Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

「選手がなるべく多く出られて、試合が成立しやすい方で選んでやっていこうということで、最終的には5人交代を今年も継続しようという事になりました」(Jリーグ・原副理事長)」~2021年度第1回の理事会より(2)~

1月28日、Jリーグの2021年度第1回の理事会が行われ、理事会後WEB上で記者会見が行われた。

会見のコメントについて、前回に引き続き、質疑応答の部分をお届けします。

(1)ははこちら

Q:東京Vの件について。現経営陣と旧経営陣でそれぞれの主張をメディア上で行っています。お互いに言い分があると思うのですが、現時点でどちらが正しいというのは別にして、Jリーグの社会的評価を毀損するような見苦しい状態となっています。Jリーグの方で仲裁する必要性があると思いますか?

※村井チェアマンが回答
「オリジナル10であり、日本サッカー界にとっては大変ブランド力の高いクラブで、まさにヴェルディとともにスタートとしたと言っても過言が無いくらいJリーグにとっては大切なクラブです。現状、経営のあり方を巡って、様々なメディアが報じています、こうした話題がリーグ全体のレピュテーション(評判)に下げるようなことを大変危惧しています。そうした中で最も大切なことは、しっかり事実確認を進めていただくこと以外にはありません。現東京Vの経営サイドから事実確認中という事を聞いていますので、こうした事実をしっかり確認した上で、必要に応じてJリーグとして対応していくことになります」

Q:報道を受けて東京V側から報告を受けたり求めたことはありますか?
※村井チェマンが回答
「1月中旬に、東京Vの経営陣からいわゆるヴェルディ内部監査チームという監査を行っているチームの方から、クラブライセンス事務局宛てに『事実確認を進めています』という連絡をいただいています。当然そこの内容については最終報告ではありませんので、現在その調査を待っている段階です」

Q:基本的なことで恐縮ですが、実行委員の選任というのは運営社長の交代を意味するのでしょうか?2つ目はサガン鳥栖の竹原稔社長が退任を表明していて、その件が直近の理事会にかかるとサガン鳥栖の取材から伺ったのですが、今日の議題にはかかわらなかったのでしょうか?

※1点目について、村井チェアマンが回答
「実行委員会の選任は理事会で決議する内容となっています。通常のケースで言えば、まずクラブと呼ばれるのは、通常は株式会社など法人格を持っていますので、法人の役員の選任は、法人の株主の専権事項となります。まずステップで言えば、クラブである法人の役員が選任されます。その役員の中からクラブ側の申請に基づいて実行委員を選ぶわけですけど、通常で言えば常勤でかつ代表権のある方が候補となりますので、その方を理事会としてお認めすることになります。なので、代表取締役を選ぶことがイコール実行委員を選ぶことではなくて、各クラブの役員を株主が選んだ後に、その中から(選ばれた)実行委員を理事会が選任するというステップとなります」

【参考】実行委員会規程(PDF)
第3条〔資格要件〕
Jクラブが選任する実行委員は、Jクラブの代表取締役または理事長(原則としていずれも常勤)であることを要する。

※2点目については、Jリーグ広報が回答
「鳥栖に関しては、鳥栖の株主総会を持って発表になると聞いています」

Q:5人交代の決定のプロセスについて。保有戦力によって3人交代がいいクラブと5人交代がいいというクラブがあったと思います。議論の過程ではどういった意見があったのか教えてください。


※原副理事長が回答
「今言われた通り、両方の意見が当然ありました。サッカーはやっぱり3人だよという意見もありましたし、IFAB(国際サッカー評議会)が認めている5人交代ですし、ハードスケジュールや日程変更もありますので、5人でいいんじゃないか(という意見もありました)。若い選手たちやフレッシュな選手たちが出るメリットもあるし、逆に言えば、我々とすれば試合をしっかりこなしていきたいという大前提に立って、多くの選手が出場できる機会を増やしたいということで(5人交代に決定しました)。確かにいろいろな意見がありました。ただ、新型コロナウイルスがこれだけ流行している中で、選手がなるべく多く出られて、試合が成立しやすい方で選んでやっていこうということで、最終的には5人交代を今年も継続しようという事になりました」

(3)へ続く

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