【指導論】州協会専任指導者ハーゲドルンさんに聞く。ドイツの指導者講習会って何をどのように行うの?
▼ドイツB級ライセンス講習会の内容をご紹介
もう1か月以上前の話になるが、池上正さんドイツ指導者研修のアテンドをした際に、ケルン郊外にあるヘネフスポーツシューレを訪問した。
スポーツシューレというのは日本でいうトレーニングセンターだろうか。天然芝・人工芝のグラウンドが3-4面、多目的体育館、プール、会議室、宿泊所と完備されている。
そして施設見学だけではなく、ミッテルライン地方サッカー協会の専任スタッフであるベレーナ・ハーゲドルンさんにレクチャーをしていただいた。
ケルンやデュッセルドルフといった大都市が多いこの地方では、どのような取り組みをしているのか。ハーゲドルンさんは物腰が非常に柔らかで、こちらの質問に対してもすべて真剣に答えてくれる。
メインテーマは《ドイツB級ライセンス講習会の実情》。
その時の話を今回特別にご紹介したいと思う。
ハーゲドルン「まずはこの地域で行われている指導者育成のシステムについてお話しします。指導者ピラミッドというのはどの国も同じようなものだと思いますが、ドイツだとC級、B級、エリートユース、A級、そしてプロコーチライセンスという仕組みになっています。ライセンスの前段階として、チームリーダーといった資格があります。ドイツサッカー協会が行う初心者指導者向けの講習会も活発に行われています。
ドイツには21の地方協会があり、それぞれがC、B級の指導者育成を担当しています。それより上の指導者育成はドイツサッカー協会の管轄になります。今日はB級ライセンスに関するお話をします。
地方サッカー協会では平均して毎年7-8回のライセンスコースを準備しているようにしています。各コースには25人前後が参加、この地方だけで年間200人前後の指導者を育成するという図式になりますね。その上のエリートユースライセンスからはドイツ全体で年に8-11回、A級ライセンスだと4-6回それぞれ開催されます。そしてプロコーチライセンスは年に1回です。
どのライセンス講習会でもそれぞれ最後に試験があり、点数で合否を判断します。そしてこのテストの点数で先のライセンス講習会にすぐ参加できるかどうかが決まってきます。例えばB級を所得した際の得点が一定数以上ない場合は、エリートユースライセンス講習会に参加するための適性テストを受けなければなりません」
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