生したときには言わずもがな、というところです。ロベルト・ボッシュ財団の調査によれば、2022年秋の時点で、ドイツ全国の学校長の3分の2が「人手不足が最も大きな問題」だと答えています。

なぜこんなことになってしまったのでしょうか。

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