U6からU9までの子どもたちに大切なこと。遊びながらいろんなことが身につけられる「サッカー祭り」を開催しよう!
▼ミッテルライン地方サッカー協会・男子育成関連主任のオリバー・ツェッペンフェルトさんにお話を伺った
日本でサッカーコーチのコーチとして活躍されている倉本和昌さんがご家族でドイツへ訪問しにきた。渡独の目的については倉本さんがご自身のYouTubeで発信されているので、ぜひご覧になってほしい。
水曜日の無料コラム更新しました。欧州視察中の倉本和昌さんによる動画のご紹介と、それに関連して過去の年代別トレーニングをまとめてご紹介。年代別トレーニングの各記事は、公開後時間が経っても定期的に検索・読み返して頂いている定番記事です。未読の方はぜひ。https://t.co/m4Q1rokKzq
— 中野吉之伴「子どもと育つ」事務局 (@kichi_maga) October 30, 2019
ドイツではフニーニョの視察のほか、「現地指導者の方と話ができたら」という希望をもらっていたので、先日、池上正さんのドイツ指導者研修でお世話になったベレーナ・ハーゲドルンさんに相談してみた。すると、ドイツの幼稚園や小学校低学年サッカーにおける取り組みについて、地方サッカー協会の担当者が時間を取ってくれるという。またとないチャンス!早速日取りを押さえて、無事倉本さんと二人でヘネフスポーツシューレで会うことができた。
オリバー・ツェッペンフェルトさんは物腰は柔らかく、だがその言葉の端々からは強い信念が感じられる。はっきりとした言葉で、大事なポイントをついていく。私も倉本さんも、すぐに引き込まれていった。なるほど、そういうふうに捉えて、解釈するのか、ということがどんどん出てくる。スポーツシューレの待合ロビーでノートパソコンを広げて、いろいろな話を聞かせてもらったのだが、気がつくと当初予定していた1時間をとうに過ぎ、90分間以上も熱い話し合いをすることができた。
ミッテルライン地方では5年前に幼稚園年代におけるサッカー環境のリフォームをスタートさせたそうだ。「サッカー大会」という名目ではなく、「バンビーニスポーツフェスタ」と、どちらかというとみんなで楽しみましょうという雰囲気を前面に出すようにしている。ここは大事なところだ。指導者も保護者も、試合、それも公式戦となると、気持ちが勝つほうに傾いてしまう。たとえ幼稚園に通う子どもたちであっても、一生懸命集中して、勝つためにプレーすることを押し付ける。だが、それが子どもたちの成長の足かせになってしまっていないだろうか。どこかで私たちは、「試合では子どもたちがサッカーを真剣にやらなければならない」という強制概念にとらわれてしまっていないだろうか。その考え方は子供たちの成長段階にあっているだろうか。それがその後の成長に本当に結びついていくのだろうか。
バンビーニスポーツフェスタを導入する前の同地方では、他のドイツの地方とおなじように、7対7の試合が当たり前に行われていたという。すでに10年前からドイツサッカー連盟は、子どもたちのサッカーに対する新しい取り組みを導入しようとしていた。この辺りに関しては拙著「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」でも詳しく取り上げているので、ぜひ読んでいただきたい。
その中に少人数制サッカーの推奨というものがある。7対7では発達段階の子どもたちにとっていろんなところで負担が大きい。そもそもみんながみんなサッカーに関われないことが一番の問題だった。ツェッペンフェルトさんは非常に興味深いデータの話をしてくれた。
「試合データにおける研究をしてみたことがあります。7対7でプレーする14人のうち、この中でうまい4人が全体のコンタクト数の80%を占めていたんです。80%ですよ。つまり他の10人を合わせても、全体のわずか20%のコンタクト数しかできないでいたんです」
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