中野吉之伴フッスバルラボ

【指導論】3日間の合宿でみんなは本当の意味で《チーム》となるためのきっかけをがっしりとつかんだ

合宿初日のレポート「【指導論】2泊3日の合宿のテーマはチームビルディング。お互いをよく知り、共通の目的を作り、それぞれが何をすべきかを共有したい」、2日目のレポート「合宿中にみんなで決めた目標。子供たちが具体的なビジョンを持てるように落とし込むのがポイント!」はこちらから

▼ みんなで話し合ったことがすぐできるわけではない

2泊3日で行った夏合宿の2日目、今シーズンの自分たちの目標を自分たちで考えて、自分たちでまとめて、自分たちで決めた。

だからといってこれですべての問題が解決する、なんて簡単なわけにはいかない。

話合いのあと、昼ご飯までは自由時間。子どもたちはユースホステル敷地になるグラウンドでサッカーをしたり、サッカーテニスをしたり、バスケをしていたわけだけど、そこでそれなりにケンカがあったそうだ。

「あいつがあんなこと言った!」
「あいつはいつもずるをする!」
「僕は悪くない!」

そんなことを言い合っている。アシスタントコーチのダービッドは事態を収拾しようと子供たちに「そういうことを言ったらだめだよ。僕らは大事な仲間じゃないか。そんなことをしたらお互い信じられなくなってしまうよ」ということを丁寧に説明しようとする。

子供たちはふてくされた様子で話を聞いて、でもそのままなのも嫌なので「わかりましたよ」みたいな対応で話を終わらそうとしていた。

ダービッドは「よし、じゃあ気持ちを切り替えて、キチのビデオ分析の話を聞こう」とまとめ、子供たちはこちらに視線を向ける。

でも僕はすぐに話を始めない。《あれ?》という空気感が出てくる。

「ビデオ分析をするつもりで準備をしてきたけど、いまそれをする必要があるのだろうか?というのを考えているんだ。ほかにもっと大事なことがあるんじゃないだろうか」

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