中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】日本と真逆?ドイツのクリスマスと年末年始

こんにちは!先週はゆきラボを更新できず申し訳ありませんでした。今回が年内最後の記事になります。お題は「日本と真逆?ドイツのクリスマスと年末年始」です。

24日の夕方からは路面電車もバスも大幅に本数が減ります。運転手さんたちもクリスマス休暇を取るためです

24日の運転を終えて回送する路面電車。行き先表示に”メリークリスマス&良いお年を”と書かれています

ドイツではクリスマスの3日間、24日・25日・26日が祝日です。24日の午後から夜にかけてと、25日の2日間は、いつも日曜や祝日に営業しているカフェやレストランもほとんどが閉店し、街の中は静まり返ります。そんな中、教会のミサに行ったり、クリスマスコンサートに行ったり、家族で集まって食事をしたりするのがドイツのクリスマススタイル。街の静けさとは裏腹に、実家に帰ったり親族で集まったりする人が多いので、家の中はとてもにぎやかになります。

家族の形態がどんなに多様化しても、とにかくクリスマスは家族と過ごすもの!という信条のようなものがあるのか、世の中がいろいろ変化してもこの過ごし方はあまりブレないようです。クリスマスを機に恋人を実家に連れて行って家族に紹介する、という人はけっこういますが、恋人と2人だけで過ごすという話はあまり聞きません。

イメージ https://www.photo-ac.com/

一方、大晦日や正月の過ごし方はどうかというと、日付の変わる時間に合わせて屋外に出て、打ち上げ花火やクラッカーを鳴らしてスパークリングワインで乾杯するという人が多いです。大都市の広場などでは、カウントダウンイベントが開催されたり年越しコンサートが開催されたりすることもあります。都市部ではこれに合わせて深夜まで営業をするバーやレストランも多いので、飲食店の多いエリアはクリスマスとは対照的に夜遅くまでにぎわっていたりします。

では誰と新年を迎えるのか、というと、こちらはカップルで過ごしたり、仲のいい友人グループで集まったりするという人が多いです。クリスマスに実家に帰っていた人たちも、大晦日までには自宅に戻って新年を迎える派が多数。というのも、ドイツには3が日という概念がなく、2日から仕事や学校が普通に始まる人も少なくありません。1月1日は「新年だから」というより「昨晩夜更かししたから」という理由で祝日なんじゃないだろうか……と思うくらいです。

日本の場合、クリスチャンの方をのぞけば、多くの日本の人はキリスト教的な意味合いをあまり意識せずにクリスマスを過ごすことが多いと思います。カレンダー上の祝日でもないので、世の中がにぎやかに通常営業している日本のクリスマスは、たまにこの時期に帰省するととても不思議な感じがします。それは、ドイツで新年早々に世の中が通常営業モードになっていて不思議な感じがするのとちょっと似ています。

一方、日本の大晦日は一部でカウントダウンイベントなどもあるものの、とても静かですよね。もちろん大きな寺社などは初詣で賑わいますし、除夜の鐘も鳴りますが、そこらじゅうで花火の爆音が鳴り響くドイツの年末に比べると本当に静かです。私にはこちらの方が落ち着くのですが、ドイツ育ちの息子たちは「なんか年が明けた気がしない」とのこと。日本に留学した経験のあるドイツ人の友人は「静かすぎて世界から人類が消えたみたいだった。ちょっと怖かった……」と言っていました。

コラム後半は、そんなドイツの年末の風景と切っても切れない「花火」について書きます。

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