Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

タイとの関係は「いくつかのステップを描きながら計画を立てて来たことが結実をしたという認識は持っています(村井チェアマン)」~4月の理事会後の記者会見より~

4月24日、JFAハウスにて4月のJリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われた。

○村井満チェアマン
「前回の理事会は、新メンバーで行いましたが初回ということもあり、今回から実質の審議に今回から入りました。今日は2時間半ほどかけて一つの議案を議論しました。Jリーグが25年の足跡と残しているものと課題を振り返り、“第二四半期”に向かう時に、『重要な論点は何か』、もしくは『どういうような方向性での経営をしていくのか』について、理事会で1~2年と時間をかけて議論をしていくマップを共有いたしました。『こんなことを議論していきますよ』という議論に費やしました。ですので、本日は何かを決定しているのではなく、全体感を共有し、様々な角度から意見交換をいたしました。

その他ACLでは、グループステージで3クラブが敗退するということで、非常に残念な結果となりました。今後鹿島アントラーズに期待を託して頑張っていただくことになりますが、力不足と言わざるを得ない、今の現状の我々の力量を改めて痛感しています。この戦いはまだまだ続いていきますので、しっかりと分析をした上で次につなげていきたいと思っております。
また、日本代表監督の交替もある中で、日本サッカー界全体が真価を問われる重大な岐路に立っていると思います。Jリーグとして協力できることに全力を尽くしたいと思っております。

~質疑応答~

Q:ACLのお話しが出たのですが、リーグとしては今年、理念強化配分金をスタートさせ、実際にどのタイミングでクラブに渡って、どのように使われるのかはっきりしていませんが、村井チェアマンが開幕前から激を飛ばされて「勝負のシーズン」だとおっしゃっていたという印象があります。
クラブとの調整や意見交換をされると思いますが、ACLでこの結果となった要因をチェアマンの視点からご覧になって、問題をどのように考えているのでしょうか?
また、理念強化配分金のインパクトが薄い中で、お金の使い方についての希望があれば教えてください。

「個々のゲーム総括や分析はこれから委ねることになりますが、試合の中では僅差で落としたケースも多々あります。大きく実力差があるというわけではありません。結果としてグループステージ敗退クラブが3つあったということは、すべての面において見直さないといけないくらい大変残念な結果だと思っています。
理念強化配分金については、その使途が短期間で出てくるものではありません。理念強化配分金の制度そのものが、3年かけて支給されるものでありますし、年度、年度で、一つひとつ計画を立てて決済していく内容ですので、中長期に渡りクラブの理念実現に対して寄与してもらえればと思いますので、短期間の中で理念強化配分金の是非を議論するには、まだ時間的には短いかなと思います。

私の思いとしてはJリーグの理念は、日本サッカーの水準の向上というのが一番目に出てきます。これは日本サッカーが世界に比して強化されているのかを問われるものとなりますので、理念強化配分金を受けたクラブは日本を代表するクラブとして世界にしっかりと結果を出してほしいというのが私の意向として強くあります」

理念強化配分金の支給時期について「2018年5月の理事会以降、基本的には一括でお支払いする想定です(Jリーグ経営本部・鈴木正雄本部長)」~Jリーグ規約・規程改訂メディア向けの説明会より(3)~

Q:アジア戦略について教えてください。チャナティップ選手(札幌)やティーラシン選手(広島)などの活躍があり、Jリーグはタイの中でも注目度が上がってきているのかなと思いますが、何年かやってきて見えてきたことやタイ選手の活躍の受け止めと、それを受けて今後、進めていきたい戦略などがあれば教えてください。

「タイとの関係は短期的に今日に至ったのではなく、いろいろなステップがありました。タイリーグとJリーグの間のパートナーシップ契約を交わし、両リーグ間での協定をベースに相当行き来をして参りました。そういったリーグ間協定ができますと、クラブ間の交流が始まり、選手の交流も生まれました。

一時期は五十数名の日本人選手がタイでプレーをしておりましたが、タイでのレギュレーション改定があり、四十名ほどになりました。数の変化はありますけれども、日本人の指導者もしくは選手がタイで交流をしてきました。キャンプインをする時にインターナショナルマッチをJクラブとタイのクラブで行いましたし、こうした数々のステップを踏んだ結果としてタイの選手、チャナティップ選手、ティーラシン選手、ティーラトン選手(神戸)が来てくれるようになりました。当初からそういうステップを描きながら計画を立てて来たことが結実をしたという認識は持っています。
ただ逆に言えば他にも提携国がある中で、まだまだそこまでのステップに至っていない国もあります。今回、木下前理事がアジアのチェアマン特命大使・外交担当として主要国に対して、協力関係の具体的なレベルでの申し合わせを進め始めていますので、今後加速していくと見ています」

「(木下前理事は)私の名代として各国と関係構築に向けて動いていただくことになると思います」(2月の理事会後の会見より)

「放映権等の交渉は、今後私と木村さんを軸に進めていくことになる(Jリーグ・村井チェアマン)」~2月のリーグの理事会より(4)~

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