「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 J1第33節 福岡-柏】「やはり90分間出し切らないと結果というものはついてこない」/ネルシーニョ

2022明治安田生命J1リーグ 第33節
2022年10月29日(土)15:03キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/10,194人
結果:アビスパ福岡 2-1 柏レイソル
得点:[福岡]山岸祐也(4分)、フアンマ デルガド(44分)、[柏]戸嶋祥郎(47分)

◎ネルシーニョ監督(柏);
Q:試合を振り返って
「前半については、すべての意味で我々の戦術的な部分、技術的な部分が空回りしてしまいました。とにかく入りの悪い今日のゲームだったと思うんですけれども、チームとして、また個々の部分においても、パーソナリティ、精彩を欠くような時間帯が続き、我々がやろうとしていたゲームプランも、まったく遂行できないまま前半に失点を食らってしまいました。より我々としては攻撃に出ていかないといけなかったので、ハーフタイムに入って選手の部分だけではなく、システムも変更して、より前線に人数をかけるという意図を持ってああいった形で変更しました。実際、後半は2点ビハインドで入ってすぐに1点を返して、守備のところにおいても、4枚に変えてから安定して、相手のカウンター攻撃というものを前半ほど作られるようなこともなく、得点に結びつくような決定機というものも後半はあまり作られず、守備の部分が非常に安定したんじゃないかなというふうに思います。逆に我々の攻撃陣は、後半に入ってから自分たちでボールを動かしながら、テンポよく相手陣地に進入するという形も作ることができていました。
今日、ゲームが終わってから選手たちにも伝えましたが、今日のサッカーにおいて、インテンシティ、個々のパーソナリティというものをしっかりと90分間出し切らないと、やはり結果というものはついてこないんだと。ゲームの笛が鳴った時点で両者の主導権の奪い合いが始まるわけで、そこを受身になってしまうと今日の前半のような戦いしかできないんだと。前半に比べて後半を戦ってくれた選手たちというのはチームとしても非常にファイトしていたと思いますし、後半に我々の時間帯というものが作れたんですけれども、結果として今日も敗戦をしてしまったと、そういうゲームだったと思います」

Q:今日は試合前に工藤壮人選手への黙とうが捧げられ、ファン、サポーターからはチャントも歌われました。ネルシーニョ監督は特別な想いを持って試合に臨まれていたかなと思いますが、そのあたりのお気持ちを聞かせてください。
「彼が亡くなったという訃報を聞いて、今週1週間は個人的にも非常につらいものだったことは言うまでもありません。彼との初めての接点は2009年、彼がトップチームのグアムキャンプに合流したときだったと記憶しています。以来、彼はチームの中で存在感を発揮してくれました。2009年に加入してから2014年まで、私が彼と一緒に仕事したこの期間の間、彼の謙虚さとプロ意識というものはまったく変わることはありませんでした。人間誰でもいつか終わりが来るものですが、今はただ彼が安らかに眠れるように祈りを捧げるだけです。一方で、彼の人生の一部に、彼のサッカー選手としての成功に、少しでも携われた、同じ時間を共に過ごすことができたということについては、私自身非常に嬉しく、そして誇らしく思っています。彼がレイソルに残した多大な功績というものは、これからも決して忘れられることはありませんし、レイソルに関わるすべての人たち、彼の仲間たちの記憶に、これから先もずっと残り続けることだというふうに思っています」

[中倉一志=取材・構成・写真]

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