中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】刺さる悪口の話、刺さらない悪口の話

こんにちは!
今週のゆきラボ、更新が遅れて金曜日(日本ではもう土曜日……)になってしまいました。すみません。

緑が豊かということは、それだけ花粉も飛ぶということ

日本では花粉症のシーズンが始まっていますが、ドイツもここ数日、晴れの日には気温が大幅に上がるようになり、花粉症のみなさんにはつらい季節がやってきました。

コロナ禍でマスクが浸透しつつあった頃、「マスクは感染症対策だけでなく、花粉症対策にも有効!」という記事がわざわざ地元の新聞に載り、今さら感がものすごかったのを覚えています。ただ、結局それほど認知されなかったのか、認知はしてもマスク生活には戻りたくない気持ちのほうが強いのか、現在花粉対策としてマスクをつけている人はほとんどいないようです。

と、まるで花粉症当事者のようなことを書いていますが、実は私自身はまだ花粉症ではないようで、周囲の友人がつらそうにしている中、いたって普通に過ごせています。

前置きが長くなりましたが、今日は「外国語の悪口は、花粉みたいなものかもしれない」と思った話を書きます。

次男が浮かない顔で帰宅したので、何があったのか聞いてみました。「サッカーの試合で相手チームの子に〇〇〇って言われた」とのこと。それを聞いた長男が「ママの前でそんな言葉言うな!」と怒りましたが、当の私はポカーンです。そもそも〇〇〇という言葉を知らなかったので。

あとで夫に聞いて「〇〇〇」の意味はわかりました。ひどい言葉なのでここではとても書けないし、書きません。言葉の意味が解ってようやく、次男が傷つけられたことに対する怒りや悲しみが湧いてきましたが、自分のリアクションの遅さに我ながら情けない気分になってしまいました。

イメージ https://www.photo-ac.com/

逆のこともありました。長男がちょっとした冗談のつもりで口にした言葉が、しゃれにならないほど下品な言葉だったらしく、夫にきつく叱られていたことがあります。まだ小さい頃だったので、長男的には意味もよくわからずに使ってみたのだと思います。たぶん、悪い言葉=ちょっと強そう、かっこよさそう、くらいのノリで。でも、もちろん夫から見れば、子どもだからと済ませていい問題ではないし、子どもだからこそ、言葉で不用意に人を傷つける前に厳しく言い聞かせるべき場面でした。悲しいかなこの時も、私はそもそもそういう言葉の存在自体知らなかったので、意味もわからずポカンとしていました。世間知らずなのか、私って。

後で夫にどういう意味か聞いてみたのですが、夫が訳すのを躊躇するレベルで品のない言葉でした。いったいどこで覚えてきたのか……。私からすれば、子どもの会話には知らないスラングが多すぎるのです。知らない言葉だから、悪意を持って投げつけられても私自身には刺さらないし、とっさに反応もできない。でも、子どもたちが知らないうちにそんな言葉に触れたり使ったりしていても気づけないというのは、親としてどうなのか。私が海外子育てをする上で悩んでいることの一つです。

後半も罵詈雑言の話、続きます。

(残り 1259文字/全文: 2528文字)

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