【無料記事】FC大阪サポーター連合応援意見交換会レポート【2024年12月22日開催】
昨年の12月22日、FC大阪のサポーター応援グループ「W-VUTS」(ダブルヴァッツ)が花園ラグビー場にあるひとつなぎカフェにて応援意見交換会を開催しました。今回はその模様を議事録形式でレポートしていきます。
応援意見交換会は、13時からスタートし、集まったFC大阪サポーター約10名が2時間半ほど今シーズンの団体の応援活動の動きと来シーズンの応援活動などについて相談しました。
応援意見交換会の冒頭、ひとつなぎカフェの藤本利可子店長が
「今シーズンも本当にたくさんカフェの方ご利用いただいてありがとうございました。来シーズンも引き続き、よろしくお願いします」と挨拶。
また、サプライズで2024シーズンでクラブを去ることになった吉岡慎輔GKコーチのコメント映像が公開され、参加したサポーターから拍手が送られた。
吉岡コーチのコメント
「3年間応援ありがとうございました。皆さんとともに戦えたFC大阪での3シーズンは僕にとってとても大事な宝物になりました。
僕はFC大阪を離れることになりますが、心は皆さんと共にFC大阪を応援する気持ちでいっぱいです。これからもFC大阪のこと、どうぞ応援よろしくお願いします。ありがとうございました」
このサプライズ映像は、意見交換会の2日前に吉岡コーチがカフェに来店した際に藤本店長が依頼した映像だったらしく、会場に来たFC大阪サポーターからは「めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございます」という喜びの声が飛んでいた。
サプライズ映像の後は、山下拓馬代表が今シーズンの応援団体の動きを5点説明した。
①FC大阪サポーター団体・W-VUTSの結成
②大旗隊、ドラム隊、コールリード隊の組織化に向けて
③横断幕の事前搬入についての運営方針の策定
④FC大阪サポーターズ募金箱の設置
⑤トラックステージでの応援練習の代わりに試合前の応援練習会を行う
①FC大阪サポーター団体・W-VUTSの結成
→最初に、団体名の由来を説明。
花園スタジアムのゴール裏の S・W・V・U・Tのエリアに分かれており、その頭文字をもじって考えたことを説明した。
②大旗隊、ドラム隊、コールリード隊の組織化に向けて
→活動内容は変わっていないが、徐々に組織化を図ったことを説明。大まかな枠組みを作った。(以下、4つの図に関しては、山下代表の情報をもとに作成)
W-VUTS組織図(2025年1月現在)
山下代表によると、「W-VUTSは物事を決定するための組織、いわば取締役会のようなものであり、それに付随する各隊は事業部である。基本的には、現場のことは現場に任せます」とのこと。
コールリーダーからの応援指揮
また、コールリーダーからの応援指揮については「試合中にコールリーダーが場面ごとにチャントやコールを決めてリズム隊に指示を出し、それから太鼓を鳴らし、サポーターが声を出します。大旗隊も旗を揺らします」(山下代表)
旗チャントの場合の指揮・命令系統
山下代表によると、「旗チャント(Overture、大阪魂、Athletes、信じて走れ、エール)の場合、コールリーダーから大旗隊長に指示がされる」という。
チャントに関しては以下のXのポスト参照
昨日の大旗ソロパート
#大阪魂@yamataku2014 #信じて走れ@aoi_ookami_21 #エール@hOxG7jSaJK8th9U #Athlete@upuphamo pic.twitter.com/p1rTQ0HIX4
— 田中議鎮 (@noriyasu_tw_no) September 16, 2024
提供:田中議鎮様
WーVUTSの方向性の決定方法
最後に、団体の方向性の決定方法については「もちろん、各試合でどのように応援活動を展開するかは、各隊であらかじめ話し合いをします。ブーイング無しなどの理念を定め、それを各隊及びゴール裏のサポーターと共有しています」(山下代表)と話していた。
③横断幕の事前搬入についての運営方針の策定
→ホームゲーム時の横断幕(選手幕・チーム幕)の事前搬入の設置に関して方法や場所、呼称などを方針として掲げたことを報告した。
④FC大阪サポーターズ募金箱の設置
→ひとつなぎカフェで設置している募金箱での募金をしていたことを説明。
⑤トラックステージでの応援練習の代わりに試合前の応援練習会を行う
→トラックステージでパフォーマンスをする団体が多くなってきたため、キックオフ1時間前くらいにゴール裏にてウォーミングアップを兼ねた応援練習会を実施じたことを報告した。
募金箱の設置
団体の活動内容を報告した後、募金箱の収支報告を行った。
(ひとつなぎカフェに設置している募金箱。)
具体的な金額は当日の資料に掲載していたものを用いて山下代表が説明。(なお、応援団体の具体的な金額について「公表は差し控えたい」との申し入れがあり、掲載は差し控える)
旗の布代や太鼓の修繕費に募金箱などから得た収入を使用したことなどを説明した。
2024シーズンの応援活動の振り返り
応援活動の振り返りとして、以下の項目が議題に挙がった。
・サブコールリーダーの常設について
→花園のゴール裏の上層部分を回ったり、下層で拡声器を使用してチャントを歌って花園のゴール裏・バックスタンド・メインスタンドを巻き込んで全体的にFC大阪の選手たちに向けてコールする動きを行ったことを紹介した。
・コアサポ「エリア」の横(コアサポブロックの横のエリア)だとコールリーダーの声が聞こえにくい意見があった。
→この問題を解決するために最前列から拡声器を使って一緒に歌うことを改善を図った。
