中野吉之伴フッスバルラボ

【現地取材】パリを撃破したバイエルン。戦い方が整理され、戦力は充実。CL優勝の可能性もある

▼ 大事な試合でパフォーマンスを高める

欧州チャンピオンズリーグというのはやはり特別な空間だ。それも決勝トーナメントに入ってからは独特な雰囲気がある。ホームアンドアウエーの2戦で勝ち残りが決まり、この2試合でチームの今季全ての評価が決まるといってもおかしくはないくらいのプレッシャーがかかってくる。

国内リーグを戦いながら、そちらにも力を注ぎながら、CLに向けて準備を進めていくのは非常に難しい。クラブとしての経験が求められる大会だと言えるだろう。

大会の戦い方を知っているクラブがある。ドイツでいえばバイエルンはその最たるクラブだろう。大事な試合に向けてパフォーマンスを高めることができる。プレッシャーがかかる試合においても確かな落ち着きと程よい高揚感をミックスする術を身につけている選手たちが集まっている。

パリSGをホームに迎えたバイエルンはまさにそんな佇まいを見せてくれた。

フランス代表キリアン・エンバペ、そしてアルゼンチン代表のリオネル・メッシを擁するパリを相手にユリアン・ナーゲルスマン監督は変則4バックを選択。ここ最近よく起用している形だ。

右サイドでスタメン出場のクロアチア代表ヨシップ・スタニイシッチが、同サイドに抜けてくることが多いエンバペをどう抑えるのかがカギになる。ドイツ代表MFトーマス・ミュラーは試合前に「エンバペをどう止めるのかの前に、彼へのパスの出所を抑えることが重要」という話をしていたが、ミュラーはプレスに行く位置を調整し、味方に伝えていく。試合開始から《パスコースを効果的に消す》《ボール保持者には絶えずプレスをかける》《裏スペースのケアを怠らない》という3点を注意深くチームとして取り組んでいた。

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