Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

選手OBの審判早期養成プログラムについて「若い年代から国際審判として活躍できる方を元選手の中から多く輩出していきたい(Jリーグ・樋口氏)」

1月28日、Jリーグの理事会が行われ、理事会後に記者会見が行われた。

今回、野々村チェアマンは不在のため、各担当者が説明を行った。
この中で、審判領域の質向上に向けた取り組みについて、樋口順也氏が説明を行った。

2025シーズンの主な取り組みは以下の通り。

■2025シーズンの主な取り組み
・プロフェッショナルレフェリー(PR)の拡大
‐PRを19名(2024シーズン)から24名に増員
・Jリーグ担当審判員の手当見直し
‐明治安田J2・J3リーグ担当審判員向けの手当底上げ
‐PR向けおよび明治安田J1リーグ担当審判員向けの手当の調整および統一
海外審判の招聘
‐7か国(ベルギー、イングランド、ドイツ、ポーランド、エルサルバドル、カタール、サウジアラビア)から海外審判を招聘予定
*2024シーズンの招聘国:イングランド、ドイツ、ポーランド、アメリカ、メキシコ、カタール
・選手OBの審判早期養成プログラム
‐4級取得からJ1担当まで約10年要するところ、選手OB向けに最短約5年に短縮する飛び級制度を開始

〇樋口順也フットボール本部長
審判関連の様々な環境整備についてもその都度ご説明させていただいておりますが、2023年頃からJFAといろいろな議論をはじめまして、24シーズンから研修やトレーニングの機会を増やしたりサポートスタッフを増やしたり、様々な改革を進めてまいりました。
24年に改革をはじめながら将来像についてもJFAとも改めて抜本的に議論してまいりました。

シーズン移行の際に設定した2033年に目指す姿を設定しましたが、今150名中20数名がプロフェショナルレフェリー(PR)ですが、そのうち半分くらいを審判専業で10年後の目指す姿を作りました。それに向けた第一歩として25年からやっていくことをいくつか発表したいと思っています。

■PRを19名(2024シーズン)から24名に増員

まずPRですが、これまで20名弱が通例でしたが、それを10年かけて75人くらいに増やしていく過程の中で5名増員という形になりました。

■明治安田J2・J3リーグ担当審判員向けの手当底上げ

また審判の手当ての部分ですが、例えばJ3で言えば第4の審判は1万円とか副審が1万5千円でした。たくさんのお客様を抱えながら作品としてピッチ上の価値を選手と一緒に高めていく審判なので、変更後の手当てが十分かどうかわかりませんが、まずは一部でも改革していきたいということでJ2とJ3の審判員手当ての底上げをするということになりました。

あとはJ1でもPRとJ1担当する審判員の手当で今まで区別がありましたがそれを廃止して1試合1試合高いパフォーマンスでしっかりできる審判の方に報酬が行くように変更しています。

※注釈:PRはこの手当に加えてJFAからの基本給の支給がある。

海外審判の招聘

それから去年から急激に増やしている海外審判ですが今年も4人増やしていきます。まだ常駐するような形は実現していませんが、おそらく全体で言うとJ1の40試合程度で、当然偏りは当然ありますが1節に1人いるような状況になるかなと思います。

選手OBの審判早期養成プログラム

昨年、御厨貴文主審がああいった成果(Jリーグアウォーズで最優秀主審賞を初受賞)を挙げられましたが、選手OBの方々はサッカーへの理解も深いということで、審判員の資質を備えている方が多いんじゃないかと思いますので、元選手の方に早期養成プログラムを始めたいと思っています。今まで多くの時間がかかっていた中で、優秀な方々に対してはそれを少しでも短くして審判員として若い年代から国際審判として活躍できる方を元選手の中から多く輩出していきたいというところで、こういった制度を具体的に始めていきたいと考えています。

まず2025シーズンが第一歩になりますが、今後より大きな改革を進めていく審判の環境整備の全体像になります」

その他、本日Jリーグから決議事項・報告事項がリリースされています。
詳細はこちら

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