「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【選手コメント J1第11節 広島-福岡】「立ち上がりに先制点が取れたことがすごく大きかった」/村上昌謙/前寛之

2021明治安田生命J1リーグ 第11節
日時:2021年4月24日(土)14:03キックオフ
会場: エディオンスタジアム広島/7,290人
結果:アビスパ福岡 1-0 FC東京
得点:[福岡]オウンゴール(9分)、[広島]東俊希(28分)、[福岡]前博之(58分)

◎村上昌謙選手(福岡);
Q:なかなか難しい試合でしたけれど、きちんと勝点3を取って帰るということで、素晴らしい結果だと思います。まずこの試合を振り返っていただけますか?
「そうですね。やはり広島さんの技術の高い攻撃のところで、ちょっと受身になる部分が多くて、自分たちのサッカーが上手いことできない時間が続いたんですけれど、その中で立ち上がりに先制点が取れたというのは、すごい大きかったですね」

Q:前半は押し込まれるというか、場合によってはペナの中まで入ってこられることが多かったと思いますが、スタンドから見ている感じでは、押し込まれているけれども、落ち着きがあったというか、やられないよという雰囲気があるなと感じていましたが、その辺は、ピッチ中ではどうだったのでしょうか?
「そうですね。サイドから良いところにパスを出されて苦しい場面も多かったんですけれど、その中でも、クロスに対してのマークというところでは、チーム全体でしっかりとマークを付けていましたし、ボールを跳ね返してセカンドを拾うということができていたので、そこに対しては自信を持ってできたと思いますが、そこまでの過程の部分では、広島さんの方に技術のところで上回られていたので、そこはすごく脅威でした」

Q:後半は前へ出ていくシーンも増えましたし、ボールを持つ時間も増えたと思います。あの辺りは、どんな修正というか、どんな考え方だったのでしょうか?
「前半を1-1で折り返して、やはり勝ちに行くにはもう1点が必要でしたから、そういったところで、ハーフタイムに選手同士でしっかり話をして、前に行くところ、どこで行くのか、『こういくからこうしてくれ』とか、そういう話がすごくロッカー内でできたので、それがピッチで表現できて、ああいう形でセカンドを拾えてゴールにつながったので、そこがすごく良かったのかなと思います」

Q:押し込まれた時にブロック作って守ってるときと、すっと前に出ていくときと、そういう整理が後半はすごくよくできたなと思いますが、その辺いかがでしたか?
「すっと出るためにも、やはりFWとかがしっかり限定してくれるので、後ろはしっかりと前に押し出せた部分が多かったですね。FWであったり、サイドハーフの(金森)健志とかがサイドのコースを消して、中に行かせるような切り方であったり、わざと外に行かすようにしてくれたり、FWがコースを限定してくれるおかげで後ろがボールを取れるので、そういうところでチームの組織的な守備というものが、すごくはまったのではないかと思っています」

Q:村上選手も非常に素晴らしいセーブを何度も見せていました。ご自身のプレーはどのように振り返っていらっしゃいますか?
「失点もしてますから、結果は勝ちましたけど、自分個人としては満足してるわけではありません。やっぱり失点の部分はもっと突き詰めていかないといけません。相手のリズムのときに、いかにチームとして守れるかというところで、もっともっと質を上げていけば、もっと上位に食いついていけると思いますし、もっともっと勝点を拾えて行くと思うので、まだまだ満足せずに、上を目指して頑張りたいなと思います」

Q:まず終了間際の接触のところは大丈夫だったでしょうか?ちょっと心配でした。
「あそこは出ないといけない部分でしたし、もちろん接触がある場面でしたけれども、あそこでびびっていたら意味がありません。飛び込んでいったので、お互いの100と100が当たっているので痛みはありますけど、そこで失点するぐらいなら痛い方がましだと思っているので(笑)、痛いですけれども元気です」

Q:あばらですか?それも息が苦しくなった感じでしょうか?
「おなかの部分というか、そこへ相手が入ってきたので、少し息がしづらくなって苦しかったんですけれど、もうラストでしたし、みんなも頑張っているので気持ちで立ちました」

Q:この試合の前に取材させていただいたのは川崎戦だったのですが、今季はアウェイでも戦えているという印象が強いのですが、相手に利があるはずのアウェイで戦えているのは、どういう要因があるとお考えでしょうか?
「一人ひとりの個の能力では勝てない部分があっても、組織としてみんなが助け合って、補い合って、場面、場面で勝てれば、個人として勝てなくてもチームとして場面、場面で勝てれば絶対にチャンスになると思っているので、そういったところで、チームとして誰かのためにというところを表現できていることが、この結果に繋がってると思います」

Q:昨日は監督の誕生日だったと記憶してますが、監督のために勝とうという雰囲気もチームの中にはあったのでしょうか?
「おめでたい誕生日ですし。まあ、やはりどの試合も勝ちたいです。誰かの誕生日であったり、誰かの子どもが生まれたということになれば、お祝いしてあげたい気持ちはありますし、そういったこともあったのではないかと。最後に止められたのも、もしかしたら、シゲさんのためにと思ったからなのかもしれません(笑)」

Q:ロッカールームではそういった誕生日の話は出たのですか?
「昨日、みんなでしっかりとお祝いできていたので、そこでシゲさんがいいコメントをしてくださいましたけれども、今日のロッカーでは試合のことだけを伝えていたので、僕たちもそこだけの意識でしたから、ロッカールームではそれは意識していませんでした」

