「football fukuoka」中倉一志

【記者会見 J1第4節 神戸-福岡】「まだたったの1勝。この勝利の喜びは味わったので次に向けて整えていきたい」/金明輝

2025明治安田J1リーグ 第4節
日時:2025年3月1日(土)19:03キックオフ
会場:ノエビアスタジアム神戸/20,890人
結果:ヴィッセル神戸 0-1 アビスパ福岡
得点:[福岡]オウンゴール(40分)

◎金明輝監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「選手たちがフルパワーでゲームに臨んでくれて、前半からしっかりとゲームをコントロールして、得点機をたくさん演出して、しっかり1点を取って、最後にイレギュラーはありましたが、ラスト10分を、たくさんのサポーターが我々のゴールを死守してくれたかなと考えております。
ゲーム自体は、前半のような戦いを後半もできればよかったのですが、やはり負けているチーム、勝っていないチームの独特な、1点を守り切ろうという思考が働いたのか、少し重たくなったなと。当然、神戸さんが圧力をかけてきたのもそうですが、前半同様に相手コートでプレーしたいという形で後半も臨ませたつもりではありましたが、ピッチの温度感がそうではなかったというところも含めて、より良い準備をもう1回、1週間しっかりと期間が空くので、もっともっと積み上げて、いい準備をしたいと思います」

Q:ここまで3試合、失点が止まりませんでしたが、今日は無失点に抑えたというところで、守備が非常に集中していた印象です。中2日で何もできなかったと思いますが、どのような働きかけをされたのでしょうか?
「しっかりとした高い能力を持った選手たちがたくさん揃っているので、ここまでは、やはり僕が力不足だったと言わざるを得ないような戦い方でした。本当に時間は少なかったですが、徹底したのは細かいところですね。相手がフリーでクロスを上げる時には、しっかりとラインを下げるとか、今日の神戸さんに関しては、バトルが絶対に増えると思っていたので、その後のところですね、一発で入れられるというよりもセカンドの反応。当然、言葉で言ってすぐに改善できるものではないですが、我々は日頃からそういう細部まで詰めてトレーニングをやっていますので、しっかりとオーガナイズできましたし、当然、前線のハードワーク、規制もありながらのことですが、最後は、今日、初先発だった村上も含め、しっかりとゲームを締めてくれたなという印象です」

Q:ここまで3バックで臨んだ試合は後ろが重たくなってしまうという課題がありましたが、今日の前半は集中した守備をしながら、前へ出て行って相手コートでプレーするという意識が徹底されていました。その点はどのようにご覧になられていらっしゃいますか?
「キャンプから4と3は併用しながら準備はしてきたので、僕は3だから行けない、4だから行けるという認識ではありませんでした。当然、前節の川崎さん相手に早いタイミングで得点したことで守勢に回った時間が多かったですが、そこは対戦相手との相性、やり方、戦略、戦術、いろんなことがありますので、全部が全部、前から行くのが正しいわけでもありませんが、今日に関しては、しっかりとしたプレッシング、連動、そして蹴られた後のセカンドボールの対応は及第点を与えていいのじゃないかなと思っております」

Q:この4試合で、システムも、スターティングメンバーもかなり流動的な中で、ずっとスターティングメンバーだった上島選手が退場という形になりました。次節に関して、どのように受け止めていらっしゃいますか?
「そこに関してはまったく問題はないと思っています。上島がいないと成り立たない守備ではありませんから。
今日の退場に関しては、申し訳ないですが苦言を呈すと、どちらもそこまで難しくする必要はなかった。当然、審判のジャッジもありますが、イエローカードをもらった後の冷静さとか、そういった部分は彼の立場、ポジションからすれば、もう少しコントロールしないといけないというか、そういった部分は彼にも直接話はしました。ゲーム中に退場してしまったことで、相手も含めて自分たちに迷惑がかかっているので、一生懸命やった中での結果なんで責められないところはありますが、そこはコントロールする必要はあるのかなと考えております。
次節に関しては、我々は選手層も厚いので特に意に介さないというか、問題は感じていません」

Q:アビスパ福岡がヴィッセル神戸に勝ったのは2000年以来です。この大きな壁を突破したという意味で、どのように受け止めますか?
「もう全く僕はそこまで、もう自分たちでいっぱいいっぱいだったので、そんなことを考える余裕もありませんでした。そういうジンクスを破れたということは嬉しく思っていますが、やはり今日の後半のゲーム内容からして、そこまで満足することもできないですし、まだたったの1勝、4試合のうち1勝しただけなので、むしろ危機感の方が強いです。この勝利の喜びは味わいましたので、次に向けてしっかりと整えていきたいと思います」

Q:お時間が許すようでしたら3点質問したいですけど大丈夫でしょうか?
それでは1点目ですが、村上選手は今季初先発でしたが、小畑選手から代えたというところで、まずは守備から入るという意思表示のように受け止めましたが、監督としてはどういう狙いだったのでしょうか?
「何度も述べていますが我々の選手層は厚いので、誰を使おうか、苦渋の決断というか、もうそこに限りますね。特別な深い意味があるというようなことではなく、ここまで勝てていなかった、失点をしていたというところで、納得感のある采配をしないといけないという部分での決断で、彼(村上選手)のリーダーシップというか、そういったものに期待しました」

Q:ゴールシーンは記録上は、多分、オウンゴールになると思いますが、今季のアビスパの攻撃に欠かせない見木選手が絡んで生まれたゴールでした。彼のこれまでの4試合の評価と、今日は特に藤本選手との絡みもすごく良かった印象がありますが、そことの連携という面では、今日はどういうふうに捉えていらっしゃいましたか?
「本来、彼の適正なポジションは、もう一つ前だと思いますが、チームの拠り所というか、ボールが収まるところ、攻撃の起点、そういったところを今は担ってもらっています。ただ、運動量のある選手なので、2列目からも出て行ける選手でもあります」

Q:では最後の1点です。中継の映像で見ている限りでは、監督が涙を浮かべているように見えました。この勝利をどういう思いで受け止めていらっしゃいますか?
「いやまあ、涙、少しそういったものがもしかしたら(笑)。もう自分というよりも、やはり福岡で応援してくれている方々、ファン、サポーターのみなさん、たくさんの方に期待していただきながら、それに反した結果で、いろんなものを僕自身は感じていましたし、正直、『僕は何を見せることができているのだろうか』と自問自答もたくさんしました。でも、チームは生き物なので、すべてがすべて僕の思っているようには進みません。やはり、これまでチームとして紡いできたものがたくさんある中で、選手たちの息遣い、呼吸を感じながらやっているつもりです。そんな中でも結果が出ないと、いろんな声も出たりしますし、僕も聞かないようにはしますけれど、やはり耳に入ってきます。当然、前向きなイメージの方が少ないと思うので、やはり勝って正しい道を歩んでいけるように、チームがしっかりと上積みしていけるように、そういう関わり方で前進させていけたらなと思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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