中野吉之伴フッスバルラボ

【まとめ】2022年を各月人気コラムと共に振り返る part 1(1月~6月)

▼ 2022年が終わる前に

今年もあとわずか。

「いろいろあったなぁ」と振り返る時期となりました。今回のフッスバルラボでは2022年各月の人気記事をご紹介しながら、それぞれの月に起こったことをちょっとずつ振り返ってみたいと思います。

良いこと、悪いこと。
楽しかったこと、悲しかったこと。
ポジティブなこと、ネガティブなこと。

1年を振り返ると本当にいろんなことがあったなと毎年思うものです。振り返って終わりではなくて、ポジティブなことはそれを継続していけるように、ネガティブなことはそれに対処していけるように。

そうやってまた力強く進んでいけるように。

▼ 2022年1月

【育成論】どんな理論やトレーニングもサッカーというスポーツから離れないように、ブツ切りにならないように取り組むことが絶対に大切だ

強豪クラブへのセレクション熱への危惧をまとめたコラム。

サッカーがお受験状態になってしまってないだろうか?
サッカー本来の楽しさや素晴らしさがどこかへ行ってしまわないだろうか?
そうした階段を上っていかないとサッカーてうまくなれないんだろうか?

子供たちが成長していくために、静所くしていくために大切なこととは何だろう。あわただしくせわしない毎日に皆さん振り回されることも多いかと思いますが、それでも時間を見つけて、ふと立ち止まって考えてほしいことです。

1月は前所属のフライブルガーFCから解任されてすぐのころですね。僕は監督をしなくなったけど、次男は「クラブに残ってチャレンジを続ける」と勇敢に戦っていました。僕と彼とは約束をしていました。

「新しい監督が長期的な視点でみんなのプレーについて考慮してくれるかどうかはわからない。チャンスを与えてくれないかもしれない。プレー時間も短くなるかもしれない。きつい言葉をかけられるかもしれない。それでも、約束してほしい。サッカーを嫌いにはならないでほしい。ここでのサッカーが全てじゃない」

彼はあのころ、どんな思いでグラウンドに向かっていたのでしょう?

将来酒を飲みながら、思い出話として振り返ってみたいですね。

▼ 2022年2月

【指導論】負荷設定の大切さはドイツでは最初のライセンス講習会で学ぶこと。基本を知らずの理論じゃ役には立たない

マインツで行われた指導者講習会の内容をまとめたコラム。

人間の体はどのようにできていて、どのようなアプローチをすると、どのように成長/疲弊するのかを知らないことに、トレーニングをオーガナイズすることはできないですよね。

ドイツの指導者育成では最初のライセンス講習会で細かく学ぶ大事な基礎知識。この記事を読んで元日本代表の岡崎慎司選手が僕にコンタクトを取ってくれたという思い出の記事です。

2月はいろんな方とZOOMで交流を取ることができました。

島根県大東市にある大東FCのみなさん、日本U20代表監督の影山雅永さん、元日本U21代表の幸野志有人選手、【きちゼミ】では池上正さんと益子直美とのWEB対談。

ZOOMなどのビデオ通話普及のおかげで、コンタクトを取って直接話ができる機会が増えたのはありがたい限りです。ただZOOM慣れしてしまうと、直接対峙するときと比べて緊張感がなくなりがちなので、そのメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで、有効活用していきたいなと思います。

ツールはやっぱり使い方次第。

▼ 2022年3月

【グラスルーツ】英国4部クラブ選手と6歳の少年の美しい物語。クラブとは人々の思いが集まるコミュニティとして時代を超えていく存在

6歳の男の子がイングランド4部リーグクラブへ送った手紙が素敵なつながりを生んだというコラム。

トップスターがいるから、常勝クラブだから、プロクラブだから。

サッカーチームを応援するのにいろんな理由があるかと思いますが、どんな街のどんなクラブにも歴史があり、つながりがあったりします。世代間を超えた結びつきがあります。

世間一般からしたら、名もなき1人のサッカー選手だけど、でも、その子にとってはだれよりも輝いているヒーロー。

みんなそれぞれが《自分だけのヒーロー》を見つけられる社会であってほしいと願っています。

3月で思い出すのは女子CLでバイエルンとパリSGの取材へ行った時のこと。女子サッカーで初めてアリアンツアリーナで試合が開催され、普段は2-3000人の観客数のところ、この試合では13000人をマーク。

カタールW杯では日本代表がドイツ代表とスペイン代表を撃破するなど、さまざまなドラマをもたらしてくれましたね。2023年7月には女子W杯がオーストラリアとニュージーランドで開催されますので、お忘れなく!