Q:昨日のいいコメントを聞かせていただくことはできますか?
「アビスパの公式にも載っていたと思いますが、シゲさんの今年の抱負は目標達成で、僕たちも同じ意見だと思いますし、それに対して頑張っていきたいなと思いましたし、周りの人に対しての感謝のところであったり、みんなを幸せにできるという言葉をかけてくれました。いろんなところに目配りが利く監督だと思うんで、やっぱそういったところですごい信頼できる監督だなと僕自身は感じました」

◎前寛之選手(福岡);
Q:素晴らしい決勝ゴールになりました。まず、あのシーンから振り返っていただいていいでしょうか?
「いい形で前からの守備ではめることができて、ロングボールに対してグローリーがしっかりつないでくれたというところと、そこからエミルにボールが行った後に、自分のところで良い立ち位置を取れて、あとは来たボールを慌てずに流し込むことができて良かったです」

Q:試合の方は、前半は押し込まれる展開が非常に多かったですけれども、上から見てる分には、押し込まれていても最後のところはやらせないという落ち着きみたいなものを感じながら見ていました。実際、ピッチ中ではどんな心構えというか、心づもりでプレーされていたのでしょうか?
「先制点を取った後に、自分たちのディフェンスラインをどこに敷くかというところを話し合いながらやっていました。前から行きたいけど相手フォワードが怖い、推進力のあるFWがいるというところで、ディフェンスラインをどの位置に設定するかというのは、先制点を取ってから話し合いながらプレしていました。ただ失点はしてるので、ペナルティエリアにボールが入るときは、やはりボールホルダーにしっかり行かないといけないし、あのシーンでは中の人数は揃っていたので、中のところのマークというのも厳しくしないといけない場面だったと思います」

Q:後半は、少し前に出る時間も増えましたし、ブロック引いて守ってるところと、相手のスピードが落ちて後ろ向きになった時に、前からプレスかけるところの使い分けが、非常に上手くやっていた印象があります。あの辺は、どのあたりを修正されたのでしょうか?
「前半押し込まれてハーフタイムでリセットできたのと、どこから見に行くかというところを変えて挑みました。戦術的なところで変えて、広島さんからボールをどう奪うかというところをはっきりさせたのが良かったのかなと思います」

Q:最終的に8本しかシュートを打たれていませんが、相手のシュート数を一桁に抑える試合が続いています。以前はちょっと隙を突かれてましたけど、改善されてきた手応えは感じていらっしゃいますか?
「そうですね。最後のところで足を伸ばすというところは、常々練習から、試合から言われていることですし、シュートの本数が減れば失点も減るし、危ないシーンというところも減ってくると思うので、そこはこれからも大事にしていきたいと思います」

Q:大阪から始まったアウェイ3連戦辺りから、少しずつ内容が良くなってきている感じはありましたが、勝点につながっていないので満足できないとおっしゃっていました。それがここにきて勝点につながってきたというところで、今のチーム状態をどのように見ていますか?
「最近の公式戦3試合に勝っていて、ようやく結果に繋がってるんですけれども、どの試合も本当にきわきわのところで競ってきているので、負けるのも、引き分けるのも、紙一重だと思いますし、その紙一重で勝っていけるように、勝ちに持っていけるように、またみんなで合わして、次の試合に向かっていきたいと思います」

Q:まず決勝ゴールのところですが、左足で打ったというところ、アウトにかけたというところで、あれは両方とも狙っていたのか、瞬時の判断でああなったのかというのはいかがでしょうか?
「左足で打ったのは、あのボールが左にきたからですけれど、右足、左足のどちらでも構わないというところは自分の武器だと思っています。アウトにかけたのは、とりあえず枠に持って行くというところと、ゴールに入れるには、上から落とした方がいいかなというような瞬時の判断でした」

Q:去年から、あの位置で待ち構えて狙ってるんは多かったですが、上にふかしてしまうことが多かったなという印象でした。そこで、この期間で練習を含めて改善したのか、それとも意識の部分で今回変えて上手くいったのか、そこに関してはいかがでしょうか?
「今年に関しては、あのミドルシュートを決めていきたいという欲は強いですし、得点できるボランチというのは近代サッカーでは重要なことだと思うので、そこは狙って練習もしています。今日に関してはすごく落ち着いたメンタルでボールに合わせることができたので、それが一番大きかったかなと思います」

Q:その落ち着いたというところで言うと、チーム全体としても、個人としても、落ち着いている印象があり、これまでのアビスパの歴史でいうと広島ビッグアーチではなかなか自分たちの力を出し切れないという人が多かったのですが、アウェイでも戦えてるいるのは、どういったところが要因なのでしょうか?
「やり続けることというのは変わらないので、それが多く出せる時間が増えてきて、勝ちを拾っていけていることに繋がっていると思います。特にやること自体は変わってないです」

Q:今季初ゴールの上にJ1初ゴールです。そこに関してはいかがですか?
「J1で取れたというところに関しては、やはり嬉しいことですし、ゴールを決めてチームの勝ちに繋がるのは、すごく嬉しいことです」

Q:昨日は監督の誕生日だったので、みんなにも、今日は監督のためにも勝とうという思いがあったのかなと思いましたが、前選手自身はどのような想いでしたか?
「そうですね。昨日のチームの全体練習後にケーキを出してお祝いして、この試合、勝とうというようなことで、監督、チームからそれぞれメッセージがあったので、勝ちに繋がって本当に良かったです」

Q:映像を見ていても、一体感というのがますます強まってるなっていうイメージがあります。雰囲気としてもかなりいい状況ですか?
「そうですね。ルヴァンカップでもようやく結果が出ましたし、メンバー交代がありながらも勝ちに繋げていけてるので、チーム全体として良い流れになってると思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