Jリーグにおける第二四半期のビジョンについて「目指すべき社会像と、それに対してJリーグが協力できること、到達度状況をどう補足していくのか、このあたりが現状のワークセッションのプロセスです(村井チェアマン)」~3月のリーグの理事会より(3)~
3月20日、JFAハウスにて3月のJリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われた。
今回も会見でのコメントをお届けしています。
○村井満チェアマン
Q:冒頭の発言の中で「Jリーグにおける第二四半期のビジョンについての進捗」を理事の皆さんとお話されたということですが、退任される理事の方からはどういう意見が出たのか、教えてください。
「54クラブの社長、いわゆる実行委員の皆さんと、2回に分けてJリーグのビジョン全体のデザインをするワークセッションを行いました。小グループに分かれて議論をして、どういう社会を作りたいのか。Jリーグには百年構想があります。百年経ったら緑の芝にあふるような運動ができる広場を作りたいという創設のコンセプトがありましたし、Jリーグの理念もありますので、そうしたものについては継続して追いかけていこうというのが前提です。例えば10年ほどのタームでは、どんな社会でありたいか、少しマイルストーンで区切りながら、描きたい社会像を実行委員と議論しました。
そして今度は、そうした社会が実現できているのかということを、どういう指標があればそれが達成できているのか測ることができるのかといった、達成度を評価する指標やメジャーメントについて2回に分けて議論いたしました。目指すべき社会像と、それに対してJリーグが協力できること、到達度状況をどう補足していくのか、このあたりが現状のワークセッションのプロセスでございます。
それに合わせて本日は、Jリーグ内部として例えば目指すべきフットボールはどういうものを描きたいのか、社会像というよりも我々の保有する資産をどこまでレベルアップさせたいかといいったインナーの観点でも、フットボールや社会貢献などについて議論の進捗を共有しました。例えば、個人のお客様に来場いただくための打ち手がどのレベルまでできているのかなど、個々の項目に今回は因数分解をして、項目に分けて議論の進捗状況を共有いたしました。
皆さんから様々なご意見をいただいたのですが、あまり総花的にいろいろな手を打ちすぎると、実現が薄まりますし印象も薄くなりますので、本当にこだわりたいポイントはどこなのだろうと。25年前に、川淵初代チェアマンが『緑あふれる芝生の広場をつくりたい』とか『老若男女がスポーツで、豊かな人生を送れるようなスポーツ文化を日本につくりたい』という、非常に絞った中での強烈なメッセージを発信をされました。今、Jリーグの抱えている課題が多いからといって、あまり散漫にならないでいてほしいという意見もありました。
正直Jリーグを取り巻く環境は、他国のフットボールリーグのアグレッシブな成長に比べれば、手を打たないとならない問題が多々ある中で、あれもこれもとなりがちなのですが、少し留意していきたいなと考えております」
Q:少し景気の悪い話で恐縮ですが、今季ACLで日本勢がとても苦戦しています。これだけ力を入れられた中での率直な今の見解、感想を伺わせてください。
「昨年のACLのマッチデー4試合を消化した時点で、Jリーグ勢が獲得した勝点の合計は「22」で、今年は「18」です。明らかにポイントを落としています。特に中国は28、韓国は24と比べ、Jリーグが18というは大変残念な進捗です。まだ今日現在(3/20)、4クラブにラウンド16進出への可能性がゼロではなく、可能性を残しています。全力を尽くしてほしいです。現状の感想で言うと、本当に残念な立ち上がりだと思っています」
Q:理事の皆さまの最後の理事会だったということで、一点確認をさせてください。JFAからJリーグの理事になられる方は、今までは事務総長の岩上さんがJリーグの理事もやられていましたが、岩上さんが副会長になられて、評議委員・理事会で事務総長の席が空く可能性があります。そうなった場合は、どなたが理事になるのでしょうか?
Jリーグ広報より補足
「3月27日開催の社員総会、その後合同理事会で、理事・監事、役付き理事の決議を行いますので、JFAの会議を待って、私どもも発表をさせていただく形になっております」
※3/27、JFAから3名の推薦で3名(JFA理事審判委員長の小川佳実さん、JFA専務理事の須原清貴さん、JFA理事技術委員長の西野朗さんが、Jリーグ理事に就任することが発表された。
Q:そういうことを聞いているのではなくて、Jリーグの規約としてJFAの事務総長が空席の場合は、代わりにJFAの誰が理事になるという決まりがあるのか教えてください。
「それはありません。JFAからの任命3名についてはJFA側に委ねていますので、JFA側の専権事項となります。我々は推薦があった方を受け入れるという形になっております」