「football fukuoka」中倉一志

【記者会見 J1第35節 福岡-柏】「期待に応えてくれたし、これからも応えてくれそうな2人の躍動だった」/長谷部茂利

2024明治安田J1リーグ 第34節
日時:2024年11月3日(日)15:05キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/11,079人
結果:アビスパ福岡 2-1 柏レイソル
得点:[福岡]金森健志(40分)、[柏]マテウス サヴィオ(49分)、[福岡]岩崎悠人(90+2分)

◎長谷部茂利監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「攻められた時間、また押し込まれて危ないシーンもありましたけれども、前半で1-0でリードという良い流れだったんですけれども、後半の失点はいただけませんね。要注意人物に注意しながらやられてしまうという、まだまだ抑えることができない、その力がないなというふうに思います。相手の右サイドからも危ないシーンが後半にもあったので、そういう意味では0失点が続いていた中で、あれだけ相手にチャンスを、自分たちのピンチを作ってしまっては、こういう展開になってしまうなと思います。ただ、2得点とも自分たちがトレーニングを重ねてきたことが形になったかな、得点になったかなと思います。全く同じ形ではないと思いますが、トレーニングがそこに繋がっているというふうに感じています。久々に2得点をしたので、継続して残り3試合で、あと3回複数得点を取るチャンスがあると思って、まずは次のゲームで実現できるように準備したいと思います」

Q:同点に追いつかれた後、だいぶ苦しい時間帯が続いたと思いますが、あそこで追加点を許さずに凌いだことが決勝ゴールにつながったという印象があります。選手交代、選手の頑張り、試合の流れ等々、どのようにご覧になられていたのでしょうか?
「失点の時間帯はやってはいけない時間帯、選手だったと思いますし、その後もバタバタと失点してもおかしくないような流れ、空気が、雰囲気が流れていたので、それを早く止めなければという意味では、前半の6分に一人交代していたので、選手交代が2回目になり、2回目の交代を早く使ってしまうと後々難しくなるという現実もあるので、少し我慢していたんですけれども、これはもうまずいと。失点をしてから代えるのでは遅いので、そこで交代を実行しました。そこで少し流れも変わって、五分五分の展開にまた持っていけたので、まずは最後にどうなるかなというところまでは持っていって、そしてファン、サポーターのみなさんに向かって攻める時のアビスパの強さみたいなものに繋がればいいなと思ったんですけれども、そんな考えで交代しました」

Q:決勝ゴールの場面は、最初に鶴野選手がボールを落としたところから始まって、最後は岩崎選手のゴールという形でしたが、2人とも今シーズンはいろんなことを考えながらのシーズンだったと思います。決勝ゴールに絡んだ2人については、どのようにご覧になっていますか?
「非常に調子が良く、それを維持して、 試合に向けて技術も少しずつアップしているというところで、今日は点数を取るんじゃないか、アシストするんじゃないかという思いもありました。日頃の練習から見ている中でそういう判断をしました。だから、少しでも長い時間出してあげたいんですけれどもという中で、期待に応えてくれたし、これからも応えてくれそうな、そんな2人の躍動だったと思います」

Q:試合前にスタジアムでもアナウンスが改めてあり、長谷部監督の退任が正式に発表されました。5年間アビスパで過ごされて、コメントの中にも『クラブの未来を最優先に考えた結論である』というお話もありました。この5年間のこのチームやクラブの変化を見られて『クラブのことを最優先に考えた』という言葉の意味を、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?
「指揮を取る人間であったり、選手であったり、時には大胆に、どこかの会社が会社のカラーを変えたら、そこから上り調子になったとか、そういう意味で、自分が離れることによって、また大きく成長する、その路線が成長モードに入っていくというふうに考えています」

Q:今日はゴールを取ったのは岩崎選手と金森選手ですが、これまで非常にハードワークしてくれる選手だったけれど、なかなかゴールが生まれませんでした。この1年間を通して、どういったところで苦労されて、どういったところが成長できたのか、その点についてはどのように考えていらっしゃいますか?
「まず、元々持っている力だと思います。力を出しきれなかった。そういう結果に結びつけさせてあげられなかった。出場時間であったり、交代のタイミングであったり、ポジションであったり、そういうところは私なりにいろいろ考えていますが、結果が出ていないのは責任を感じます。けれど2人に対しては物足りないです。彼らだけではありませんが、元々5得点5アシストぐらいできるような選手だと私は思っているので、それがあったら順位ももっと上に行けているし、得点数の少ない我々がもう少し得点数のランキングでも上だし、順位も上に行けたと思っています。ただ私は監督です。選手を信じて、少しでも長い時間プレーさせたい、少しでもいいプレーをしてほしいというふうに考えています。そういう意味では、今日はそれに応えてくれた。みんなの信頼、選手たちの信頼、スタッフの信頼を、今日、勝利という形で2人が実現してくれたと、そういうふうに思っています。もっと欲しいです、彼らの活躍が」

Q: 先ほどトレーニングした形が出るようになったというお話がありました。中断期間もあり、鹿島戦から少し攻撃の部分の改善の兆しが見られていたと思いますが、その辺りの変化の要因はどのようにお考えでしょうか?
「要因は、一言で言うと『意識』だと思います。何を、どうすると、どうなるか。そういう意識を持ってプレーしている。今まではその意識が足りなかった。意識がなかったからそういうプレーができなかった。こんなことは私が言うことではありませんが、人間はまず意識を持つことで変わります。いろんなことが変わります。それが今までは足りなかった、実行できていなかった。もちろん練習をしたことも大事ですけれど、そこに意識があったから。それが非常に大事なことです。分かっているんだけどもできないことかもしれません。みなさんもそうだと思います。私もそうです。その意識というのが選手に根付いたというか、練習も含めて、ミーティングも含めて、コーチのアドバイスも含めて、今日は2得点に繋がったと、そういうふうに思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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