中野吉之伴フッスバルラボ

【きち日記】今回の一時帰国を振り返る① アウトプットで大事なのは、学んだことを自分の言葉で他の人に伝えること

2週間弱の日本滞在を終え、2月10日にドイツへ戻ってきた。

今回はつくばを皮切りに、水戸、長岡(新潟)、兵庫、大阪、京都、碧南(愛知)、安城(愛知)、浜松と9都市で計11回のトレーニング/指導実践と5回の講演会を開催。各地の皆さんのご協力のおかげで、全会場で実り多き時間を過ごすことができた。ここで改めて深く感謝の思いをお伝えしたい。

コロナ禍の2年間は現地へ直接赴き、交流を持ち、熱烈にディスカッションをして、互いにポジティブな刺激を与えあうという機会を持つことができずにいたが、昨夏の一時帰国で少しずつ日本での活動を再開できたのは、僕にとっても大きなことだった。

ZOOMなどビデオ通話が流通し、ドイツにいても日本の皆さんとつながれるようになったのは大きな進歩だし、新しい取り組みのチャンスともなった。でもやはり、直に触れ合える機会は格別だ。

リアルタイムでレスポンスを感じ、子どもたちとのやり取りに自然と笑顔になれる。実際に僕の指導を見てもらうことで、様々なやり取りを通して、サッカーへの理解を深め合える。本当に素敵な時間だ。

そして、サッカーはそうした機会を生み出す最高のツールだ。

ドイツのサッカーこそ正解だ、
日本の育成は間違っている、
部活こそがいい、クラブこそがいい、
サッカーではドリルトレーニングは不要だ、
サッカーではリフティングは意味がない、
サッカーは勝つ必要がない、
サッカーは勝てなくても問題ない、
サッカーは勝てなければ意味がない、

なんて言ったことはない。

そうではなく、それぞれの点をいかようにつなぎ合わせながら、それぞれにとって最適な答えを追い求めることこそが大事だと思うし、そのためには子供たちが成長するために守らなければならない必要最低限の大事なことを認識しなければならない。

これからもきっかけとなる知識や考え方を丁寧に届けていきたいと思っている。できれば、ダイレクトに。

やれることはまだたくさんある。動けば何かが生まれる。だから動ける限り動いていく。生まれたものを大切にしていく。それがつながって深まっていけば、もっともっと素敵な育成環境が日本にも広がっていくんだから。

がんばろう。みんなで。

さて、せっかくなので、少しずつ日本での一時帰国での備忘録を日記形式に写真多めにこちらでアップしていきたい。

▶ 1月26日(木)~28日(金)
出発日。前日の25日は現地時間20時30分開始のフライブルクとフランクフルト戦を取材。深夜に家に戻り、最後の荷造り。寝過ごしたら困るので居間のソファーで仮眠をとって、4時半起床。5時30分フライブルク中央駅発のバスでチューリヒへ向かう。外は真っ暗。子供たちからのお守りのぬいぐるみと一緒に、いざ。

チューリヒ駅から空港へ。それなりに混んでるけど、夏に帰国した時みたいにギスギスした感じはない。チェックインをして、荷物を預けて、パスポートコントロールを通過して、やっと少しほっとできた。

(残り 2930文字/全文: 4143文字)

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