中野吉之伴フッスバルラボ

【過去記事振り返り】指導者って何をする人?原点に立ち返ろう

こんにちは!水曜日コラム担当・ゆきのです。

本日のコラムでは、まず昨年のこの時期にアップされた中野吉之伴の2本の記事をご紹介したいと思います。どちらの記事も、本田圭佑氏のツイートをきっかけに書かれたものです。

 

本田圭佑のつぶやきをキッカケに指導者を再考! 中野「育成指導者がサッカーを教えられないようでは問題外。でも、サッカーしか教えられない指導者は失格」【9月「フリーコラム01」】

 

教える、指導する、伝える、導くために何が必要で、何を身につけるべきか。指導者は考えを公開し、意見をもらい、磨き上げていく方がプラスになる。【9月「フリーコラム02」】

フリーコラム01は、『指導者って何をする人だ? 』という、とてもシンプルで、根源的な問いかけから始まります。

この記事を読んでくださっている方の中には、現役指導者の方、これから指導者を目指す方がたくさんおられると思います。

あなたが、指導者になったきっかけはなんですか?

あなたが、指導者を目指しているのはどうしてですか?

考えてみると、「教える」というのは、とても普遍的な行為です。動物の親は、子どもにエサの捕り方や身の守り方を伝えます。群れを作る生き物なら、子は親だけでなく他の仲間からも数えきれないことを教わりながら大きくなり、仲間同士で生きる知恵を伝え合います。

それは私たち人間の社会でも基本的には変わらないと思います。自分の持っている技術や知識を、必要とする人に伝えるということ。大切なことを仲間の内で共有すること。それ自体は、とてもシンプルな行為です。教えるべき内容と、教えたいという意志を持っている人には、誰にでもできることのようにも思えます。

でも、私たちの社会には「指導者」と呼ばれる人がいます。「教える」ということの中心的な役割を担う人がいます。そして多くの場合、指導者には資格、つまりライセンスが必要とされます。なぜでしょう?ライセンスって、そもそも何のために必要なんでしょう?このコラムをきっかけに、一緒に考えてくださる方がいたら幸いです。

フリーコラム02では、ドイツサッカー協会の指導者育成インストラクター元主任のフランク・ボルムート 氏の言葉を引用しながら、「なぜ、何のためにライセンスが必要か」 についてさらに考えます。良き指導者の条件とは、現役時代に大きな功績を残していることでしょうか?強豪国でのプロ経験や、大会で好成績を残した過去、そこで培った人脈があれば、優秀な指導者になれるのでしょうか?ボルムート氏は選手と指導者の能力は分けて考えなければならないと明言しています。

その上で、ライセンスとはただ単に指導者としての能力を持つ人にお墨付きを与えるためだけのものではない、と中野のコラムは続きます。

ライセンス講習会はその国におけるサッカーへの共通理解を助長する役割を果たす目的もある

「『どんなサッカーを指向しようとも、これだけは忘れずに大事にしましょうという基本を徹底する

「『ライセンスは不必要にするのではなくて、ライセンスを取るために学ぶ場を必要性の高いものとして自分たち築き上げていく方がおもしろいではないか

そう、ライセンスを取ったらそこでおしまい、ではありません。ライセンスは通過点でこそあれ、ゴールではないのです。

教える、指導する、伝える、導く。

そのために何が必要で、何を身につけなければならないのか。考えれば考えるほど、非常に難しく、知れば知るほど、奥が深い。だからこそ、その取り組みはスリリングで楽しいものだ

繰り返しになりますが、「教える」ということ自体はとてもシンプルで普遍的なわたしたちの営みです。入り口はとても広い。けれど奥はとても深くて遠いのです。だから、このWebマガジンを通じて、同じ「教える」という立場にいる皆さんと、情報を共有し、アップデートし、ブラッシュアップしながら、「子どもと育つ」ためにできることをこれからも日々模索していきたいと思っています。

今週もお読みくださりありがとうございました!

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