「中盤でのプレス」をテーマにした練習メニュー
▼今日はトレーニングメニューについて書きたい。
なぜなら現在それを考えるのに一番苦労しているからだ。今シーズン、私はフライブルガーFCでU16の監督を務めている。選手個々のレベルは高く、前半戦をリーグ首位で折り返すことができた。ところが冬休みを明けてからというもの、チームの雰囲気があまりよくない。トレーニングをしていると選手サイドから不満が出てくる頻度が増えてきている。モチベーションが上がってこない。
それはなぜか?
冬の準備期間は風邪が流行る。練習に参加する選手数はどうしても減ってしまうことが多くなる。少ない場合は8人くらいとなる。また、2人いるGKのうち1人は持病持ちで練習を休みがち。しょうがないことだが、もう一人のGKが風邪を引いたらしばらくGKなしで練習しなければならない。そういうことが繰り返されると、「ちゃんとした練習ができない」と選手のモチベーションはどんどん下がる。モチベーションが下がると、緊張感や我慢もなくなる。細かい指示をしようとすると、露骨に拒否反応を示す。
やるべきこと、取り組むべきことはたくさんある。でも、そうしたことができない状態で無理やり練習しても互いのプラスにならない。だから、まずはとにかくモチベーション高く取り組めるトレーニング、モチベーションを高めるトレーニングばかりを考えざるを得えなくなる。そうしたトレーニングを提示できたら選手からの不満は減る。
こちらはホッとする。でも、そのままでいいのだろうか? 戦術的なことや個々に必要なトレーニングだってあるわけで、楽しいだけのトレーニングしかしない、だと困る。だから、単純なトレーニングも組み入れるし、修正だって加える。文句を言われることも想定にいれる。でも、そのあたりのサジ加減がすごく難しいのが現状だ。
毎回トレーニングメニューを考案するときに悩む。どんな練習だったら集中してすぐに取り組んでくれるのか、どういう順番だったらスムーズに進んでいくのか。どのルール構成だったら思考的にもフィジカル的にもメンタル的にも最適な負荷になるだろうか。だから、練習が始まるまでドキドキだ。これで大丈夫かと。
そんな状態なので、これを機にトレーニングメニューを作る上で大切なポイントをもう一度しっかり整理してみたいと思ったわけだ。
トレーニングメニューを作成する時にまず考えるのは「テーマ」。それぞれの年代にあった戦術的なテーマをピックアップし、それに技術的、思考的、フィジカル的、メンタル的要素を組み込んでいく。例えば、先週U16では「中盤でのプレス」をテーマにしていた。
実際に試合で起こってほしい局面、実際に強調したいプレーを整理する。「中盤でのプレス」というテーマ内で、私が先週取り上げたポイントは「自分の背後にいる選手へパスを通されることに準備しておく」部分。つまり、自分の背後にパスが通されたときにそこで立ち止まらず、すぐに下がって挟みうちできなければならない。
▼中盤でのプレス
次に、こうした現象が起こりやすく、しかもできるだけミニゲームの要素を持ちながら、ということを意識する。「現象を切り取る」のはそのまま当てはめることではなく、そこからアレンジすることでより良いトレーニングメニューとなる。
では、どのようにアレンジすればいいだろうか。練習メニューを考える際に注意すべき点は次の12の要素だ。
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