中野吉之伴フッスバルラボ

【育成論】スイスサッカーから学ぶ 指導者育成における厳格な取り組み

フットボリスタから転載

▼ スイスサッカーから学ぶ

スイスは世界的なサッカー大国ではない。アルプス山脈を中心とした山岳地帯が多いスイスは国土面積でみたら九州をひと回り小さくしたくらい。可住地面積で見たらさらに狭く、スイスサッカー協会の登録会員数は約28万人で日本のそれよりも少ない。サッカークラブの総数は1400弱。国内リーグはUEFAランキングで19位で、代表チームにしても1970年から2002年までの間、ビックトーナメント17大会中予選突破を果たしたのはわずかに2回に過ぎなかった。

立地条件・環境からしたら理想的とはとても言えないそんなスイスが、ここ最近は国際舞台でも目覚ましい活躍を見せている。昨年のEURO2020では優勝候補のフランスを打ち破ってベスト8。準決勝ではスペインにPK戦の末に敗れたが、その戦いぶりは世界のサッカーファンに力強い印象を残したはずだ。

昨年、ドイツプロコーチ連盟(BDFL)とヘッセン州サッカー協会共催で行われた指導者講習会に参加した際、「スイスではどのような育成が行われているのか」についての講義が行われた。今回はその内容の一部ついて紹介したい。

講師として招待されたのはビリー・シュミット。スイスの名門バーゼルで長年育成コーディネーターを務め、スイスサッカー協会の指導者育成にも多大な貢献をしている人物だ。

(残り 3302文字/全文: 3939文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