「(事前のリスマネジメントとトラブル発生時の対応を)周知徹底したにも関わらず改善されなければ、今後の事案についても裁定の量刑も変わってくる(村井チェアマン)」~G大阪サポーターによる不適切なフラッグ掲出に関してメディア向け説明会より(2)~
5月11日、Jリーグから4月16日の大阪ダービーで発生したG大阪サポーターによる不適切なフラッグ掲出に関して、ガンバ大阪に対する制裁(けん責、および制裁金200万円)を決定したと発表された。
サポーターによる不適切なフラッグ掲出に関してガンバ大阪に制裁を決定(Jリーグ)
https://www.jleague.jp/release/post-48873/
また同日メディア向け説明会(ブリーフィング)が行われ、黒田卓志フットボール本部長が出席。Jリーグ村井満チェアマンはAFC理事会のため、インターネット中継で質疑応答に答えた。
今回はメディア向け説明会でのコメントをお届けします。
○黒田卓志 フットボール本部長
「これからご説明するのは、チェアマン制裁になります。
裁定委員会に諮問した結果、チェアマンが課す制裁です。まず制裁内容ですが、次の通りです。
対象事案:
2017年4月16日(日) 14:00キックオフ ヤンマースタジアム長居にて行われた、J1リーグ第7節「セレッソ大阪vs.ガンバ大阪」の試合において、試合前の場外およびビジター側ゴール裏スタンドにて、G大阪のサポーター1名が、ナチス親衛隊のシンボルマークに酷似したデザインの旗(SS旗)を振る行為があった。制裁内容:
(1)けん責 (始末書をとり、将来を戒める)
(2)制裁金200万円
これに対して、ファン・サポーターへの監視体制の構築および啓発活動が十分であったとは言えないということで今回けん責および、制裁金200万円という制裁の内容となります。
今回の制裁理由についてですが、G大阪についてはさかのぼること2014年の埼玉スタジアムでのJAPANESE ONLYの件を受けて、当時Jリーグが注意喚起を行いました。それを受けて今回問題となった旗を所持していたサポーターグループに、その旗は差別的要素を含むので以後掲出しないようにと、働きかけをしました。しばらくは出ていませんでしたが、今回4月16日の試合に出てしまったということです。
その後の危機管理対応については即座にサポーターグループを特定して掲げた者への、無期限の入場禁止処分、およびそのグループの解散という適切な処置を取りました。ただし、G大阪としてはこの差別的な行為を予防する責務があったので、ファン・サポーターへの監視体制の構築および啓発活動が十分であったとは言えないということで、今回の制裁決定となりました。
■2010年仙台vs浦和での200万円というのが、今回のベンチマークとなった
ちなみに今回の量刑の200万円ですが、いくつか類似する事例がございます。
まず一つ目が、2010年の仙台vs浦和です。ここで浦和サポーターが差別的な発言を行ったことがあり、またペットボトルを投げて負傷者が出るということがありました。この時はペットボトルの投げて負傷者が出たことについて300万円、差別的な発言で200万円、計500万円の制裁となりました。
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