「football fukuoka」中倉一志

長谷部茂利/「他がどうこうではなく自分たちの最善を尽くして自分たち次第だという考えで挑みたい」:【アビスパ’s Voice】

内容:練習後の単独取材
日時:2024年11月26日(火)
場所:雁の巣球技場にて

◎長谷部茂利監督;
【TV局による代表質問】
Q:今日は雨の中での練習でしたが、選手たちのコンディションはいかがでしたか?。

「昨日休んで、心も身体も良い状態で入って、練習も雨の中でしたけれどできました。良い状態です」

Q:ホーム最終戦を土曜に控えています。そこへの率直な想いを聞かせてください。
「やるぞという、特にありません。すいません(笑)」

Q:ホーム最終戦にはたくさんのファン、サポーターが来られるというふうに聞いていますが、そんなファン、サポーターの前で試合をする想いはいかかでしょうか?
「それに対しては非常に強い想いがあります。これまでたくさんの人たちが集まっていただいたスタジアム、また 放送もしてもらったり、でも盛り上がった時になかなか勝てないという自分たちのジレンマというか、悔しい想いをしてきているので、今度こそはホーム最終戦になりますけれども、ここでどうにかみなさんと喜びを分かち合いたいと、そういう強い気持ちです」

Q:このスタジアムでは最後の試合という想い、実感は湧いていますか?
「特にないです」

Q:先日はファン感などもありました。その時にファン、サポーターからもいろんな言葉をかけられたと思いますが、 特に残っている言葉などありましたでしょうか?
「ホーム最終戦でぜひ勝ってもらいたいということと、これまでありがとうという、そういう言葉です。私が感謝しなくてはいけない立場なのに、ファンのみなさんにそのように言っていただけるたくさんの声を聞いたので、ありがたかったし、残り2試合ですけれど、福岡の勝利のために全力を尽くしたいし、選手たちを送り出したいなと思います」

Q:対戦相手は浦和です。勝点で並んでいますが、前回対戦時と比べると、監督も代わりチームも大きく変わったと思います。どのような印象を持たれていらっしゃいますか?
「監督さんは代わられましたが、前回も素晴らしい監督、現在も素晴らしい監督、選手たちはそんなに大きくは変わっていないと思います。何名か移籍していなくなってはいますが、新たに加わったというよりも、これまでいる選手たち、また昨年からの継続も含めて、チームはより良くなっている。監督交代当初は少しうまくいっていなかったようですが、今現在は非常にうまくいってるんじゃないかなと思います」

Q:その浦和にはどんなところに警戒していますか?
「やはりパスワークもいいし、ゴールを決められる選手が何人もいます。そしてスピードもある、テクニックもある、そういうところに注意したいと思います」

Q:どういうところで上回っていこうと考えていらっしゃいますか?
「今言ったようなプレーを抑えなくてはならない。まず守備のところは大事だと思いますし、それだけではみなさんに喜んでいただくことはできないので、それも含めて、自分たちのやるべきことをやって得点を狙う。2点以上取れば勝点3、勝利がが近づくんじゃないかなと思っています」

Q:ホーム最終戦の理想的な形というところで、何か思い描いているものはありますか?
「勝利してみなさんと喜び、最後のホイッスルがなった時の歓声が、これまでで一番大きなものになるんじゃないかなと、そんなふうにイメージしています」

Q:ファン、サポーターのみなさんには、どんなところを一番見てほしいとお考えでしょうか?
「選手の活躍、そしてスタジアムの盛り上がりというものを、これまで以上のものにしたいし、なると思うので、そこを肌で感じていただきたいなと思います」

Q:先日の取材で一桁順位で終わりたいとおっしゃっていました。残り2連勝することで昨年と同じ7位の可能性も残っています。改めてホーム最終戦に向けての意気込みをお願いします。
「簡単に一桁順位というのは取れるものではありませんが、自分たちの最善を尽くして、他がどうこうではなくて、自分たち次第だというふうに考えて挑んでいきたいと思います」

【各メディアによる質疑応答】
Q:先日、残り3試合で複数得点無失点の試合をしたいとおっしゃっていました。残りは2試合なりましたが、ぜひ、ホームゲームで達成できればと思いますが、そこはいかがでしょうか?

