【ブンデス】日本人の決定力不足の要因とは?日本代表FW浅野拓磨のブンデスリーガでのプレーから考察してみた
▼ 得点力不足解消において大切なこと
日本代表が無事にカタールワールドカップ出場を決めた。いろいろ言われているが、やはり出場を決めるというのは大切なこと。世界を見ると欧州選手権優勝国のイタリアが2大会連続で予選敗退したりもしている。バイエルンでブンデスリーガだけではなく、CL優勝も果たしているカナダ代表アルフォンソ・ディビスでもW杯出場が決まった瞬間には涙を流して喜んだ。
コロナ感染後に心臓に炎症が見つかりしばらくチームから離脱していたため、W杯最終予選にも出場はできなかったディビス。大事な一戦をTV観戦しながら動画配信をしていたのだが、最後には喜びを通り越して、感極まって涙を流している姿がとても印象的だった。それくらい世界中の選手がプレーできることを熱望している舞台だというのを僕らは忘れてはいけない。
さて、今回はそんな日本代表にも関係があるテーマとして、《決定力》というのをあげたいと思う。《決定力不足》というのは日本サッカー界でもっともよく耳にする言葉の一つ。
シュツットガルト時代に元日本代表FW岡崎慎司が次のように語っていたことを思い出す。
「ヨーロッパって、ユースから昇格した選手で名前も知らないのに、なんでこんなにシュートがうまいんだろうというのがたくさんあります。ドイツに渡った頃はショックを受けました。でも、だからこそ、もっと練習をやらないといけないと感じます」
この指摘は今考えてもとても興味深い。ドイツをはじめ欧州ではどのようにゴールを決めるのかは身についている選手が育成時から多かったりする。だからトップチームで一緒にトレーニングをしていても自分の形でシュートに持ち込もうとするし、そこから放たれるシュートが一線級のGKを突破してゴールネットに吸い込まれていくのだ。
サッカーはゴールを決めるスポーツ。だからシュートから取り組むのはある意味自然な考えだ。僕が暮らすフライブルクの地域に関していえば、子供たちはどんどんシュートを学ぶ。1年生でもGKの位置を見て隅に鋭いシュートを決める子なんて普通にいる。
やっぱりシュートがうまくならない限り、サッカーというスポーツはいつまでも最後の一線を越えていけないのではないかと思う。どれだけ素晴らしいチャンスを作っても、どれだけ「これはさすがに誰でもゴールできるだろう」という決定機を生みだしても、最後のところでボールがゴールラインを割らない限り、得点を奪うことはできないのだから。
ではどうすればもっとシュートを決められるようになるのだろう?そうした点で先日少し気になるシーンを目にした。25節フランクフルトとボーフムの試合を取材しに行ったのだが、この試合における日本代表FW浅野拓磨が外した決定機について、少し考察してみたいと思う。
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