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【無料】佐々木則夫氏トータルアドバイザー就任は、大宮アルディージャのさらなる発展への意欲を象徴する出来事。


10月25日に大宮のトータルアドバイザー就任が発表された佐々木則夫氏の就任会見が、2日にNACK5スタジアム大宮にて行われた。

なでしこジャパンを世界一に導いた名伯楽は、クラブがNTT関東から大宮アルディージャへと名前を変え、プロ化した際の初代監督でもある。11年ぶりに“古巣”へと戻った佐々木トータルアドバイザー(TA)の担う役割については、会見場に集まったメディアからも大きな注目が集まっていた。

会見に同席した森正志代表取締役社長は、佐々木TA招聘の意図について冒頭で次のように説明している。

「佐々木さんにはこれから、いろいろな意味で豊富なご経験と知識を生かしていただいて、われわれの新しい時代にマッチしたクラブづくりにご尽力いただきたいと思っているところでございます」

では、具体的にはどのような形での貢献を期待しているのか。森社長は「現状の事業概要を時間を掛けて説明させていただいて、その中でお力をいただく部分を決めていきたいと思っています」と話し、細かい業務内容についてはこれから模索していく段階であると明かした。

管理、事業、強化、育成・普及という4つの『本部』を中心に動いている現在の大宮の組織体系は、以前佐々木TAが在籍していた際とは大きく違う。まずは佐々木TAが自らの目でクラブの現状を確認し、適切な場所で力を発揮するという手順となりそうだ。

佐々木TAは自らが不在だった時期について「すべてにおける成長が11年間にはあったと思います」とした上で、「サポーター、地域にしても現場にしても、もう一歩足踏みすることなく前に出るためには、ここが重要だと思います」と現状を捉えている。「そのために力になりたいという思いも、話をする中でも、第三者として見てきた中でもすごく感じます」と語った。

アカデミーが継続的に結果を出し、今季はトップチームも過去最高成績を大幅に更新したが、ここで満足・停滞することなく進んでいくことをクラブは選択した。そのための“トリガー”としての役割こそが、世界を知る佐々木TAに期待されることになるだろう。

片村 光博(かたむら・みつひろ)
1989年1月26日生まれ。東京出身、東京育ち(途中、豪州キャンベラで5年半)。2002年の日韓ワールドカップを機にサッカーにのめり込み、約10年後の2012年、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』のインターンとしてサッカー業界に身を投じる。編集手伝いから始まり、2013年には栃木SC担当で記者として本格的にスタート。2014年は大宮アルディージャとジェフユナイテッド千葉の担当を兼任し、2015年からは大宮に専念している。効率的で規律のあるサッカーが大好物。現在は「Omiya VIsion」を随時更新中。

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