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中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】「野菜の王様」アスパラの季節がやってきた

こんにちは!今回のゆきラボでは、4月のはじめに書いた記事で予告したドイツのアスパラガスの話を書きます。

タイトルにも書きましたが、春が旬の白アスパラガスは、野菜の王様と呼ばれるほどドイツで愛されている存在です。四季を問わず、一年中様々な野菜や果物が青果売り場に並んでいる現代のドイツですが、そんな中にあっても白アスパラは旬を強く感じさせる風物詩です。ちなみに、緑のアスパラガスは以前はそれほどメジャーな存在ではありませんでした。現在もスーパーや市場で売り場に「一応」という感じで並んではいますが、白アスパラのように、それ専用の特設の売り場ができるほどの人気はありません。

https://www.photo-ac.com/

ドイツ人の友人と食べ物の好き嫌いの話をすると、ときどき「私、ドイツ人だけどアスパラ嫌いなんだよね」という人がいます。「フランス人だけどクロワッサン嫌い」とか「日本人だけど寿司が嫌い」というのと同じレベルで、その国で皆に強く広く愛されている食べ物といえばアスパラなんだ!という強い自覚がないと、なかなかこういう発言は出てこないのではないかと思います。

では、どう食べるかというと、一番伝統的なのはゆでたアスパラガスに「オランデーゼソース」という卵黄とバターをベースにしたクリーミーでコクのあるソースをかけて頂く食べ方です。このソース、コクはあっても、マヨネーズやベシャメルソースに比べてさっぱりと軽くて食べやすく、ジャガイモとも良く合います。

が、実は我が家ではこの食べ方ではなく、和風寄りの食べ方をすることが多いです。先日は天ぷらにしていただきました。

バターソテーにしたアスパラガスを、ハムと一緒にクレープで巻くのも家族全員が好きな食べ方です。

そして、白アスパラは、ゆで汁や、皮・固い根本部分も捨てずに美味しく頂くことができる野菜です。お湯を沸かして皮や根本をゆでると、アスパラの香り高い美味しい野菜出汁が取れるので、これかゆで汁を他の具材と合わせるだけで手軽に美味しい野菜スープの出来上がり。

と手を変え品を変え美味しく楽しんでいる旬のアスパラですが、昨年からこのアスパラガス、2~3割ほど値上がりしています。天候等の自然要因だけではなく、実はコロナ禍の影響がこんなところにも表れています。白いアスパラガスは、深く土をかぶせて、さらにビニールシートで覆って日光を遮って育てるのですが、この細長いデリケートな作物を傷めないように地中から掘り出す作業は機械化できないため、収穫期にはたくさんの人手が必要になります。同じ季節に収穫されるイチゴなども同様です。

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そのため、これまでは春の収穫期のために、東欧など物価や賃金の安い国から多くの外国人労働者が出稼ぎに来ていました。働き手を満載して遠方からやってくるバスが乗りつける光景は、収穫最盛期を迎える農村地帯ではおなじみの光景だったそうです。それがコロナ禍で人の移動が制限された昨年から、このような形で出稼ぎのために人が移動することができなくなりました。代わりにドイツ国内では、コロナで仕事や収入が減った人と、働き手を探す農家をマッチングするアプリなどが登場して、人手を確保するための対策が取られました。

その結果の値上がりです。人件費の安い国からやってきた人に支払う対価ではなく、ドイツ国内にいる働き手に相応の対価を支払った結果がアスパラガスに上乗せされたわけです。つまり今買っている値段のほうがむしろ適正な値段で、一昨年までの値段は、安い賃金でアスパラの収穫をしていた人たちの上に成り立っていたんだな…と思うと、今まで購入していた価格に罪悪感を感じてしまいます。そんなアスパラのジューシーさの中にも複雑な苦みを感じる春のドイツなのでした。

今週もお読みくださりありがとうございました!次回のゆきラボもよろしくお願いします。

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