「football fukuoka」中倉一志

【記者会見 J1第38節 川崎-福岡】「目一杯やったという想い。アビスパ福岡が勝つためすべてをかけてきた」/長谷部茂利

2024明治安田J1リーグ 第38節
日時:2024年12月8日(日)14:03キックオフ
会場:Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu/23,603人
結果:川崎フロンターレ 3-1 アビスパ福岡
得点:[川崎]家長昭博(8分)、小林悠(27分)、マルシーニョ(48分)、[福岡]松岡大起(51分)

◎長谷部茂利監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「自分たちの色を出すという意味では、前半の立ち上がりからもっともっと出したかったんですけれども、風に負けた、相手の巧みなプレーを捕まえきれずにという前半の立ち上がりだったと思います。そんな中で簡単に失点をしてしまって、追加失点をしてという、ゲームを自分たちにとって非常に難しい形にしてしまったのが本当に悔やまれます。もう少しやり方があったんじゃないか、徹底すればあの形にはならなかったというふうに反省しております。伝えてきたつもりですけれども、選手ができなければ私の責任、監督の責任ですね。良くなかったと思います。
ただ、ハーフタイムを挟んでまた立ち上がりに失点しましたけれども、自分たちのやりたいこと、やってきたこと、積み上げてきて表現したいことをもう1回確認して、無骨ではありますが、自分たちのゴールの取り方だったり、ボールの取り方だったりというところは少し出せたんじゃないかなと思います。最初からあれをやれよと、アベスパの関係者、ゴール裏からもそういう声はもちろんあると思いますが、それが簡単にできないのが、やはり、このリーグの難しさで、ホーム最終戦を終えた後のラストの最終節であったり、 アウェイ、上手なチームに対して簡単にそれができないというのも、このリーグの、そしてサッカーの難しいところかなというのを痛感しています。アビスパ福岡が来年以降、今日みたいなゲームをもう少し自分たちらしく、自分たちの強みをもう少し作って成長して、どうにか引き分け以上に持っていけるようになったらいいなと。退任する立場ですけれども、もうひとつ成長が必要だなと。今日のところは少し足りなかったなと。そういうふうに思っています」

Q:後半の頭から森山公弥選手を送り出しましたが、起用の意図について教えてください。
「左足のパスを期待しての起用でした。またコンディションも非常に整えていて、非常に良い状態だったので使ってみたいと、そういうふうに思いました。ビハインドだったので、点を取りに行くという意味では、パスの能力というか、球際の強さとか、そういうところも評価して、期待して試合に出しました」

Q:結果を見ると力の差が出たかなという感じでしたが、これまでの対戦との比較で言えば、少し近づいたかなという印象もあります。監督はどのようにご覧になっていらっしゃいましたか?
「そういうふうに思いたいですけれども、やはり2点差ですし、ピンチも失点以外にもたくさんありましたし、チャンスは作りましたけれど決めきれないというところでは、点差以上の差があったんじゃないかなと思います。ただ、相手どうこうではなくて、これも試合前と一緒で、自分たちがどれだけ何ができたかということが非常に大事で、狙っていたことがいくつか出せたし、これまでできなかったことを少しできるようになりました。これまでだったらあのままあと2、3点取られるというのが流れ的にはあったと思うんですけれども、後半の立ち上がりの失点はいただけませんでしたが、そういう意味では、盛り返しが以前よりも少し良くなったのかなというふうな、成長したかなというのは結果には表れませんでしたけれども、目つき、顔つき、プレーぶり、この辺は少したくましくなったなと、若い選手は特にそんなふうに思っています」

Q:試合が終わって、少し清々しい表情にも見えたんですけども、改めて今思うこと、感じていることはどういうことでしょうか?
「みんなよくやってくれたなと。言葉を選ばずに言うと『ありがとね』『みんなありがとう』と。自分にとってはコーチングスタッフもメディカルスタッフも、そしてそのほかのスタッフも自分の選手みたいな感覚が少しあるんですけれど、選手もスタッフも、みんなが本当にチームのために活動してくれました。誰が中心というわけではなくて、全員がひとつのグループというか、チームの一員なんだというところで、役割をそれぞれがまっとうして良いチームを作ったという、そういう感覚です。試合には負けたから悔しいんですけれど、今日で終わったというような、そんな清々しさ、そういう想いがあって、そういう顔になっていました」

Q:試合の始まる前、そして終わってから、選手たちにはいろいろと声をかけられたと思ういます。どんな言葉をかけられたのでしょうか?
「試合前はもちろん、このゲームに勝つために、勝ったら9位以上というところを意識させて臨んだんですけれども、先ほど言ったように試合の総括ということで振り返れば難しかったですね。でも試合が終わった後は『よくやった』と。残念だけど力の差はあったというところは認めつつ、それはもう選手にも言います。自分たちのミスが多いですからね。相手はミスが少ないから、それは受け止めて、問いかけで終わっているような感じですけれど、またこれから成長していけばいいんじゃないかという話をしました。選手にも何人か少し話してもらったんですけれど、いろいろ話していましたよ。選手に聞いてあげてください」

Q:試合後、監督のチャントを歌っているゴール裏のサポーターの方へ向かっていかれたと思いますが、あの時の想いを聞かせていただけますか?
「今日だけではなく、5年間の想い、応援していただいた、コロナ禍で大変だった時もいつも応援していただいた、クラブハウスにも来て声をかけてもらったということがありました。いつも私は試合終わってからあんまり行きませんし、前節はホーム最終戦だったので、行って挨拶はしたつもりだったんですけれど、私のチャントをアウェイの地であんなに大きな声で歌われると、嬉しい反面、少しご迷惑かかってはいけないと思って、早く収めないとと思って。もちろん川崎さんのセレモニーの最中に、そんなことはしないと思うんですけれども、なるべくみなさんの想いも受けたいし、受け止めるし、自分の想いも表現したいということで、手1本で終わるということで感謝の気持ちを伝えてきました」

Q:改めて振り返っていただいて、福岡で過ごした5年間は、監督の指導者人生の中でどういう時間でしたか?
「目一杯やったかなと、そういう想いです。これまでも時々話していますけれども、アビスパ福岡が勝つため、成績を出すために、勝点を取るために、すべてをかけてきました。福岡のためにということを365日間考えて5年間を過ごしました。もちろん休みの日もありますし、サッカーから離れてる時間もありますけれども、常に対戦相手であったり、自分たちの向上であったり、改善、修正、 成長、そういうことをいつも考えてやってきたので、充実していたし、やりきったなと、そういう想いです。そのやりきった最後のゲームが今日のゲームだったので、ちょっと悔しいんですけれども、でも十分選手たちはやってくれたし、成長したなと、最後はそんなふうに選手たちを褒めて終わりたいです」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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