中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】月額1000円で日本のアニメが見放題!充実するドイツサブスクの日本コンテンツとその影響

こんにちは!6月も最終週に入りました。2022年ももう半分終わってしまいましたね。時間の流れの早さに、正直気持ちがついていきませんが、今週もドイツの日常コラム「ゆきラボ」をお届けします。

【ゆきラボ】物価が上がって泣きそう。ドイツの人はどこを節約する?

前回のコラムの最後で、少しだけサブスクと映画の話を書いたので、今日はそのドイツのサブスク事情について少し掘り下げてみようと思います。

みなさん、アニメ「SPY×FAMILY」はご覧になってますか?我が家では家族みんなで毎週末楽しみに見ています。主人公の女の子の名前「アーニャ」はドイツではとてもポピュラーな女性名なのですが、知人の10代の娘さんによれば「アーニャという名前の子はそれだけでちょっと羨ましがられる」くらい、このアニメは浸透しているらしいです。

ドイツ語つづりだとアーニャの「ニャ」はnjaになります

見ていない方のために簡単に軽く説明すると、変装の達人である男性スパイが、ある任務のため、孤児院から引き取った子どもアーニャと、たまたま知り合った女性との3人で「妻と子を持つごく普通の精神科医ロイド・フォージャー」として暮らし始めることに。ところが実はその子どもは超能力者で、女性の正体は凄腕の殺し屋だった……というところから始まるアクションホームコメディです。

このお話、ロイド・フォージャーが「任務のため」と割り切ってアーニャに接していることが、結果、アーニャにとってはかなりハッピーな生活になっている、というところが、血のつながった子どもを育てている親の立場からするととても考えさせられ、ときに反省させられる内容となっています。大人が「子どものため」だと思い、良かれと思ってってすることが、必ずしも子どものためになるとは限らない……ということは、子どもに関わる立場にある人であれば誰しも多かれ少なかれ経験しているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

イメージ https://www.photo-ac.com/ 「ゴールデンカムイ」連載は完結しましたね。アニメも早く続きが観たいです

さて、ドイツで日本のアニメをどうやって観るのかというと、我が家で利用しているのはCrunchy Rollというアニメのネット配信サービス。最安プランで月額6ユーロ99セント、日本円だと今のレートでちょうど1000円程度から利用できます。「呪術廻戦」「鬼滅の刃」「ゴールデンカムイ」「進撃の巨人」など日本でも人気のタイトルがずらりと揃っており、注目度の高い作品は日本とほとんどタイムラグなく配信されています。

「SPY×FAMILY」の場合、最終話が日本で初放送されたのが6月25日だったそうですが、ドイツでも現地時間の翌26日には見ることができました。私たちは字幕なしで観ていますが、ドイツ語・英語・フランス語・スペイン語など、ヨーロッパの主要言語の字幕版も同時に公開されています。日本からビデオやDVDを送ってもらうか、ドイツでDVDが売り出されるまで待つという選択肢しかなかった2000年代初頭を知っている人間からすると、本当に良い世の中になったなあと思います。

アニメとのコラボTシャツ、ドイツのユニクロでも売ってます

日本の映画やアニメは他にもNexflixやAmazon Prime、wakanimなどで視聴可能です。日本が恋しい海外在住者だけでなく、海外のアニメファンにとっても、以前なら1作品ごとに何十ユーロも払ってDVDやBlu-rayを買い揃えていたのが低額で見放題になったのですから、こんなにありがたいことはないでしょう。低額化にともなって日本のアニメのイメージも少し変わったようで、以前だったらスタジオジブリ作品のようなビッグタイトル以外、アニメは基本的にオタクが見るものという扱いでした。今ではもっと敷居低く気軽に多くの人が楽しめるものになっています。

マンガも同様で、好きなマンガを何巻も揃えるには場所もお金もある程度必要ですし、ある程度大きな街の本屋や図書館に行かないとそもそもマンガを手に取ることができません。これまでは、特に田舎に住んでいる人にとっては、そもそも日本のマンガを読んだり買ったり同じ趣味の友達と繋がったりすること自体がかなりハードルの高いことでした。今はドイツ中どこにいても、ネット環境さえあればKindleで簡単に、かつ紙の本よりも割安に日本のマンガが買えますし、SNSで同じマンガが好きな友達と盛り上がることも以前よりずっと簡単になっています。

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