・旗(自作・クラブで販売しているものを問わず)を掲げる人が増えた
→「もっと掲げる人数が増えたら良いな」との声があった。
・YouTubeでのチャント動画について
→チャントによって声の大小があって動画では聞こえずらい。今後は人数を増やしていきたいし、目標を持って活動していきたい。
・応援団体としての今後の方針について
→東大阪のサッカー文化向上ために活動していきたい。東大阪市民が来場しやすいスタジアムにして雰囲気作りを意識したい。
例えば、ブーイング・やじなどについては控えたい。試合中の判定などについて団体全体としてのブーイングは実施しない方針を再確認した。
また、旗を使用して相手のコーナーキックを妨害する行為は団体として控える。相手を下げるのではなく自分たちが応援するFC大阪の選手たちのテンションを上げる応援の仕方でスタジアムを盛り上げていきたいとの考えを強調した。
(ゴール裏で応援する各サポーター個人個人の抗議の声は規制しない考えであり、応援団体としてのブーイングは実施しない考えを共有した)
以上、これらの5点の項目が再度確認された。
参加者からの意見
2024シーズンの応援活動を一通り振り返った後、参加者から以下のような意見があり、来シーズンに向けて応援しやすい環境づくりをするための意見を募った。
・山下代表の挨拶をやって欲しい。スタメン発表の前にチームコールや「FC大阪コール」をスタジアム全体でコールした後にスタメン紹介して欲しい。
・最前列の子ども走り回っていたなど危なかったか?
→上に行ってた?1年目はバックとゴール裏が同じで、今年は別々だった。その影響もあるのではないか?
2025シーズンはカテゴリー4(バックスタンド)で黄色の範囲では、応援団体としてこどもには注意する。特に、最前列で走り回る子どもに対しては注意し、警備員にも声掛けしていくことを確認した。参加者でも気づいたら注意して欲しいと呼びかけた。
・パイフラを振る時に隣のサポーターに棒が当たることについて。旗を振る際は注意し、アナウンスすることについて確認した。
・ゴールマーチで動いている際はどうだったか?
→大旗は置いて移動。
・花園でのホームゲームで勝利時にラインダンスをする際、前方に観客が集まるので、注意喚起することを再確認した。
・欅坂46「overture」が試合前に流れてくれたことについて集まったサポーターに報告した。
・FC大阪の選手はどのチャントが好きなのか、気になる…
→「クラブに聞けるのか?」と話題になっていた。来年選手が決まらないと聞けない。選手に聞けたらどのチャントが好きなのか聞ければ嬉しい。
・どのチャントが声が響いているのかは気になる…
→DAZNで見る限り、「overture」「大阪魂」のチャントは聞こえる。
耳で聞こえるよりも目に映る方が選手の心に響くのではないか。シーズン終了報告会で選手に聞くと、「目線にサポーターが入ってきた」という声があったとのこと。
W-VUTSの提案
参加者からの意見を聞いた後、W-VUTSより2点が提案がされた。
①ホームゲームで応援練習会を定例化したい
→キックオフの1時間前程度から開始し、キーパー・フィールドプレーヤー練習開始まで行うことを慣習化したい。
13時キックオフなら11時55分から応援練習会を開始。監督が1時間前くらいにゴール裏に来て挨拶してくれる。ルーティーンを作って選手を迎え入れたい。
スタジアム内外でのイベントでの兼ね合いもあるが、慣習化していきたい考えを集まったサポーターに提案した。
②雨の際の横断幕の掲出について
→2024年は雨開催の試合が多く、担当を振り分けて各自宅で干していた。代表が全て持ち帰り乾燥させる場合もあったとのことで「乾燥に協力してくれる人はW-VUTSメンバーでなくても良い。ゴール裏に来ている方、FC大阪サポーターであれば、横断幕を預けて返却のスケジュール確認した上で乾燥の協力をしていただけるとありがたい」(山下代表)と説明。
雨天時は、試合日程を考慮して乾燥作業や時間的・スペース的に厳しいケースがあり、そのような場合は幕の掲出の減少につながるので乾燥の協力ができるサポーターに依頼していたことを伝えていた。
その他、参加者からの応援についての質疑応答
・旗の貸し出しについて
→旗の貸し出しで、入口(2箇所)などに配って残った旗を来た人に配ってはどうか。
ピッチ内ウォーミングアップ終了後、誰も使用していない余った旗はゴール裏の上層にいるサポーターに「旗振る?」と渡しに行ったら手に取る人が多かった。
旗の設置場所を案内するものを掲示することを検討したい。
・大旗隊だけでなく、小さい旗(Lフラッグよりも小さいもの)を振るのはどうか。
→旗の振り方ができるメンバー。黄色のエリアを中心にタイミングを合わせて実行したい。応援練習会で一度試す。
・ゴール裏の一体感を持つためにタオルマフラーを掲げるタイミングや旗を掲げるタイミングについて
→クラブとのすり合わせが必要。大まかな約束ごとを決めてコールリーダーの指示でサブコールリーダも動いてスタジアム全体でタオルマフラーや旗を掲げるようにすれば盛り上がるのではないか。
・フラッグ作成を有志で集まって布施で作成した。子供が喜んでいたので来年も有志でやってもらいたい。
→サポーター連合の中に主催したメンバーがいるので、連絡して伝えておく。
・今年の応援意見交換会でも話に挙がっていたが、チャントの歌詞をネット上で載せたい。ビラか何かで今シーズンからWEBになった。歌詞のリンクを載せて欲しい。
→クラブに連絡する。ボードにQRコードを載せてチャントを知らない人に知らせるのはどうか?
