Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

【村井チェアマン会見から2017シーズンのJリーグを紐解く!】その2『外国籍選手の登録枠拡大。~厳しい競争の中で出場機会を獲得せよ~』

10月12日、JFAハウスにてJリーグの理事会が行われた。理事会後の記者会見で村井満Jリーグチェアマンは、2017年シーズンから、2014年シーズン以来「1ステージ制ホーム&アウェイ方式の総当たりリーグ戦」に戻すことを発表。また2017シーズン以降のリーグに関わる5つの内容について話し合われたことを発表した。

5つの内容について詳細はこちら!

本日は、その中の1つ、外国籍選手の登録枠の拡大について、チェアマンのコメントをたどりながら、紐解きます。

ポイントをまとめると・・・

・国籍を問わずに外国籍選手枠が『5』に拡大。
・試合の出場枠・ベンチ入りはこれまで通り『3+1』。
・AFCが11月以降に変更した場合はJリーグもそれに準じる方針。


○村井満チェアマン

「外国籍選手の登録枠拡大について。Jリーグが世界水準へ近づいていくために、ある程度レベルの高い選手や監督・指導者を招聘することが極めて重要になるかと思います。これまでのJリーグでは外国籍選手枠は変わっていません。理事会や実行委員会で共有したスライドをご覧ください。

■外国籍選手の比率はヨーロッパ平均46%、アジア平均16%、Jリーグは15%

各国リーグの外国籍選手比率ですが、ヨーロッパでは46%が国外の選手で構成されています。もちろんEU圏内であれば外国籍選手とみなさないわけですが、地政学上の違いがありますので、一概に日本と比較することはできませんけれども、世界選抜、ヨーロッパ選抜のようなチーム構成が、国によってはできる状況になっています。

この中でアジアは平均は16%ですので、ヨーロッパで一番低いウクライナよりもアジアの平均が低いことになります。国別に見ていきますと、日本は15%くらいとなっています。過去においては日本の強化のために日本人選手の枠を確保するということで外国人枠を制限することがありましたが、皆さんご存じの通りヨーロッパにおいては基本的にはレギュレーションを無くして「ホームグロウン制度(※)」、自国の出場選手を確保する形となっています。枠を設けるというよりはホームグロウンという流れがヨーロッパにある中で、今回Jリーグにおいても見直しを議論しました。

ホームグロウン制度・・・出場クラブの登録選手の中に、一定数の自国リーグで過ごした選手枠を設定する制度。プレミアリーグなどで採用されている。

■ポイントになるのは、AFCの判断

一つポイントになるのは、AFCの判断です。ACLの出場条件としては外国人枠が3名プラスAFC枠が1名がレギュレーションとなっています。JリーグとしてもなんとしてもACLでタイトルを奪還することがすごく重要なミッションと認識しています。出場枠とベンチ入りに関してはAFCのレギュレーションを来シーズンに関してはしますけど、登録については過去には3+2というルールがありましたけど、これをまず5名に広げることを評決しました。登録人数は5名となりますが、ベンチ入りはAFCのルールに合わせることとなります。ただおそらく11月くらいにAFCのACLに関する出場レギュレーションが議論され発表されると聞いていますので、仮のAFCの方で枠が緩和されるようなことがあれば、Jリーグもそれに準じて広げていくことになります。2017シーズンは5名の登録にしましたが、今後世界の趨勢も見ながら緩和していくことも議論しています。ですので、今回の決定が最終決定ではないと認識していただけると幸いです。
それから日本人の出場枠を守るという考え方もありますが、厳しい競争の中で出場機会を獲得していくということも同時にバランス論ではありますが進めていきたいと考えています」

~質疑応答~

Q:外国籍選手の登録枠拡大について。AFCでは来季からどのように変わるのですか?
「本日決めたことは、来年こうやると決めたわけではありません。11月の会議で明確な方針が出ましたら、来年の登録枠については11月の理事会で修正決議する可能性があります。ですがこれがAFCから11月に出るかどうかはわかりません。少し先に出ることになった場合は一年先送りします。11月になってしまうとクラブも選手獲得に大きく動くと思いますのでクラブに迷惑をかけてしまう事もあり得ると思いますので」

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