「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【選手コメント J2第12節 松本-福岡】「苦しい展開も、ああいう勝ち方が山雅の勝ち方」/塚川孝輝/橋内優也

2020明治安田生命J2リーグ 第12節
日時:2020年8月15日(土)18:03キックオフ
会場:サンプロ アルウィン/3,536人
結果:松本山雅FC 1-0 アビスパ福岡
得点:[松本]塚川孝輝(90+4分)

◎塚川孝輝選手(松本);
Q:自身の得点で連敗を止めることができました。得点シーンを振り返ってください。
「あそこにこぼれてくると信じて入っていたので、押し込めて良かったと思います」

Q:ホームで連敗を止められたということで、また特別な思いもあるのではないでしょうか?
「5連敗していた中でサポーターのみなさんも歯がゆい思いをしていたでしょうし、チームの中でもそういう悔しい想いというのがすごくありました。勝ちたいという想いはすごくあったんですけれども、それが結果にならずに5連敗していた中で、今日、ホームで勝てたことは、サポーターのみなさんの力もそうですし、チームとしてもすごくまとまっていたことが要因だったと思います。苦しい展開だったかもしれませんが、ああいう勝ち方が山雅の勝ち方だと思うので、勝って良かったと思います」

Q:試合前の取材では気持ちを出していかないといけないとおっしゃっていましたが、試合開始直後にルーズボールに頭でいったり、すごく気持ちが入っているのを感じました。塚川選手の今日の懸けるという想いを聞かせてください。
「自分はそういう選手だったので、自分がそういうプレーを見せてチームに勢いをもたらせればいいという想いが、ああいうプレーにつながりました。ファールにはなってしまいましたけれど、ああいう気持ちのこもったプレーを、もっと見せていかないといけないと思っています」

Q:千葉戦の3失点目に関して、布監督は対応できたはずとおっしゃっていました。今日、どういうところを反省して臨まれたのでしょうか?
「一人ひとりの守備範囲だとか、身体の向きだとか、そういう基本的なことを見直して試合に入りました」

Q:全体的に守備も安定していたと思います。守護面で良かったところはどんな部分でしょうか?
「橋くん(橋内)が入って、そこからの声がすごく出ていて、意思統一がすごくできていました。チームとしても、『苦しい時間帯もあるけれど絶対に守り切ろう』という話もしていたので、全員で声を掛け合いながら、最後は身体を張りながら、上手く守れたと感じています」

Q:チームトップの3得点目になりました。改めて、ゴールを取るという意味での意気込みを聞かせてください。
「世界を見てもボランチの選手が得点を取ることが増えていますし、どういう形であれ、得点は個人として評価されますから、そこにこだわりがないと言ったら嘘になります。取れるなら取れるだけ取りたいと思っています」

Q:ここから連勝するために必要なこと、そのために今日の試合で得た収穫は何だったのか教えて下さい。
「試合を見て分かっていただけたと思いますが、守備でやられなければ最後の最後にチャンスがあるし、他にもカウンターでもチャンスがありました。山雅は守備のチームでもあるのですが、今まではそこが曖昧な部分もありました。本来、そこを締めてゴール前を絶対にやらせないというのが山雅の良さでもあるので、攻められてもゴール前を絶対にやらせないというところを、もう一度突き詰めていければと思います」

Q:千葉戦と比べると、球際の部分で相当気持ちも出ていたしボールも取れていました。2日間という短い期間の中で、どういうことを意識して、どういう部分を修正したのでしょうか?
「球際とか気持ちの部分は一瞬で変わると思いますし、今までできていなかったわけではなかったので、それをもう一度見つめなおそうという話をしたし、全体ミーティングでは、チームとして同じ方向に向こうということ、そしてそれぞれの想いを聞いたので、そういうのがピッチで表現できたのかなと思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

◎橋内優也選手(松本);
Q:久しぶりの試合になりましたが無失点勝利となりました。今日の試合を振り返ってください。
「チームが5連敗をしていたので、今日の試合は結果として勝てたのは良かったですけれども、個人的には、そんなに簡単には発言できないなと思っていました。試合に出るにあたっては、自分はディフェンスの選手なので、最低限としてゲームを壊さないこと、最悪の場合、1点やられたとしても、そみからバタバタとやられないというように、可能性のある、勝点の取れるようなゲームができたらいいのかなと思ってゲームには入ったので、それが最終的には勝点3につながったのは非常に良かったなと思います」

Q:今日は5バックでしたけれども、試合に入る前に監督からどのような話があったのでしょうか?また、他の選手たちとは、どのような言葉を掛け合って試合に臨まれたのでしょうか?
「5バックにしたくて5バックになっているわけではなく、流れの中で3バックでスタートすると基本的に5枚並ぶ形になったということです。そこからWBの選手やSBの選手を押し出していくという形は、今日はそんなに多くはなかったですけれども、監督から、福岡さんはクロスがストロングだと言われていたので、それを受けて、簡単にスライドかけて奪えればいいですけれども、CBの選手が引き出されて一番大事なところに人がいないという形を作りたくなかったので、5枚をしっかりと並べていました。それで、福岡さんもどうやって攻めていこうかという形になったのかなと思いますね。クロスは入ってきていましたけれど、自分たちが触る回数が多かったと思いますし、そこはしっかり中でオーガナイズできたかなと思います」

