「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 天皇杯 準々決勝 福岡-甲府】「ベスト4に進出できて大変、とても、非常に嬉しく思う」/吉田達磨

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 準々決勝
2022年9月7日(水)19:03キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/1,948人
結果:アビスパ福岡 1-2 ヴァンフォーレ甲府
得点:[甲府]三平和司(16分)、[福岡]森山公弥(27分)、[甲府]鳥海芳樹(97分)

◎吉田達磨監督(甲府);
Q:試合を振り返って
「まず、ベスト4に進出できたこの大会は、環太平洋大学との試合からスタートし、3試合連続でホームで戦うことができました。いつも見慣れた景色の中で札幌、鳥栖と何とか勝つことができて今日ここに来たわけですけれども、アウェイで、週の半ばに、リーグとリーグの合間に入ってくるという日程の中で戦い、ベスト4に進出できたということを、大変、とても、非常に嬉しく思っています。今日は声出しの応援ができるということは僕も知らなくて、ここに来てからクラブのスタッフから聞いたんですけれども、本当に絶え間なく、ずっと後押しをしてくれて、その声で走り、その声で戦い、その声で前に出られたような90分だったと思います。試合は、アビスパさんの力強さ、セットプレーではもちろん大変な思いもしました。力強さの前に屈しそうな時間もあったと思います。ただ、僕たちはグラウンドの上を選んで、グラウンドの上でボールを走らそうというところ、今日はそのこだわりというか、彼らがいつも普段やり慣れている、見慣れている、戦い慣れている、そういった戦いで、最初から本当に最後まで、アビスパさんの大きくて強くて速い圧力から逃げずに戦ってくれたなというふうに思います。うまく三平のゴールで先制することができて、そこまでは良かったんですけど、ゲームが好転したなという時間帯にセットプレーの三つ目ですね。二つ目を弾いて、そこからまた失点をして、クリーンヒットが入ったわけじゃない、そういった失点が今シーズンはかなり多く、人がいるんだけれど気づけば僕たちのネットが揺れているという失点が多く、嫌な空気というのはあったんじゃないかなと思います。それは選手の中にも、一緒に戦ってくれたファン、サポーターの中にもあったんじゃないかと思います。ただ、そこからまた戦い方を変えずに、福岡さんが立ち位置を修正してきてからも、中で彼らが今週少ないトレーニングの中で準備してきたことをしっかりと発揮し、攻撃的に戦っていく、相手をずらしていくということを愚直にやり続けた結果が、最後に延長戦でもうひとつ走れるというようなところにも繋がったんじゃないかなと思います。なので、今日彼らが戦ったその戦い方に僕はとても嬉しく思いましたし、頼もしく思いましたし、誇りに思いました。
今日、この舞台というのを大事に大事に戦うのではなく、ここで暴れるというか、J1相手にでもプロとしてそのすべてを出す、それで上を越えるというようなことを選手たちが実行してくれたのではないかと思います。最後に、ベスト4はヴァンフォーレ甲府として初めての経験になります。少し大げさかもしれないですけれど、そこに名を刻みました。J2からこのトーナメントに参加して、そこにたどり着いたということ、僕たちをいつも応援してくださっている、サポートしてくださっているすべてのみなさまに、おめでとうございますと言いたいです。僕らはまだリーグ戦もすぐ土曜日にありますし、今夜は喜んでも、すぐに切り替えなければいけません。今日は120分戦ったので、どれだけの選手が次に力を残せているのかというのは分かりませんけれども、このムード、いいことをした、成し遂げたということ、そしてここは頂点を目指して戦うべきだと思っていますし、そこからまたもうひとつギアを上げて、パワーを上げて、土曜日にまず向かっていきたいなと思います。長くなりましたけど以上です」

Q:鳥海選手の決勝点について、途中から出場して力を発揮してもらうという期待があったと思いますが、いかがでしょうか?
「鳥海が宮崎に代わって行くというのは、ある程度予定通りというか、はい。彼が最初から出ても、途中から出ても振れ幅がない、必ず良い流れを持ってくるし、スタートから出れば良い流れを作り出す、必ず最初の決定機は鳥海になるぐらいの力を持っています。今日は120分あるかもしれないという前提の中、鳥海が途中から出て得点をしたんですけれども、その得点以外にも、前に出てくる相手を逆手に取るというか、そういったプレーも何度か見られましたし、難しい状況だったと思います。緊迫していましたし、中盤にはスペースがあるようで圧力があったと思います。そこでうまく周囲と連携しながらゴールという形で、期待と彼らの持っている能力というものを示してくれたんじゃないかなと思います」

Q:今日勝ったことをどのようにリーグ戦に繋げいきたいとお考えでしょうか?
「勝ったということが、おそらく僕が繋げていきたいと思わなくても繋がるでしょうし、自信というのは間違いなく付くでしょう。今日、僕たちがやったサッカーというか、戦いというのは、基本的にリーグ戦でも続いているんですけれども、やはりリーグの中で失点が安易だったり、本当に決定機が入らなかったり、そういったことでなかなかリズムに乗りきれず、1年間でここまででも15回も引き分けている状況があるのが現実です。ただ、この勢いと、今日走りきったという充実感というものを、次の試合に出る選手たちは力を振り絞って表現してほしいですし、山梨に残っている選手もいますから、みんなで次の試合、まず全力を出すということで、それができれば繋がったと言えるんじゃないかなというふうに思います」

Q:福岡は選手交代でどんどん外国籍選手が出てきて、福岡の勝ち方というものを、もう少しでやられそうになりました。そこは、どういうふうにベンチから声をかけていらっしゃったのでしょうか?
「ある意味仕方がないというか、福岡さんの外国籍の選手を、ドウグラスも上がってきましたし、それをどうしようというのは不可能というか、ルキアンがいて、ドウグラス グローリがいて、ジョルディがクロスを上げてというところはどうしようもないですから、使われてしまったら。だけど集中して、とにかくセカンドボールをしっかり拾うということ、あとは前回の徳島戦で本当に何でもないというか、良い流れの中でポコンと取られて、また頑張ろうと言っている中で、僕たちが8人いて、相手が3人、4人しかいないところで取られてというところがあって、ゴールを隠せなかったので、今日はしっかりとゴールの側から守備をするというサッカーの基本に立ち返ってやったということが、一つの対応になったと思いますし、あとは攻めで時間を使うということで一定のことはできました。最後は苦しかったですけれど、パワープレーというのは誰も防ぎようがない作戦なので、しっかりと時間を使う、カウンターを繰り出す、ゴール側から守るということを、集中を切らすことなくやるというのを、北谷が入る頃にはしっかりと伝えましたけれども、全部普通で、集中と気持ちのところだったかなというふうに思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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