Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

シーズン移行について「今の現状で言えば当面はこの決定を重視したいと思っています(Jリーグ・村井チェアマン)」~12月のリーグの理事会より(9)~

12月12日、JFAハウスにて12月のリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われ、Jリーグ村井満チェアマンから決議事項・報告事項が発表された。

今回は理事会後の会見でのコメントをお届けしています。

(8)はこちら

移行しない9つの理由はこちらでチェック

Q:シーズン移行について。この形で落ち着くと思うが、日本サッカーについては長年課題だと言われてきた問題です。今後もこの問題が日本サッカーにおいて重要な問題だとあり続けると思いますが、これで終わりという形で終わるのかどうか?この先々の日本サッカーにおいて、シーズン移行がどのような意味合いを持って、どのように語られていくのか、チェアマンの個人的な見解を伺えるとうれしいです。

○村井満Jリーグチェアマン
「まず前提として、今回様々な角度からアイデアを出しながら1年をかけて議論をしてきました。一つの結論を得たというのが大前提ですが、世界のサッカーは、例えばFIFAのコンペティションルールがどう変わっていくのか、AFCがどんな大会方式で日程をセットしてくるのかという点もあります。実際、ACLの決勝が11月の2週末に決まった時はJリーグには大激震が走って、大会方式そのものを見直さざるを得ない状況になりました。仮定の話なのであまり明言はできませんが、日本サッカーに非常に大きな影響を及ぼすような外的影響の変化があったら、それは都度意見交換をしていく必要があると思っています。とはいえ、今の現状で言えば、当面はこの決定を重視したいと思っています」

Q:金曜日開催についてですが、来シーズンから導入するかも含めて検討するかどうかなのか、来シーズンははスキップしてその先のシーズンを見越してということか教えてください。
「先ほどお話しした10節、11節くらいは入る日にちがあるというのは2018シーズンの話です。(ACLの影響で)金曜日に逃がす日程もあらかじめ分かっている部分もありますので、残りの部分について、来シーズンからできる範囲でやっていこうという議論です。
ただ、試合を移すだけではなく、本当に『週末にぜひサッカーを見に来て下さい』、『週末はなかなか試合を見に行けない方は来てください』というキャンペーンを張りたいと思っています。そこにはJリーグとしてもクラブに一定のサポートをしていきたいと思っていますし、(例えば)来場者の方へ記念グッズがプレゼントするようなことを考えています。
今、働き方改革などを政府が提唱していますが、Jリーグが考えるウイークエンドの過ごし方や、週末の過ごし方を提言できればと思っています。リーグがしっかりとそこに光をあててプロモーションしていくことが大事で、日程を動かせば済むという単純なものではないと思っています。そのあたりは理事会からも『やるなら徹底的に、国民の話題になるくらいやってほしい』ということも、各理事から叱咤激励をもらっています」

Q:理事会の決議の仕方を教えてください。反対意見がなかったのか。何対何で決議を取ったというような意思決定の方法について教えてください。
Jリーグの理事には、JFAからの理事も定員で3名いらっしゃいます。今日1名が欠席でしたが、JFA側としては移行論を主張されていましたので、当然ですが2名の方が反対されました。そして1名の理事が棄権されました。議論する日数が消化されていなかったからなのか真意は確認できませんでしたが、態度を保留された方は2名いらっしゃって、その他は全員反対でした。通常は全会一致ということが多いと言えば多いのですが、本件はすごく時間をかけ議論を重ねてきたものでしたので、一人ひとりの意思表示をお願いして決定させていただきました」

Q:シーズン移行についてですが、今回JFAから問いかけがきて、それについて長い時間議論がかかったと思います。議論の進め方についてはチェアマンの中でもう少しこうしておけばよかったという反省はあるのでしょうか。これ(議論すること)は一つの手段であって、目的ではないと思うのですが、なんとなくもう少しオープンなやり方があっても良かったのかなという印象を持っています。
「確かに相当の時間を導入していたのは事実ですし、今日の理事の中からも『議論のクオリティというか生産性は良かったのか』という声があったほどでしたので、同じような議論を重ねてきた感もあります。
私は、今回の意思決定はクラブの社長や選手会とも議論も進めましたし、強化担当、現場のGMクラスの現場担当者とも議論をしました。最終的にファン・サポーターを数多く背負っているクラブの声をすごく大事にしようというのが、議論のスタートアップの方針でした。何度も何度も重ねていくような議論ではあったのですが、その都度『当初は移行に賛成でしたけど、議論をしていくうちに意見が変わりました』という方もいらっしゃいました。
いろいろなプロセスの中でステークホルダー・関係者の声を拾えたのは価値があったかなと思います。ファンあってのJリーグですし、J1、J2、J3で北のエリアのクラブは多くありますし、そこは本当にギリギリの中で懸命な経営努力をしている中で、その裏側には悲痛なサポーターの声が聞こえてくる場面も多々ありました。そのようなところで、反省はなかったかというと同じ議論も多かったなという面はあるのですが、総じてしっかりと議論できたという思いはあります」

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