Q:コメントの端々からは、勝てたけれども、内容的にはもっともっとやっていかなければいけないんじゃないかという気持ちを感じます。質の部分、内容の部分で高めていかなければいけない部分というのは、久々に戻って来て、どのように感じていますか?
「まず5連敗していたので、チームとしての自信というのは、多分、だいぶなくなってきている状態だと思っていましたから、そういう中で、いきなりいいゲームをして勝点3を奪い取るのは難しいんじゃないかと思っていました。案の定、今日もどちらかといえば泥臭いサッカーという形になりました。全然、それで構わないんですけれども、僕自身もひとつミスがありましたし、ゲームの内容には誰一人満足していません。取ったボールをつないでいくというのは監督がずっと求めている部分でもありますが、かといって、一気に成長はできないので、まずは5連敗を止めて勝点を取ったということが大きかったですね。若い選手も多く出ていましたが、苦しい状況があっても粘り強くやれば、最後は自分たちが美味しい想いをするんだよというような、成功体験とまで言わなくても、そういうものがたくさん出ていたので、それを積み上げていってあげればいいかなと思っています。それができれば、技術が高い選手はたくさんいるので、自信を持って、もっともっと余裕を持ってゲームができるのかなと思いますね」

Q:今日の出場は、怪我から復帰してほぼぶっつけ本番という状態だと思います。ご自身のコンディションや今後に向けての好材料、収穫はあったでしょうか?
「チームからはもう1試合早く復帰というイメージだったと思いますが、僕自身はこの福岡戦を目標に身体を作ってきていましたし、ゲームに出るからにはコンディションが悪いという言い訳はしたくないと思っていました。ただひとつ自分にとってのアドバンテージというか、ホームゲームであったということ、松本の気候の涼しさが僕にとっては最高だったかなと思いますね。また、僕にとってはホームでプレーするのは今シーズンに入って初めてだったので、数は少ないですけれども、やはりサポーターの方がいらっしゃると力になるかなというか、情けないゲームはできないなというか、試合に入る前の気持ちの持ち方が違うとは感じました」

Q:この試合に照準を合わせていたとは言え、試運転なしでいきなりフルタイム出場というのは、少なからず厳しかったのではないかと思いますが、その辺りはいかがでしょうか?
「ゲーム展開も含めて思った通りでした。言われたように5枚が並ぶ形が多かったですし、両ストッパー含めて、(藤田)息吹がいてくれると、彼らを使って守備ができるので、そこまで僕自身が動いたという展開にはなっていません。あとは何回も言いますけれども、この松本の涼しさというのは、普段、午前中や午後にトレーニングしているのと比べると、かなり楽でした」

Q:クロスが福岡のストロングということでした。松本はクロスに対する守り方を今年から変えたと思いますが、その新しいやり方が上手くいったということも言えるのでしょうか?
「実際のところは4枚と3枚の違いかなと思いますね。4枚だと中央を2枚で守るということが多く、それで逆サイドの選手が逆サイドに入ってくる選手に対して、中を捕まえるのか、外を捕まえるのかということになると思いますが、今日の場合は中央に3枚いて、なおかつ5枚が並んでいる状況でした。もしかしたら監督は本意ではなかったかもしれませんが、僕自身は相手はクロスがストロングというのが分かっているので、どちらかといえば昨シーズンのイメージというか、しっかりと人を捕まえさせて、余るところは余って、そして危ないところを抑えるというシーンも結構ありました。監督から求められているマンツーマンとゾーンの併用というか、少し難しいですけれども、その辺をたくさん使ったというよりも、4枚と3枚とでは全然違いますし、監督からは昨シーズンのやり方でも大丈夫ということも言われていたので、そこは3枚のやり方で、臨機応変にというか、自分の経験値だけで周りを動かして、何とかしのげたという形です」

Q:連敗が止まって、次節から勝点を積み重ねていくということになると思いますが、次節への意気込みを聞かせてください。
「失った勝点は返ってこないので、連勝しないことには上に上がっていけません。ここ最近、相手よりも走るだとか、球際で負けないとか、戦術ではないところで松本山雅らしくないという外からの声はたくさん聞こえていましたし、実際、中でやっている選手たちも宗じゃないかと思っています。ですから、今日くらいのゲームが0ベースというか、最低限のゲームで、やっとスタートラインに立ったというか、ここからどのようにして積み上げていくかということだと思っています。ヴェルディさんも、そのあとの京都さんも好調ですし、ボールを動かすのが上手なクラブなので、そういったチームにあっさりやられないように、粘り強く、へこたれず、勝点をしっかりと取っていきたいと思います」

Q:久しぶりのスタメン復帰になりました。次節も活躍されることを期待しているサポーターも多いと思います。意気込みを聞かせてください。
「まだ連敗を止めただけですし、順位も下の方なので、上に行けるように、連勝できるように頑張っていきたいと思います」

Q:プロ初ゴールもアビスパ戦だったと記憶しています。東海第五高校(現、東海大学付属福岡高等学校)出身ということで、福岡との試合には特別な思い入れのようなものがあるのでしょうか?
「毎年のように聞かれますけれど(笑)、そこまではないです。どちらかというと、アウェイで福岡に行く時に、(高校時代の)監督とかが見に来られたりすると、もっといいプレーができるかもしれないですね。こちらでやるときは、若い時はかなり意識してやっていましたけれど、もう何回もやっていますし、今のこのチーム状況でもありましたから、相手がどうであれ、何とかいいゲームをしたいという気持ちの方が強かったです」

[中倉一志=取材・構成・写真]
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