【解説】2021年度以降のクラブライセンス判定における財務基準について。特例期間は2年(~2021年末)、猶予期間はさらに2年(2023年末)。「これはリーグが一方的に決めたわけではなく、全てのクラブとの会話、特に財務状況が悪いクラブとの双方向の会話を通じて決めてきました(木村専務理事)」
10月13日、Jリーグの2020年度第9回の理事会が行われ、理事会後WEB上で記者会見が行われた。
今回の会見では、2021年度以降のクラブライセンス判定における財務基準についての説明に多くの時間が割かれた。
ライセンス基準の変更について、クラブ経営本部の鈴木徳昭氏が主に説明を行った。また、木村正明専務理事が補足説明を行った。
※2021年度以降のクラブライセンス判定における財務基準について
○鈴木徳昭 氏(クラブ経営本部)
「本日理事会で決定していただいた内容は、債務超過と3期連続赤字のルールです。
実際クラブとは数度にわたる実行委員会で協議してきました。その中で考慮すべきポイントとして、下記の1~6まで上げながらクラブと調整してまいりました。
大きな考え方としては、2030年までは世界的な気象なども含めていろいろなリスクが考えられますので、なるべく早く債務超過を解消することを目指すことが非常に重要であると思っています。しかしながらクラブの状況を考えると、一定の猶予を持つことも検討しなければいけないということで、クラブと協議を進めてまいりました。

※Jリーグ報道資料より
実際のクラブの財務状況ですが、8月末の時点での超厳戒態勢が年末まで続いた場合の財務資料を提出していただきました。ですので、現在は徐々に入場者数の規制が緩和されていますので、これから申し上げる数字は好転するこという事をご認識ください。

※Jリーグ報道資料より
そうは言っても、8月末の時点で56クラブのうちだいたい8割のクラブが赤字、4割のクラブが債務超過になる見通しと厳しい状況です。ただし、どのクラブも2~3月から責任企業やスポンサー様との調整、コロナ対策制度といった国の融資、あるいは銀行の制度などを活用されているので、現時点で資金繰りが困難に陥っているクラブはほぼ存在しないとご認識いただければと思います。

※Jリーグ報道資料より
実際どのくらいの規模という話では、Jクラブ全体の平均では、スポンサー収入は前年比91%(約1億円が減収の見込み)、入場料収入が61%(約1億5千万の減収の見込み)、ただしこれも好転する可能性があります。
実際に2020年度に関しては、各クラブともスポンサーの契約やシーズンチケットの販売が確定していた中で、その後スポンサーとの対応やチケット購入者との対応での返金、あるいは想定していた以下の入場者ということでの決算見込みがマイナスになっているところがあります。
それから2021年度については、これから11月にかけてスポンサー契約やシーズンチケットの販売をするのかしないか、あるいは入場者数をどのくらいに設定するのかどうかも含めて未確定の要素もあるので、そうした中で黒字化をするのか、あるいは収支を設定するのかという難しい状況になっていることを認識しています。
クラブが債務超過や赤字に陥っていることについては、クラブの方に直接ヒアリングしています。大きく分けると責任企業を持っているクラブと持っていないクラブがあるクラブで分けられます。
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