・チャントの動画作成について。団体では動画制作のノウハウが乏しいので、外部でどなたか協力をお願いしたい。
→SNSで協力を呼びかけたところ、1人協力してもらえる人がいた。引き続き誰か動画編集の経験やスキルがある人材がいないかを探していきたい。
・チャントの募集について
→開幕が近いので、新規で作るのは難しい。チームチャントに関しては2024年のものを踏襲。増えるとしても1曲が限界ではないか。
選手のチャントに関しては、新加入選手がどれくらい加入するかによるが、徐々に制作する方向で考えている。なお、選手チャントに関しては公募する旨を団体として発信。「リーグ開幕までに間に合うように準備していく」(山下代表)とのこと。
・新体制発表会でのチャント。タイミングを揃えて新しい選手を向かい入れるのはどうか?
→2024シーズンの新体制発表会では、選手が退場するタイミングで自然発生的にFC大阪コールが発生した。
新加入選手を向かい入れるために2025年もタイミングとチャントをあらかじめ決めて合わせてやるのはどうか?
・募金箱
→応援活動(横断幕を作る。太鼓の修繕)に使用する。FC大阪のゴール裏を盛り上げるという趣旨に賛同をしてもらって募金に協力していただきたい。
設置場所に関しては、ひとつなぎカフェの募金箱と、募金箱はもう一つあるので、残り1箇所を今後検討していきたい。
・将来、ビックフラッグやコレオ作成を実施するのであればスポンサーを募るのはどうか?
→理想としては、W-VUTSにスポンサーがつくこと。そのためには、団体の組織化、日々の活動が見えることが必要。
メンバーに入ると、W-VUTSのメンバーは強制的に月に1000円カンパを行うという意見が出た。
チャント歌詞カードにスポンサーを掲出するのはどうか。広告費がでれば、企業は賛同してくれるのではないか。
・「応援しやすい雰囲気作りに努めたい」(山下代表)
→お金を集める。雰囲気作り。“将来の子供たちのために…”という下準備を今からやっておきたい。
・リプライでの意見・反応
応援意見交換会では、会場に来場することが難しいサポーターのためにXのスペースにて意見も募っていた。その一部を紹介する。
・富山サポーターから「前を向かせれる応援したいと思います。FC大阪さんの発展も心から願っています」との意見が。
・試合に敗戦したあと、ブーイングではなく選手を鼓舞するような発言やチャントがあった方が良いのではないか?
→FC大阪厳しいときに前を向けられるチャント(叱咤激励)があった方が良いのではないか?
FC大阪のサポーターから何かしらのメッセージを伝え選手らが前を向けられるようなチャントを制作して伝えられるようにしていく。結果が出ない時期は必ずある。そんなときに気持ちを盛り下げるようなことを発信すると、気持ちが下がってしまうので、それは避けたい。盛り上げる何かのメッセージを伝える方向へ。
・勝利時のチャントを作って応援するのはどうか?
→古川大悟がやってくれているので、今変えるのは苦しい。
・特別なチャントがあっても良い。ダービー限定のものとか年に1回しか歌わないものとか
→少し考えたいです。
意見交換会の締め
会の最後、山下代表が「色んな意見が出ました。全て期待に添えることは難しいかもしれませんが、実現できるように前向きに考えたいです。2025年にできなくてもその次の年できるようにするなど考えたいです」と締めて約2時間の応援意見報告会が終了した。
なお、山下代表によると、2025年1月11日に開催のクラブの新体制発表後に追加で意見交換会の開催が必要であれば、開催予定だという。
当日のアーカイブ
当日の意見交換会のアーカイブについてはこちら
よろしくお願いしますhttps://t.co/6DpUaus9Ao
— ヤマタク@FC大阪サポーター (@yamataku2014) December 22, 2024
山下代表によると、「通常月曜日夜22時にFC大阪の応援について自身のXのスペースにて毎週開催している」とのこと。
取材協力
ひとつなぎカフェ
場所:東大阪市花園ラグビー場 メインゲート西側
営業時間:10:00〜17:00 定休日:月、火
コーヒーやソフトドリンクなどドリンクメニューも豊富だ。
FC大阪サポーター団体・W-VUTS
©W-VUTS
取材・文 :中本宏樹