「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】長谷部茂利/「キャンプは開幕に向けての準備。少しずつ開幕に向けて積み重なっている」:【アビスパ’s Voice】

内容:練習後の共同囲み取材
日時:2022年2月3日(木)
場所:宮崎市生目の杜運動公園陸上競技場

◎長谷部茂利監督:
Q:少し早いですけれどもキャンプの総括をお願いします。
「見ての通り、みんな元気にやれています。キャンプだからといってやりすぎて疲労がたまって、でもそれをやるのがキャンプだという人もいますけれども、私は開幕に向けての準備だと思っているので、ここでトレーニングして、貯蓄して、その貯蓄をシーズンが始まったら出していくという考え方はまったくありません。少しずつ上げていってということです。今日は少しハードなメニューもありましたけれども、いつも、これぐらいのことはやっているので、少しずつ開幕に向けて積み重なっていると思っています」

Q:午前中最後の練習は、フィニッシュのところで、疲れながらも精度が出るかどうかというところを意図したものだったのでしょうか?
「そうですね。サッカーなのでゴールがついていて、相手もいて、ゴールキーパーもいてと、いろんな要素があるんですけども、見ての通り、カウンターの形から確実に得点を取るということですね。カウンターを仕掛けるのは何回でも、いくらでも、どのチームでもあります。点数が取れるか取れないかの差だと思います。そのいい方に入れるように、点数を決められるようにということです。その裏返しもあります。走って何をするの?走って点を取りに行くけれど、逆は走って守る。そこでいかに守るかというのはサッカーの常ですので、ゴールをつけて攻守があるというのは、選手にとっては一番練習になる。そういう意図です」

Q:新しい選手にとっては長谷部監督の原点であるカウンターの意識付けという意図もあったのでしょうか?
「いや、サッカーの場面でカウンターで得点を取る、カウンターを受けないように守るというのは、どのチームでも大事だと思います。私がそれを志向しているというわけではなくて、全試合を見ていないので分からないんですけれども、ヨーロッパの強いチームがカウンターを仕掛けないかと言えば仕掛けます。なのでスタンダードという言い方ですかね、普通のことを高いレベルでやっているチームを真似て、それができるようにしたいなというだけです。特に私がカウンターを志向しているわけではなく、偶然そういうふうになっているというか、相手の方がボールを持つのが上手いチームと対戦することが多いので、ちょっと恥ずかしいんですけれども攻撃の手口がカウンターしかないというゲームもたまにあって、その中でもボールが握れる時間が5分、10分あったりということも含めて、ボールを動かしながらという攻撃も大事ですし、おっしゃるようにカウンターも大事ですし、そんなふうに位置づけて、選手たちには、それも、これも、あれもできるようにトレーニングしているつもりです」

Q:外国籍選手のコンディションが非常にいいように見えました。監督の目にはどのように映っていらっしゃいますか?
「そうですね。今日だけではなくて合流してから本当に良いですね。トレーニングをちゃんとやっていたんでしょうね。ベタ休みという言い方をしますけれども、お正月休みみたいに日本人にはそういう休み方をしてしまう人が多いですけれども、選手はそれをしなくなりましたね。日本人もそういうところを見習って、自分でパーソナルトレーナーをつけてトレーニングをしたりしています。ジョルディなんかは身体が小さいからキレみたいなものを見せやすいんですけれども、そういうところが特に目立つので非常にコンディションはいいですね。身体がキレています」

Q:練習を見させていただいていると、新加入選手が期待通りというか、期待以上というか、十分にやれそうだなという印象を持ちました。
「本番が始まってみないと分からないんですけれども、そういう期待を込めて来てもらいましたし、話をしても本当に素直だし、このアビスパ福岡で自分がやるんだという姿勢を感じます。おそらく飲み込みも早いでしょうね。ただ、ポジションによっては、ディフェンスであれば失点に絡んでしまう、オフェンスだったら得点が取れないとか、簡単にはいかないと思いますが、今のところ順応していると思います」

Q:全体を通してみれば、思い通りに過ごせたキャンプだったでしょうか?
「昨年もそうですけれども、コロナのストレスがやはり選手にはあると思います。ホテルの中で選手同士がコミュニケーションを取る時間というのは少なくなりますからね。みんなで同じ練習の映像を見たりとか、試合を見たりとか、サッカーの話をしたり、まあ別の話でもいいですけれど、それぞれの部屋に帰らなければいけないので、そういう時間がなかなか持てません。それでも広い部屋なら、いつまでいても気にならないというのもあるかもしれませんが、シングルの部屋というのは少し狭くて、長くいると嫌なもんじゃないですか。その辺もあるでしょうね。中には家族と離れて嬉しいという選手もいますけれども(笑)、それでも選手にとってはギリギリ2週間ぐらいかなと。そこはちょっと懸念材料ですね。致し方ないですけれども」

Q:練習試合は45分×何本とかいうレベルでやられているのでしょうか?
「ほとんどのチームがもう45分でやらないと、もう2、3週間前ですからそれをやっていかないと本番で90分できなくなってしまいますから。どのチームも、今は普通に少しずつ時間を延ばしていくというやり方をしていますけれども、私もそういうやり方を試行しているので、そんな考え方でやっているつもりです」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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