中野吉之伴フッスバルラボ

【対談】パプスト「戦術ばかりを口にする若い指導者が本当に増えているのが気がかり」ベルグナー「みんな何でもできる。でも最終的に必要なゴールを挙げることができない」

▼ パプストとベルグナーの話が面白かったので番外編を公開

ワールドサッカーダイジェストさんで毎年恒例となっているブンデスリーガベストプレーヤー50で、今年も選考委員を担当させてもらった。それにしても今年でもう6~7回目だ。毎年声をかけていただき、ただただ感謝。

この座談会では指導者や元プロ選手、ジャーナリストが今季のリーグベスト50選手を選出するわけだけど、毎回それぞれ思い入れのある選手がいるからいろいろと議論が熱くなって面白い。僕自身毎年楽しみにしている企画だ。

今回はおなじみクラウス・パプストさんと30年以上サッカーのTVレポーターとして活躍しているユルゲン・ベルグナーさんと行ったわけだが、実はベルグナーさんは僕と同じドイツサッカー協会公認A級指導者ライセンスを持っているという。

だからだろうか、アイドリングで最初に自己消化やら互いの近況報告やらをしていたら、気が付いたら最近の育成や戦術、指導者のあり方についてのディスカッションが始まっていた。

その内容がとても興味深いものだったので、フッスバルラボでご紹介したいと思う。

▼ 戦術ばかりを口にする若手指導者が増えてないか?

パプスト 最近すごく気がかりなことがあるんだ。ナーゲルスマンの真似が好きなのかわからないけど、戦術ばかりを口にする若い指導者が本当に増えていることなんだ。

《FWはどう動かなければならない》とか、《ボールを受ける前の準備はこうでなければならない》とか、《味方選手のためにこんな動きも身につけたほうがいい》とか、《フォーメーションごとの動き方》とかを言いすぎている。

うちのクラブでも指導者志望でくる人と面談をするんだけど、戦術の話ばっかりをする。でも育成で考えてみたら、まず子どもたちがボールを蹴って、サッカーができてという環境をトレーニングの中から作ってあげる方が先じゃないか。

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