「次の試合でできるというような保証は何もないので、先延ばしにはできないですね。目の前の試合で、特にホームですから、それを実現したいなと思います。固い守りというのは実現できそうなので、多少強引でも得点のところに全員が、最後方の選手から全員にゴールに対しての執着心というか、そういうものを見せてもらいたいなと思います」

Q:改めてになりますが、前節から3週間空きました。やることは特に変わらないと思いますが、複数得点無失点と言うところで、特に重点を置いてきたようなところがあれ教えていただけますか?
「やはり攻守の切り替えのところがすごく大事だと思います。そういう相手ですし、そこをおろそかにするとゲームそのものが全く違ったものになってしまうので、自分たちがやってきたこと、プラス、今回は攻守の切り替えのところが非常に大事。あとはゴール前の質ですね。その2点が大事だと思っています」

Q:5年間にわたってチームの指揮を執ってこられて、チームとしての成長、選手としての成長、そしてクラブとしての成長を感じる部分と言えば、どんなところになりますか?
「選手は当然、全員が外車になったしね(笑)。全員じゃないかな。何名かまだ日本車かな。日本車も良い車がたくさんあるのに、みんな外車になっていますけれども、当然もサッカーそのものが上手になりましたね、少しだけ。あとはメンタル的なところ、考え方とか、頭の中心が少し大人になったかなと。若い選手は大人になったし、元々大人の選手は、さらに自分が先輩として振る舞えるようなプレーと言葉、そういう表現ができるようになったんじゃないかなと思います」

Q:長谷部監督にとってのホーム最終戦ということで、クラブとしても今シーズン最多動員数を達成して盛り上げていこうという動きがあります。それに関しては感じることがあればお願いします。
「ありがたいです。先ほどご質問にあったクラブの成長というところで言うと、これまでの事業スタッフの頑張りというものが、徐々に徐々に観客数に反映していって、仮に2万人に届かなかったとしても1,8000、9000、そういう近いところに来ている。ほぼ満員ですね。そういう状態をいつも作ってもらおうとしてるし、今回はそういう状態になると思いますので、そこに対してはもう話だけでも感謝ですし、実際にその場にいたらそういう気持ちにもなりますね。ホームだけではないですし、試合だけではないですけれど、いろいろとクラブが少しずつですけれども前進している。言葉だけではなくて、トップ5、トップ3に入っていきたいという想い。実現はまだまだ先ですけれど、そこに対して少しずつ近づいていっているのではないかなと思います」

Q:応援の盛り上がりというところで言えば、『紺色の長谷部アビスパ』のチャントを直立不動で聞かれて、その後に礼をされるという想いと、あのチャント以外で印象に残っているチャントがあれば教えてください。
「まず正面で受け止めたいという感謝の気持ちと、ゴール裏の方々が時間とお金と労を惜しまずにアビスパを応援してくれてる中での一つのチャントなので、個人的に私に言ってくれているような感じがするので、正面から受け止めているし、頑張りたいという、そういう気持ちでいつもあのようにしています。見たいものとしては、北九州との開幕戦でゴール裏がビッグフラッグで一杯になったやつ。港が描かれている感じで紺と白でできているやつ、あれは非常に素晴らしいと思います。あの時はゴール裏の幅だけでは少し足りなかったですけれど、バックスタンドの方でやってもらったりとか、本当にすごいと思います。たくさんお客さんが入ってないとできないやつですよね、数人ではできませんからね」

Q:先ほどもありましたけれど、浦和戦までに3週間のブレイクがあったというところで、試合勘を維持する難しさというところについては、今どのように感じていらっしゃいますか?
「みなさんには公開していない練習試合もありますので、そこはそんなに心配していません。ただ、公式戦というところでは、やっているチームとやっていないチームの差はありますけれどもね。浦和は、この間に後半だけやっていますから、どうなんだろうというところでは、その差は少なからずあると思いますが、そんなに気にしていないです」

