【中倉’Voice】新戦力は長身センターバックの池田樹雷人。「行きたいチームの一つ」というアビスパでどんな輝きを見せるのか
ひと際目立つ186cmの長身と、鍛え上げられた均整の取れた体躯が目を引く。チームに合流してからまだ2日目ながら、時折見せる笑顔や報道陣の質問に答える姿から、明るく積極的な性格であることが分かる。池田樹雷人。アビスパ福岡への期限付き移籍について次のように話してくれた。
「夏に話をもらえることがありがたかった。アビスパ福岡はキャリアの中で行きたいチームの一つであったので、自分の中ではすぐに決めた。チームとしてのカッコよさを感じるというか、サポーターが熱くて自分もチームに合うかな、馴染めるかなと思ったので決断した」
サポーターの熱さ、スタジアムの雰囲気が良いというイメージが強くあり、一緒に戦いたいと思ったと言う。
関東の名門スポーツクラブの三菱養和SC巣鴨ジュニアユース、三菱養和SCユースを経て2015年に当時J2に所属していたC大阪に加入。翌2016年にはセレッソ大阪U-23の一員としてJ3第19節のFC琉球戦で初先発を果たした。しかし、その後のプロサッカー人生は簡単ではなかった。結局、C大阪では出場機会が得られずに2017年は期限付き移籍でタイのチームでプレー。その後は愛媛FC、AC長野パルセイロなどでプレーするも思うような結果を残せず、2021年のシーズンオフにはトライアウトも経験した。
ようやく結果が付いてくるようになったのは、プラウリッツ秋田でプレーした2022年。この年の第6節・徳島ヴォルティス戦で先発フル出場を果たすと、以降、レギュラーに定着。その実績が買われて2023年にはFC町田ゼルビアに移籍。2度にわたる怪我でそれぞれ4週間、8週間と戦列を離れる時期を経験しながらも町田の主力としてJ1昇格に貢献した。
「最初にセレッソ大阪にプロ選手として入って、そこで勘違いしたと言うか、一度落ちた人間。そこから自分のことを見つめ直して準備をしっかりとやりだしてから少しずつ試合に出られるようになって、少しずつ段階を踏めるようになってきている。一度失敗した分を糧にして、これから少しずつ積み上げていけるという自信もあるし、やることをやっていればという想いでやっている」(池田樹雷人)
ただ今シーズンは町田では出場機会は得られず。アビスパからのオファーを受けて期限付き移籍を決断。アビスパの選手としてJ1のピッチに立つことにチャレンジする道を選んだ。
「自分のストロングである空中戦や左足のフィードを磨いて、その強みを出せば通用するかなと思うし、アビスパはその強みが活かせるチームだと思っている。武器を磨いていきたい」
もちろん、どのチームでも競争があることは理解している。そしてJ1の舞台は競争の中で自分を磨いてこそ得られるものだということも承知している。
「どのチームに行っても競争はあると思うし、その中で自分の味を出して、少しずつサポーター、監督、チームメイトに認めてもらって、信頼を勝ち取っていきたい」
今シーズンも残る試合は14試合。その中で池田がどう変わっていくのか。仲間でありライバルでもあるチームメイトがどのように変化するのか。そしてチームはどのような成長を見せるのか。中断明けが楽しみだ。
なお、池田選手の共同囲み取材は以下に全文掲載しています。
https://www4.targma.jp/football-fukuoka/2024/07/28/post28116/
[中倉一志=取材・文・写真]