Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【ニュース】臨時の実行委員会をWEBで開催。2020シーズンのJ降格無しについて合意。「降格については選手個々のパフォーマンス以外にも様々な要素が盛り込まれている中で、今回に限って降格は行わないという意思決定を行いました(村井チェアマン)」

メディアブリーフィングはWEB上でおこなわれた。

本日、Jリーグの2020年度第3回の理事会が行われた。

本日の10時から全クラブ参加の臨時実行委員会がWEB上で行われ、午後にメディアビリーフィングが行われ、2020シーズンの降格なしが実行委員会で合意したことについて発表した。なお大会方式の細則などについては25日までに決めるとしている。

今回の決定の経緯について、Jリーグ村井満チェアマンは次のように説明を行った。

「先日の理事会において、実は条件付きの承認をいただいておりました。

条件付きの承認というのは、『もし実行委員会の総意で承認されれば、今後の競技運営ルールについて一定の判断を実行委員会に委ねる』という結論をいただいていました。ですので、今日は実行委員会としての意思決定であり、それは理事会が承認したという位置づけの会議となります。

今4月3日の公式戦再開を目指して準備いますが、25日に判断しようということですので、再開日についての議論は一切行っていません。むしろ、いつの再開タイミングであったとしても、リーグとしてクラブとして我々のサッカーに向き合っていくかの基本姿勢の目線合わせをさせていただきました。

結論を言うと、『様々な障害がこれから出現してくる可能性があるけれど、意思を持ってサッカーを続けていこう』という結論です。

具体的に言うと、今後想定される様々な障害というのは、公式戦・競技会において、例えばあるクラブにおいてはアウェイの連戦が想定以上に―昨年のラグビーワールドカップもしくはオリンピックパラリンピックで想定された―ホームスタジアムを使えない長いアウェイ連戦などが、さらなる競技上の不公平・不公正性と言えるような連戦が続く可能性があります。

再開日程によってはオリンピック期間中に試合を行う可能性もあるので、チームによっては代表選手が不在の場合が考えられ、競技上のコンペティション上の大きな公平性を損なう可能性があります。

それから、選手から感染者が出た場合、我々がすでに定めたプロトコルに基づいて、その選手は当然試合から隔離することになりますし、一定程度濃厚接触した選手やチーム関係者もクラブから離れなければいけないことが想定されます。そういった場合は、ユースの選手などを積極的に起用してでも、ある意味では競技の不公正性を飲み込んでも、試合開催していこうという目線合わせをしました。

その他、我々が判断できない特定エリアにおける非常事態宣言などによる試合中止や無観客試合や延期についても、ある意味でお客様がいない中で戦うことも、フットボールにおいては不公平を飲み込むことになります。

そういったことをこの非常事態のもと一つ一つ挙げていってもキリがないという判断がありうる中でも、不公平があってもそれを飲み込んでスポーツに向かっていこうという目線合わせをしました。

その際には、各カテゴリーで昇降格というルールがありますが、降格においては今シーズンは行わないという事を決めています。

表現は難しいですが、こうしたすべての試合がイコールコンディションではない可能性ではあるけれども、頑張った選手に拍手を送ったり激励を送る象徴としての昇格はそのまま残す。一方で競技結果の罰則とも捉えられる降格は今回は留保しようということです。

厳密な議論で言えば、様々なコンペティションがイコールコンディションでない場合、降格も昇格も両方封印することは理論上考えられます。ただ我々は選手が目標に向かって頑張る姿を推奨したいと思いますし、そういう結果を残した選手に対しては報いていきたいと考えていますので、こういう状況であったも昇格は残していく。一方で、降格については選手個々のパフォーマンス以外にも様々な要素が盛り込まれている中で、今回に限って降格は行わないという意思決定を行いました。

それに伴って、様々な細かな意思決定をしなければいけないことが残されています。
本当に、こうした昇格あり降格なしというルールさえも削がれてしまう可能性もあります。公式戦不成立となる試合数はどのくらいなのか、昇格プレーオフは競技会としてどのような扱いにするのか等々の競技細則にあたることは25日までに決めていきたいと思います。

21年度は、J3は降格がないので今まで通りですけど、J1とJ2は現状のクラブ以上になることが想定されます。各カテゴリーのチーム数についても25日までに本年度の扱いを決めて、21年度から正常な状態にいつ戻していくのかは少し時間をかけて議論していこうということになりました。

今日のところは、降格を無くしてでも競技会に臨んでいこうという目線合わせができたことが今日ご報告できる内容です。

今回の新型コロナウイルスに関する4つのプロジェクトがあります。

・お客様が安心安全に観戦してもらう環境を整備するプロジェクト
・感染者が出た場合のプロトコルの策定と共有のプロジェクト
・財務上のケアをするプロジェクト
・大会日程・競技の公平性を考えるプロジェクト

こういったプロジェクトから今日先ほど申し上げた内容が答申され承認されました。

議論のプロセスでは様々な議論がありました。
4月3日であれば、全ての試合ができるので降格も昇格も通常通りやってギリギリまで留保した方がいいのではという議論もありました。
一方で、日々状況が変わっていく中で、本当ににっちもさっちもいかなくなった中で降格はなしという意見を出すのではなく、あらかじめ一つの考え方を示しておいて再開に備えた方が良いのでは等々、様々な意見がありました。
そうした中、最終的には皆さんの総意で降格なしという事を決定しました」

 

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