【指導論】今回のW杯で守備固めを優先するチームが多いのはなんで?これからのサッカーはどうなるだろう?
▼ W杯は純粋に楽しめるイベント
連日ワールドカップ三昧の毎日を送っている。
ドイツ代表がグループリーグで去り、日本代表がクロアチア代表の負けに涙し、スペイン代表がモロッコ代表の壁を打ち砕けず。それぞれにそれぞれのドラマがあった。一つ一つを消化するにはそれなりに時間を要する。気持ちの整理がつかないものもある。それでもサッカーは続いていくのだ。
W杯は決勝トーナメント1回戦が終わり、2日間の《休み》となったわけだが、試合のない夕方から夜にかけてに不思議な気持ちになってしまう。W杯というのはなんだかんだで面白い。
周囲の友人、知人、チームでの様子を見ていても、ドイツが負けたからといってドイツの人がW杯を見ていないわけではない。会うとやっぱりサッカーの話になる。サッカーが好きな人にとって、スポーツが好きな人にとって、純粋に楽しめるイベントなのだ。
ベスト8にそろった8か国はどこも強い。どこが勝ち残り、優勝までたどり着くかは本当にわからない。個人的にはアルゼンチンを応援したいところだが、果たして…
さて、この中断期を利用して、今大会を含めてここ最近のサッカーのトレンドや傾向、そして今後の展望についてを考察してみたい。
日本に敗れたドイツ、コスタリカに敗れた日本、モロッコに敗れたスペイン。
試合におけるディテイルはそれぞれ違うのはあるが、大筋として見られたのは《徹底して守備に力を注いで来られたら、中々得点を挙げることは難しい》という事実。これは別に最近初めて生まれて事象じゃない。サッカーの歴史の中で何度も何度も言われて、見られた現象だ。
W杯だけではなく、CLでも、ELでも、各国リーグでもどこだって起こっている。だからそんなことはみんな百も承知。それなのに対抗策を見出すことが困難だ。
なぜだろう?
これに関して以前フランスで長年指導者をやっている樋渡群さんから興味深い指摘を聞いたことがある。元日本代表監督ワヒド・ハリルホジッチ監督の通訳を務めていたことで有名な樋渡さんだが、本来の彼は生粋の指導者。
単身フランスにわたり、パリSGのU12でコーチを務めたりした後に帰国。福島のJFAアカデミーで男女様々な年代で指導者として活動されていた。ハリルホジッチ解任後は、フランスへと戻り、A級ライセンスを獲得し、フランス女子地域リーグ2部クラブチーム監督ボワッシーなどで監督を歴任。
先日久しぶりにZOOMで《フランスサッカーの今》《フランスにおける育成のあり方》《指導者の関わり方》などについて、とても興味深い話をいろいろ伺えた。その時の話はREALSPORTSさんで以下2つの記事にまとめてあるので、まだの方はぜひ読んでいただきたい。
フランスで指導者としてご活躍の樋渡郡さんにフランスサッカーの今についてお話を伺いました。
立地、歴史、社会、習慣、仕組み
いろんな要素がある中でフランスから優れた選手がどんどん出てくる背景をまとめてみました。https://t.co/X0hstnZQ5F
— 吉之伴@🇩🇪サッカー指導者/サッカーライター (@kichinosuken) October 5, 2022
【W杯王者フランスでさえ抱える育成問題。「スマホ弊害」「教育格差」新時代のサッカー界の在り方】
(文=中野吉之伴@kichinosuken)「日々のスケジュールを親に管理され、空き時間はスマホと過ごす子どもたちはフランスでも…」#WorldCup2022 #少年サッカー#サッカーhttps://t.co/hjXEk4n7di
— REAL SPORTS(リアルスポーツ) (@realsportsjp) October 10, 2022
今回はその時に話をしていた《昨今サッカー界の特徴について》の話を掘り下げてみたいと思う。
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