中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】アップデートできてる?ドイツの教育と学歴社会

こんにちは。ドイツの日常コラム「ゆきラボ」です。

今週は、先週に続いてドイツの教育と学歴の話をお届けします。

欧米の教育事情を紹介する書籍などで、こんな話を目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ドイツの教育は、早いうちから学力に応じて進路が分かれる。学校の勉強が得意な子どもは得意なことを伸ばして大学進学コースへ。勉強が苦手な子は自分に合った資格や専門技術を身につけるコースへ進み、どの子どもも最終的に自分に合った職に合わせて経済的に自立できることを目指す。

現在のドイツの子育て世代や、それより上の世代は、実際にこういった教育観や社会状況の中で育ち、成人して親になった人たちです。

イメージ https://www.photo-ac.com/

次男が小学校時代にお世話になった担任の先生は、ちょうど私たち夫婦と同年代で、我が家の息子2人と同年代の男の子が2人いるという点でもとても話の合う先生でしたが、その先生がこんな話をしてくれたことがあります。

いわく、先生の子ども時代は「小学校を卒業したとき、20人のクラスのうち、ギムナジウムに行くのは成績のいい子2人か3人。多い年でもせいぜい4~5人程度で、それが普通だった。あとの子はレアルシューレかハウプトシューレに行ったけれど、それぞれ大人になってちゃんと職に就いて生活できた。あの頃は『将来のために是非とも子どもはギムナジウムに行かせたい』っていう親御さんはそんなに多くなかったんですけどね」とのこと。

その先生が送り出した次男を含む卒業生は、十数名の小さなクラスから過半数がギムナジウムに進学しました。子どもに高成績、高学歴を望む親は増えています。かくいう我々も、息子2人に「必ず大学に行け」とまでは思っていませんが、少なくとも将来的には大学進学が視野に入れられる進路選択をしました。

ちなみにギムナジウムは小学校高学年と中高に当たる一貫校。卒業試験に合格すると、大学へ進学することができます。進学をめぐるいきさつは、次男の小学校卒業前に書いたこともありますので、よろしければ合わせてお読みください。

すったもんだだった学校選びを振り返る。4年で終わるドイツの小学校と進路選び

後半も教育と学歴の話、続きます。

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