内田篤人が指摘した「世界と日本の差」を掘り下げて考えてみた。僕たちが日本の育成現場でやるべきこととは?
▼ 読者の質問にお答えします。Vol.18
質問:気になった記事があったので、ご質問させていただきます。
内田篤人選手の引退コメントにあった”日本と世界の差”って育成レベルで感じる部分を教えていただけたらありがたいです。
答え:
チャンピオンズリーグ決勝戦をみると、両チーム選手の技術、戦術理解もハイレベルでしたが、フィジカルコンディションのすばらしさに驚かされますよね。
特にバイエルン選手は前半開始から相当のインテンシティでプレーをし続けていたのに、ハーフタイム後さらにギアをあげて走り続けることができるというのは驚異的です。
ではそもそものところで、「根本的なコンディションレベルが上がったから、あのようなスーパーインテンシティのサッカーを目指すようになったのか」、あるいは「ああいうサッカーがやりたいという思いがあったからコンディションレベルを上げる必要性が出てきたのか」という命題を考えてみるのはとても興味深いところ。
このテーマに関しては、結構前にフットボリスタで指導者仲間でもあるフランク・シュタインメッツにインタビューをした時の記事が参考になるかなと思います。
今日ではサイドバックは高い位置を取るし、オフェンスへの貢献が重要になっている。これは選手のフィジカル能力が上がったからなのか、それとも戦術の発展なのか?
シュタインメッツ「うーん、両方だな。確かに今は両サイドバックがかなり高い位置を取るのが普通になってきている。じっくりとボールポゼッションできる時は、両サイドバックはビルドアップへの関与が求められるからね。戦術的見地からすれば、できる限りピッチ全体を幅広く、奥深く使うことが大切だ。
だからといって、サイドバックにそれができるだけのアスレティック能力やフィジカルコンディションがなければ絵に描いた餅でしかない。ボールを失った後にすぐ戻れなければ、『ピッチを広く使ってポゼッションする』という出発点がそもそも間違っていることになる。
うーん、フィジカル能力の要求を満たす選手が出てきたのが先か、戦術が先かは難しいな(苦笑)」
スタートがどちらであったとしても、どちらも大事な視点としてもっていなければならないというところが重要なポイントではないかと思います。
ではそうした視点でサッカーが考えられているでしょうか、日本では?
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