「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】ルキアン初お目見え。アビスパU-18とのトレーニングマッチでさすがの存在感を示す:【ニュース&レポート】

アビスパ福岡は21日、雁の巣球技場で今シーズン最初のトレーニングマッチ(30分×2本)をアビスパU-18との間で行った。新チームが始動してまだ2週間ということもあり、それぞれのプレーを確認し合うようなゲームではあったが、この時期としてはまずまずの出来。長谷部茂利監督も「チームの立ち上げのところからコンディションを整えてゲームに持っていくという流れの間の練習試合。身体の方はマックスではなかったと思うが、徐々に、徐々に上げていってゲーム感覚を養っていくという、その1本目」と満足げに振り返った。

集まった報道陣の注目を集めていたのは、言うまでもなく新加入にして攻撃力アップの切り札と見られているルキアン。見るからに精悍で絞り込まれた身体はモチベーションの高さを表すもの。得点こそ生まれなかったが醸し出す雰囲気は、さすがはJ2で得点王というものだった。

この時期は怪我をしないことが最優先ということもあり、やや抑え気味だったこともあるが、幅広くピッチを動きまわるというよりも、状況に合わせてポジショニングを修正しながら虎視眈々とゴールを狙うタイプ。一瞬のスピードで裏を取るプレーはもちろん、ボールを受けて周りを使うプレーなどにも非凡なものを見せた。それでいて前線からの守備も献身的。長谷部監督の「攻守にわたって我々のチームに合っている」という言葉にもうなずける。

自分の特長を存分に見せていたのは左SHでプレーした田中達也。スピード溢れる縦への突破を随所に見せたほか、輪湖直樹とのコンビネーションから何度もサイドを突破。城後寿が挙げた3点目も、田中、輪湖のコンビネーションから生まれたものだった。
また、熊本雄太がCBとして、前嶋洋太が右SBとしてプレー。今はまだコンディションを上げている最中で、実力発揮はこれからというところだろう。

そしてFC今治から帰って来た東家聡樹は、この日の2点目をゲット。こぼれ球を押し込むという泥臭いゴールではあったが、今治で結果を残せなかった東家にとって今はどんな形であっても結果を出し続けることが必要。まずはその一歩というところだろう。「結果として1点を取れたのはすごく良かったが他にチャンスもあった」と振り返ったように、クロスボールに高さで合わせそこなった場面が何度かあったが、それをゴールに結び付けられるようになればチャンスもあるだろう。

また、この日はプレーしなかった選手もいたが、今はコンディションを上げている時期。23日から始まる宮崎キャンプで徐々にコンディションを上げながら、キャンプ中に予定されている練習試合を通して2022型アビスパが形作られることになる。

オミクロン株の拡大に鑑みて宮崎キャンプは全日程非公開。報道陣に対しても練習試合を除く一部のみ公開ということもあり、チームの仕上がりの過程を確認することはできないが、どのようなチームになって福岡に戻ってくるのか楽しみに待ちたい。

[中倉一志=取材・文・写真]

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