中野吉之伴フッスバルラボ

【対談】ケルン日本人フロントスタッフの笹原丈とブンデスリーガの魅力について語り合った

▼ 動くことでつながる思い

現在トップチームに日本人選手がいないなか、ブンデスリーガクラブのケルンでフロントスタッフとして奮闘している笹原丈。インタビュー第2弾ではクラブ内での仕事内容、そしてブンデスリーガの魅力についてを語ってもらっている。

実は笹原と会うのは今回が初めまてではない。僕が2013年に初めて東京で講演会をした時に聴講しに来てくれたのだという。当時18歳の笹原に僕の話はどんなふうに響いたのだろう?

笹原「はい、そうなんです、実は(笑)。本当に僕がドイツに来る前で、お話を聞きたいしたいなっていうことで行かせていただきました。もう高卒でこっちくることを考えていたころです。

その時はドイツのことがもう本当に全く想像ができてなかった。来たこともなかったので、本当にどういう感じなんだろうなっていう感じで話を聞きたくて。

ちょっと揺らいでる自分があるなか、得られるものがあって。本当に僕は指導者がやりたいのかどうかって。いろいろとあの時お話聞かせていただけたとおりだな、ってこっちに来て思いましたね」

当時の僕は日本本帰国を凍結し、ドイツでやっていこうと思った直後だった。ドイツを拠点に置くと決意したうえで、ではどうやれば日本サッカー界に少なからずメッセージを届けることができるだろうと模索していた時期だ。

講演会という形で僕がドイツで学んだことをダイレクトに伝えるやり方に初めてトライしたわけど、それがこうやってつながって、ドイツで再会して、というところに縁の素敵さを感じるばかりだ。

行動を起こせば何かが始まる。どこかで誰かとつながる。

その感覚がとても心地よく、そしてありがたい。

▼ ケルンが持つ独特な空気感の魅力

——それこそ今の時代はSNSがたくさん広がって、ブンデスリーガのいろんなクラブが日本語で発信したりしていますが、その先をっていうことですね。
笹原「そうですね。もう本当に接しやすいじゃないですけど、関わりやすいようなクラブっていうのは。バイエルン・ミュンヘンさんとかドルトムントさんとかだともう手が届かないクラブというか、本当に素晴らしいビッグクラブですけど、それよりももうちょっと身近で入りやすいクラブっていうのを目指してますね」

——確かにケルンのスタジアムって独特ですよね、空気感とかも。でも、それはなんでだろう?って言われたら言葉にはしづらいところがありますよね。《熱狂》って言ったらそうなんだけど、それをいったらブンデスリーガどのクラブのファンも熱狂的ですからね。ドルトムントのそれと、ドレスデンのそれとは違う。ケルンのスタジアムにある熱狂ってやっぱり違う。
笹原「あれを言葉じゃ言い表せないじゃないすか。それはドイツでもそう言われていて、何が『他とは違う感じ方』なのかの説明するときに、言葉にするのは難しいので、その感じていただくのが一番で、そこが課題ですね」

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