Q:ナッシム選手が全体練習に戻ってきていて非常に良い動きを見せています。彼が公式戦に戻ってきた場合、今のチームがやろうとしてる攻撃の中のワンピースとしてやってほしいのか、もしくは彼には違いを作ってほしいのか、そこはいかがですか?
「両方ですね。チームに順応した中で彼の長所を出してもらいたいし、それをやらずして、長所を出さずして得点もアシストもないし、チームへの貢献というものはないと思うので、そこを期待してます」

Q:攻撃面に関して、この3週間でトレーニングマッチ含め良くなったなって感じるところ、例えばアタッキングサードのスピード感であったり、絵を合わせるところだったりで手応えがあれば教えてください。
「手応えはそんなにないんですけれども、でもやることをやって挑みたいというところでは、練習試合も含めて、ゲーム形式でそういう得点が生まれている、またはそこにトライしている。そこから自分たちの課題として出た部分に対して、今日は見せなかった練習を明日やるんですけど、『ここら辺が少し足りないよね』というところを明日の練習に少し入れてで試合に臨ませたいなと思っています」

Q:シャハブ選手に関してですが、中断前あたりの数試合では周囲を使うプレーというのを意識的にやっているように感じましたが、逆に彼の持ち味である強引さみたいところが少し消えかけているのかなと思います。その辺りのバランスというところはいかがでしょうか?
「難しいと思いますね。ただ、本人と話してる中で、そういうプレーも周りと合ってきてるし、シュートを決めさせるとか、アシストしたり、自分がダミーというのかな、そういう動きもあるし、逆に自分が強引に行って点数を取っているんで『そういうのも大事だよね』という話はしているし、彼も自分の長所はなんだというのも分かっています。そのバランスが一番難しいと思うし、どちらかひとつになって一辺倒になってしまうと相手は抑えやすいし…。彼のこれまでの日本に来るまでの活躍も含めて映像は少し見ているとは思うし、もちろんリサーチが入っているとは思いますけれども、正直なところで言うと、来日した当初は相手が何も分かっていない状況だったし、でもJリーグであれだけ点数を取ると、より深く対策されるというか、分かってしまうというか、1回対峙している相手チームの選手は、なんとなくフィーリングで分かるので、そういうところで抑えられていることもあると思います。ただ今日も少し話しましたけれども、本人もだいぶ気持ちが入っていて、『俺やるから使えよ』という気持ちを感じます。選手はみんなそうなんですけれど、特に外国籍選手ははっきりしています。我々日本人とは違います。はっきり言います。『自分を使ってくれたら俺がやるから』というのを言ってきます。すごいいいことだと思います。それを聞いて『そうか。頼んだぞ』と返事するんですけれど、すごくそういう気持ちを感じます」

Q:6位以上という目標をシーズン当初に掲げられていましたが、その目標に手が届かなくなったというところで、選手のみなさんに具体的に順位のところで何か伝えられていることというのはあるんでしょうか?
「6位が完全にではなくて、少勝ち点が離れて難しくなった時、自分たちが全部勝って、対象の相手が全部負けないと届かないぐらいな感じになった時があったんですけれど、その辺りで一桁順位を狙うというのは、練習の前の円陣で少し話したことはあります」

Q:対戦相手の浦和について、先ほど、監督が代わったけれども、チームとしてはそんなに変わりはないとおっしゃいましたが、守備の部分で何か変化を感じていらっしゃるところがあれば教えていただけますか?
「ワンアンカーじゃなくてダブルボランチになったことで全然違うと思います。バイタルエリアを消すことが可能になっているので。1人だとなかなか消せないんです。優秀な選手、優秀なチームだとそれはできると考えています。それが変わったなというところと、メンバーのところは変わりそうなので、なにかいろいろとコメントされていて誰が出てくるのか分からないので、その辺が一番、試合やる前の印象としてはどうなるのかなと、誰が出てくるのかなと、そういう考えはあります」

Q:逆に言えば、監督の中でも相手を驚かせてやろうかなというメンバー選考みたいなところはありませんか?
「私はないですよ。私はないです、別に。誰も驚かないでしょ(笑)」

Q:例えばナッシム選手の起用とか。
「ああ、いましたね。あるかもしれないですね、はい」

[中倉一志=取材・構成・写真]

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