なでしこジャパンもですし、ドイツ女子代表も魅力的な選手がそろっています。こちらにも大注目したいところです。

▼ 2022年4月

【ドイツ情報】カタールW杯初戦の対戦相手はドイツ!!日本相手に油断をするつもりは毛頭ない

W杯で日本と同組になったドイツからの現地情報をまとめたコラム。

過去日本とドイツの対戦は2度だけでした。04年横浜で行われた親善試合は3-0でドイツが勝利をし、06年ワールドカップ前にレバークーゼンで行われた親善試合では2-2の引き分け。

ちなみに実は当時の立ち位置は日本の方が上でした。日本はFIFAランキング18位だったのに対し、ドイツはなんとそれより下の19位!

4月の段階ではドイツは過去の失敗による経験から今大会では必勝態勢で日本戦に臨んでくるはずだとみていましたし、日本については「90分間でボールタッチ5回でもいい。そのうちの1回をゴールネットへ運べる可能性を持った選手が必要なんだ」とまとめていました。

イースター休暇を利用して、家族で自転車旅行に出かけました。

フライブルクから自転車を電車に乗せて1時間ほど行ったところから、山間を抜けて小さな村のペンションに宿泊。好天にも恵まれとても素敵な自転車ツアーができました。自然の中で頭の中を空っぽにできる時間があることの素敵さを気づいたのは、いつだったでしょう。

ある時から散歩をしたり、山登りをしたり、自転車ツアーをしたりというのがたまらなく好きになりました。家族みんなが自然の中で過ごすことの楽しさを感じてくれているのはうれしい限り。また行きたくなってきました。

▼ 2022年5月

【ブンデス】シュツットガルトの窮地を救った英雄の名は遠藤航。土壇場で1部残留を決める劇的ゴール!

良くて2部リーグ3位との入れ替え戦出場とみられていたシュツットガルトが、最終節の土壇場アディショナルタイムで1部自動残留を果たすだなんて、サッカーとはなんとドラマティックでロマンティックなスポーツなのでしょう。

そのゴールが伊東洋輝のアシストから遠藤航がねじ込むというのが、もうすごすぎて。自分達の愛するクラブが助かったという事実以上に、展開のすごさにスタジアムにいたシュツットガルトファンがついていけなくて、頭を抱えて右往左往していたのがとても印象的でした。

コロナ禍の影響でミックスゾーンでの取材ができなかったのがとにかく残念。試合後に遠藤、伊藤両選手の話が聞けたらと今でも思いますし、監督やSDを含め、選手の興奮度合いを身近で感じたかったなぁと。

読み返すと当時の興奮もよみがえってきます。そして、ひょっとしたらこの試合に関しては、選手の声を聞けなかった方がよかったのかもしれないって思ってみたりもします。感性研ぎすまして、この試合を見て、書くことができたので。

シュツットガルト奇跡の残留のほか、鎌田大地と長谷部誠のフランクフルトがEL決勝進出を果たした一戦、板倉滉が大活躍しシャルケが1部昇格を飾った試合とエモーショナルな試合を連続で取材に行けたことがすごかったですが、個人的にはSCフライブルクがドイツカップ決勝で優勝まであと少しというところまで行きながら、PK戦でライプツィヒに敗れた試合が一番心に残っています。

ほんとに悔しかった。

ファンとして心底から応援してましたから。決勝翌日にフライブルクの町中でファンが集まっての報告会があったので子どもたちと行ってきました。この熱気が最高なんだよなぁって何度思ったことか。一生もののつながりです。

▼ 2022年6月

【インタビュー】よく食べる、よく学ぶ、よく遊ぶ、よく眠るというサイクルが日本にはちゃんとあるのだろうか?

オーストリアで活躍されている日本人指導者モラス雅樹さんとの食育に関するインタビュー記事。

モラスさんが指摘していたのは、日本のかなり有名な高校サッカー部の食生活がよろしくないという点。選手である前に僕らは人間ですし、体と心と頭の成長には負荷だけではなく、休むこと、遊ぶこと、食べること、眠ることはものすごく大切です。

バランスのとれた生活をする中で、やるべき時に100%の力で取り組める環境と習慣を作っていきたいですね。

6月には家族旅行でドイツ代表の試合を見に入ったり、ボーデン湖でのんびりしたりというのもありましたが、僕がいま所属しているSVホッホドルフのクラブ創立100周年記念式典があったのが感慨深いです。

僕は長男が6歳でこのクラブに入団してからの関りなので、8年ほど。監督としてそれなりに深くかかわっているつもりですが、このクラブには何十年とクラブを支えている方々がたくさんいるんです。皆さんボランティアで、でもそのことをひけらかしたり、文句を言ったりしない。

実に楽しそうに関わっている人たちばかりです。様々な世代がつながり合って、結び付きあって、支え合って。地域の中にこうした確かなコミュニティがあることの素晴らしさを僕は今でも毎日のように「本当に素晴らしいことだなぁ」と感じています。

(part2へ続く)

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