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「試合中のマスク着用率は平均94%、ハーフタイムは83.5%。マスクを外している大部分が飲食時か子供さんが大半(産総研・保高氏)」~スタジアムにおける感染リスク対策の効果の調査結果(第三報)~(1)

5月11日、第5回実行委員会が行われ、その後メディアブリーフィングが行われた。

今回の会見の中では、名古屋グランパス、FC東京、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズの4チームが協力し先月から行われていた感染対策の効果を確認するための調査結果が発表された。
今回の調査では、マスク着用率の計測結果、レーザーレーダーによる分散退場の効果測定および、これまで得られたデータに基づくスタジアムにおける感染リスク対策の効果の評価について、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)の保高徹生氏が説明を行った。

結果の詳細はこちら(産総研)


○保高徹生氏(産総研)
「この度は感染予防の第3報についてご報告させていただきます。今日の話に関しては、前回1月に報告させていただいた内容の続きで3回目です。

目的と実証実験の内容と結果の概要、AIを用いたカメラ画像からの人物抽出とマスク検出、レーザーレーダー等を用いた分散退場の効果の効果確認、またリアルタイムCo2計やCo2計による密の計測をについて報告させていただきます。また観客の歓声について、現在解析中ではりますが、速報的に前倒しで簡単に報告できればと思っています。
また実際にJリーグや各クラブとっている対策によってどれだけ感染リスクが下がったのか、報告させていただきます。

目的についてはこれまでに何度も説明させていただいていますが、基本的にはスタジアムに観客が入られた時に、Jリーグやクラブが行っている対策が3密の状況や行動確認、特にマスクの着用がどれくらい変化しているのかについて、Co2計やカメラ、レーザーレーダー、もしくはJリーグが実施しているアンケートを使って評価しました。これまでの対策がどのくらい効果があるのかご報告させていただきます。
今まではCo2計やレーザーレーダーの結果のみでしたが、今回はリスク評価の内容についても含まれています。

まず結果の概要ですが、後ほど大西の方からも画像を使って説明させていただきますが、4月3日の名古屋グランパスの豊田スタジアムで約1万5千人、4月11日のFC東京の味の素スタジアムでは約1万8千名が入って試合が開催されました。

コロナウイルスのリスクについては、飛沫感染ルート、飛沫核感染ルート―空気感染とも言われていますが、細かい粒子が飛んで密の空間で空気を吸い込んで感染する、さらに接触感染ルートがあります。それから最近言われているのが飲食や移動に伴うリスク、スタジアムの外でも直帰する・直帰しないという話が出てきています。

飛沫感染ルートでは、社会的距離もしくはマスクの着用の徹底といったことをJリーグとクラブが対策を取っています。今回の実証試験では選手動画による周知徹底やアナウンスがかなりしっかりされている状況でした。こういったことについてカメラ撮影やAI画像解析をして試合中が平均94%、ハーフタイムは少し下がりましたが83.5%という着用率が確認されました。また観客の方が大声を出して応援等をしていないかマイクロフォンアレイを用いて計測していますが、これについても後ほど少しだけ説明させていただきます。
なおマスクを外している場合も、大部分が飲食時がほとんどでして、もしくは子供さんの場合が大半となっています。

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