【記者会見 J1第32節 鳥栖-福岡】「お互いが必死な姿だった。華麗ではないが鎬を削るようなダービーだった」/長谷部茂利
2024明治安田J1リーグ 第32節
日時:2024年9月28日(土)19:04キックオフ
会場:駅前不動産スタジアム/17,563人
結果:サガン鳥栖 0-0 アビスパ福岡
長谷部茂利監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「アウェイでありながらホームのような、またダービーということで大変多くのお客様に、ファン、サポーターに応援いただきましたが、残念ながら引き分けでした。勝点1を積んだという考えと、この大事なゲームで勝てなかったと、そういう気持ちと両方入り混じっています。ただ、選手たちはよくやったので、選手たちを非難しないでもらいたい。非難するなら私を非難すればいい、1点も取れなかったというところを。ただ裏返して1点も取られなかったという選手たちの守備のところ、ゴール前で身体をを張ったところは素晴らしかったと思います」
Q:随所に粘り強さは見せたと思うんですけれども、これからあと6試合戦っていくには、守備の方も攻撃の方も物足りないというか、繋がっていなかったという印象があります。試合は終わったばかりですが、残りの試合をどのように戦おうとお考えでしょうか?
「守備のところでの課題は、もう少し制限がうまくかかって、カットボールから自分たちが良い攻撃につながることが少なかったので、そこをもう少し選手と共有して、少しだけでもチャンスになる可能性が高まる、急激に高まるので、そこはもう一度、トレーニングを含めてやりたいと思います。
攻撃のところは、今日のところは点数が取れそうだなというチャンスはあったので、これまでよりも少し可能性を感じましたし、選手たちも悔しい顔をしていたので、そこで決められるようにというところですね。いま少し話してきましたが、やはりシュートの本数と枠内率。枠内シュートというのはもう少し多く、フリーで打っているのであればその率を上げたいです。際々を、当然ゴールキーパーに触られないところを狙って、隅を狙っているのが当たり前ですけれども、それが枠外に行くのではなくて、枠内、もしくはポストに当たるぐらいのギリギリのところぐらいの本数をもう少し増やすというか、そういうふうに選手と持っていきたいし、そういうところでのチャンス作っているだけに、決められるようにという話をしていきたいと思います」
Q:勝てない試合が11試合になりました。選手のみなさんはネガティブにならないようにと口にしてはいますが、メンタル的には少し厳しい部分もあるので歯ないかと思います。そういった意味で、監督から何か声をかけられたようなことはあるのでしょうか?
「選手たちには、ファン、サポーターのみなさんが応援してくれて、ゴール裏からあれだけ熱いうエネルギーをもらっている中で、期待に応えられなかったことは真摯に受け止めて自分たちがやらなきゃいけないという話はしました。ただ、私はあんまり悲観していません。勝点を取るということがどれだけ大変か。今日のプレーを見てもらったら分かります。手を抜いてる選手は誰もいません。自分たちが持っているものを、練習してきているものを出していました。サガン鳥栖さんと自分たちの力の差が、どこに、何が、どうあったのか、喋れる人がいたら、話せる人がいたら、私に伝えてください。素晴らしいチームだったと思います。順位こそ難しい状況ですけれども、両チームが必死に戦って、0-0で、たくさん点数が入るゲームよりは面白くありませんが、良い戦いをした、そういうふうに思っていただきたいなと思います。お互いが必死な姿だったと思います。華麗ではなかったと思います。いつの日か華麗なプレーが試合の中で少しでも出せるようにと、いつも願っていることですけれども、今日のところは鎬を削るような、そういうダービーだったというふうに思います」
Q:熱いダービー、非常に白熱したダービーではありましたが、どちらがアタッキングサードで落ち着いてプレーできるかにフューチャーしてみていましたが、この環境の中では難しいものがあったと思います。何か監督からアプローチされたようなことはあったのでしょうか?
「ミーティングも含めて選手には話をしています。急かすわけではない、急ぐことはない、早くプレーすることを準備しながら、最後は自分で選んでいくという話をしています。 なので何人かは、何回かは、そういう落ち着いたプレーというのがあったと思います。急いでボールが離れてしまうとか、コントロールミスとか、そういうことは今日は少なかったと思います。この大観衆の中で、大声援の中では、もっともっとうまくいかないことが多いんですけれども、今日のところはそういうミスが少なかったんじゃないかなと思います。
Q:最後に出てきた佐藤凌我選手は久々のプレーでしたが、身体のキレもあり素晴らしかったと思います。彼の評価をお願いします。
「惜しかったですね。右隅の上ですかね。あそこに決まると、やはり持っているなというふうに言えるんですけども。でも終盤に入った時間帯で難しい入りで、時間も少ない中で持っているものを十分に出してくれたし、コンディションも上がってきて今日のところは活躍するんじゃないかと期待を込めて出しましたが、活躍はしたと思いますが大活躍まではいきませんでしたね。あれが入っていたら大活躍。惜しかったと思います」
Q:今日は開始直後に田代選手にイエローカードが出て、かなり厳しい状況で試合が始まりましたけれども、特に空中戦で小田選手がカバーするというか、危険なところを防いでいました。あれはチームから指示があったのでしょうか?それとも個人の判断だったのでしょうか?
「今日だけではなくてサッカーの基本ですね。ディフェンスラインの基本です。チャレンジ&カバーですね。普通のことだと思います。今日だけではないです}
Q:勝ってこの質問をしたかったのですが、長谷部監督のJ1での在任4年間の中で、この九州ダビーは3勝5引き分けで負けがありません。今日も試合前から非常に素晴らしい雰囲気でしたけれど、この九州ダービーというものの持つ意味などを、今試合を終えたばかりですが、どう感じていらっしゃるのでしょうか?
「非常に熱い人たちの戦い。冷めてるわけではなくて、斜に構えるんじゃなくて、真っ向からお互いを、時々罵り合ってることもありますが、でも正面からぶつかるという、選手たちも、スタッフ同士も正面からぶつかるような、いろいろと戦略も戦術も考えながらやっている中で全部勝つのは非常に難しいです、それがどんな相手であっても。ただ、私がいる4年間の中でリーグ戦では1度も負けていません。天皇杯で1度負けたことがあります。なので、十分にみなさんのお力を借りて、1点差ではありますが勝ったり、引き分けたりというところをこれまでは繰り返しています。今季はもう戦いはありませんが、これからもこのダービーが素晴らしいもので、みなさんに認めてもらえるような良いダービーをずっと続けてもらいたいし、もちろんアビスパがずっと勝ち続けてもらいたい。1回も負けることなく、福岡の人たちが喜べるような、そういうダービーであってほしいと思っています」
Q:スタンドから見ていて、最後の方はコーナー付近で少し見えにくかったんですが、珍しく感情的になられてる様子がちらっと見えました。あれは選手を守りたいということだったのでしょうか?
「いつも試合中もそうですけれど感情的にはなっています。比較的そういうタイプです。こういうところでは、なるべくみなさんに迷惑がかからないように、自分たちのチーム、スタッフに迷惑かからないように、クラブに迷惑かからないように、言葉を選んでいますが、いつも感情的になっています。感情を出すことがいい時もあるなというふうに自分では考えているので。私もゴール裏のファン、サポーターと同じく悔しかったし、申し訳ない気持ちもあるし、選手を守りたいという気持ちも、もちろん大いにあります」
[中倉一志=取材・構成・写真]