中野吉之伴フッスバルラボ

【きちルポ】本気の思いは伝わっていくことを感じられた年の瀬。自信と誇りをもって歩んでいきたい

▼ 紆余曲折、浮き沈みがある毎日の中で

2022年が終わる。また、静かに新しい年を迎えようとしている。

どれだけ歳を積み重ねても、どれだけ様々な経験を積み重ねても、気持ちが沈みこんでしまうことはあるものだ。

どれだけ自分の信念に自信を持っていても、どれだけ自分の取り組みに誇りを持っていても、思いもよらぬ出来事に、揺らぎに揺らいでしまうことだってある。

それがきっと人間的というものなのだろう。

そして耐えきれなくて、世間との間に壁を作り、殻に閉じこもり、自分の心を守ろうとするのはきっと、自然な防衛反応なのだろう。思い起こせば、僕にもそうした時代はあった。

ただ、どんなことにもびくともしないプロテクトを身にまとうことはたやすくはないし、びくともしないことが必ずしもいいわけではない。それは《心の鈍さ》と背中合わせなのだから。

だから、苦しい時でも、やるせない時でも、変わらず僕を助けてくれる、支えてくれる、手を差し伸べてくれる、友や家族がいることへの感謝をいつでも忘れずにいたい。そうした結びつきが生まれて、つながっていくことの素晴らしさを、いつでも伝えていきたい。

受け入れてもらえなかったり、裏切られたり、どん底に落とされたりすることを怖がって、自分の感受性を閉ざし、自己肯定感をなくすようなことだけはしたくないではないか。

僕は本気の思いはどこかで正しくつながっていくことを信じているし、そしてそのことを知る機会が何度もあった。

昨日(12月30日)、U19の室内サッカー大会に参加してきた。地元の12クラブが参戦し、4チームずつ3グループに分かれて対戦。1位チームと2位チームのベストが準決勝進出という形式だ。僕らSVホッホドルフは強豪も強豪という2クラブと同組だったので、初戦こそ勝利したけど、残り2戦を大敗。

普段は強気なコメントをする選手たちも「あれは半端ない」と息絶え絶えに話してきたのがとても印象的だった。見ていて勉強になるプレーがたくさんあったし、いい経験をさせてもらったものだ。

試合の間には結構な待ち時間があった。予定がなかった次男が応援に駆け付けていたので、一緒に軽い食事をしようとしていたら、「あれ?キチ?」と声をかけられた。

以前所属していたフライブルガーFC時代の教え子とそのお母さんだった。この日の大会は彼の古巣クラブ主催で、お母さんはケイタリングを助けるために来ていたという。

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