中野吉之伴フッスバルラボ

【フッスバルコラム】日本代表はW杯でドイツ代表とどう戦う?ドイツで20年以上指導者をする僕が考察してみた

▼ 日本代表、いかに戦う?

カタールW杯開幕がいよいよ3週間後に迫っている。

各国リーグ戦が終わる時期はまちまちだが、少しずつ大会最終メンバーも発表される。ドイツ代表に関しては11月10日(木)に発表。その週末に中断前最後のリーグ戦が行われるとそのまま最終合宿先のオマーンに飛ぶことになっている。

一方の日本代表は11月1日(火)に発表されるようだ。日本代表監督森保一はどのようなプランとどのようなビジョンでどのようなメンバーを選ぶのだろうか。驚きのメンバー選考はなさそうな気はするが…。

メンバー予想は様々なメディアでされていると思われるので、フッスバルラボでは《もし僕が監督だったらどんなメンバーでどのようにドイツ代表と戦うか》を考察してみたいと思う。

今大会ではドイツ、コスタリカ、スペインの順で対戦するわけだが、やはり初戦が非常に大切になる

ドイツは9月の代表シリーズでかなり低調な出来だった。僕も取材に訪れたライプツィヒでのハンガリー戦は正直みるに堪えないほどミスが多く、「この出来だったら日本にも結構チャンスがあるんじゃないか?」と思ってしまうほどひどかった。

18年W杯前にも直前の親善試合でオーストリア代表にあまりよくないパフォーマンスで負けたことがあった。当時監督だったヨアヒム・レーフが「今は準備段階。大会になったら自分達は本番モードだ。安心してほしい」と言っておきながら、グループリーグで全く調子が上がらないまま敗退したのは記憶に新しい。

今回もひょっとしたら同じようなパターンにもなるのだろうかと思ったりもしていたが、その後のブンデスリーガでの代表選手のプレーぶりを見ていると、さすがにそうはならなそうだ。

マヌエル・ノイアー、トーマス・ミュラーという主軸が負傷で離脱しているというのは心配なところだが、9月の代表戦で軒並み調子が悪かったバイエルン、ドルトムント、ライプツィヒ勢が見違えるほどパフォーマンスレベルを上げてきている。

本大会前にオマーンで行われる最終合宿では、フィジカル・メンタル調整と戦術の確認くらいにしか時間を費やすことはできないため、日本戦でマックスに仕上がっているということはおそらくないが、それでも守備における決まり事や攻撃時の基本的な優先順位をしっかりと整理して臨んでくるところまでは落とし込んでくるだろう。

当たり前だが、9月に日本が勝利したアメリカ代表よりは間違いなく心身ともにコンディションがいい状態だろうし、そしてドイツが抱える選手のクオリティはアメリカのそれよりさらに上だ。

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