「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【ニュース&レポート】久藤督就任。「いつかはアビスパで監督をやりたいという気持ちが強かったので決断した」

アビスパ福岡は3日、福岡市内で会見を開き、ファビオ ペッキア監督の退任に伴い、新たに久藤清一コーチが監督に就任することを発表した。合わせて、アカデミーダイレクターの藤崎義孝氏、U-18コーチの宮本亨氏がトップチームのコーチに就任する。5日の練習から新体制でスタートし、J1昇格を目指す。

◎鈴木健仁強化部長;
「突然の発表になりまして、お忙しいところをお集まりいただいてありがとうございます。ファビオ ペッキア監督の突然の退任はチームにとっても非常に残念な出来事でしたが、ここからは久藤新監督を迎え、アビスパスタイルの実現に向けて頑張っていきたいというふうに思っております。

新しく監督に就任する久藤監督は、福岡県の筑陽学園を卒業し、いくつかのJリーグのチームで主にMFとして活躍し、アビスパでは1998年、そして2006年から2010年、現役を引退するまで選手として活躍してくれました。その後、アビスパのアカデミーのコーチ、監督経て、他チームのJリーグのトップチームのコーチとしての経験を積み、昨年よりトップチームのコーチをしております。そういう意味で、アビスパへの想いが非常に強い人物です。このファビオ監督の退任を受けて、ファビオ監督とともにアビスパスタイルを実現するためにキャンプから一緒に積み上げてきた指導者の1人ですので、アビスパとして監督就任の要請をしました。これからは自らの経験を活かして、アビスパスタイルの実現に向けて頑張ってほしいと思っています。

また久藤はアカデミーで指導し、アカデミー出身の選手を世界へ排出してきた経験もあります。近年では世界で活躍する冨安健洋選手がその筆頭です。そのほか、トップチームのキャプテンを務めている鈴木惇、そして鹿児島で活躍している牛之濵もアカデミー出身の選手です。今、チームはこういう状況ですけれども、彼の経験とノウハウをいかんなく発揮してもらい、アビスパスタイルに取り組んでもらい、チームに関わってくださるみなさまをはじめ、サポーターのみなさま、そして福岡の子どもたちに好きになってもらえるようなアビスパ福岡を実現して、J1昇格を必ず果たしたいと思っています」

Q:いま少人数でチームを編成している状況ですが、監督が代わることで、編成であったり、あるいは夏の補強であったり、何かを変更する部分というのはありますでしょうか?
「いま24人でやっていますけれども、それを大きく変えるつもりはありません。ただ、夏の補強のところは、チームの現状がありますので、監督と話をしながらやらなければいけないかなとは思っています」

◎久藤清一監督;
「こんにちは。お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。監督に就任しました久藤です。今シーズン、キャンプからやって来たことを継続し、アビスパスタイルを選手と一丸となって実現していきたいと思います。また、選手として昇格を経験しているので、監督としても選手一丸となって昇格できるように頑張ります。よろしくお願いします」

Q:今回就任に至った経緯に関して、誰から、いつ頃、どのようにして打診があったのか、教えていただければと思います。
「大宮戦後、18:00に雁の巣に集合してファビオ監督の話を聞き、その後、香椎浜の本社で、川森社長と鈴木強化部長から、お話をいただきました」

Q:それまでは、このことについては聞いていらっしゃらなかったのでしょうか?
「はい」

Q:その打診を聞いた時の率直な感想を聞かせてください。
「ファビオ監督が辞めるということの方が驚きで、びっくりしていたというのがあったので、なかなか考えられなかったというのが実際です」

Q:その中で、監督をする決断をされた一番の理由は何でしょうか?
「やはりアビスパが好きだということですね。引退した時もそうでしたし、いつかはアビスパで監督をやりたいという気持ちが強かったので決断しました」

Q:ファビオ監督とは、今日、ここに至るまでに何か言葉を交わされましたか?
「頑張ってほしいというのと、自信を持ってやってほしいと言われました」

Q:新チームの今後の具体的な方針と、目標する順位などがありましたら教えてください。
「まずはJ1昇格というところを目指すということと、アビスパスタイルを含め、細かい部分で浸透させていければいいかなと思っています」

Q:ファビオ前監督は攻撃サッカーを目指していらっしゃいましたが、久藤監督は、その方針を継承するということでしょうか?
「そうですね。もともと攻撃的な選手でもありましたから」

Q:例えば、シーズンを通してトータルで何得点くらい取りたいと考えていらっしゃいますか?
「まだ今のところはそこまで考えていないんですけれども、なかなか点が入らないという課題があるので、そこは練習から取り組んでいきたいなと思っています」

Q:選手のみなさんとは何か言葉を交わされましたか?
「いえ、特にはありません。鈴木惇と城後くらいですかね」

Q:どのような反応でしたか?
「びっくりしていました」

Q:改めて、今後の意気込みについてお聞かせください。
「受けたからには覚悟を持ってやりたいです。選手にも伝えたんですけれども、僕も覚悟を持ってやるので、選手も、もう一度覚悟を持って集まってくれとは言いました」

Q:アビスパスタイルの実現という言葉がありましたけれども、アビスパスタイルとは、どのようなスタイルをイメージされていますか?
「攻撃的なスタイルですね。細かく言うのは難しいんですけれども、より前で、攻撃的にプレーするというところですね」

Q:これまでの16試合、ファビオ前監督の横についていて、何か感じたところ、改善したいところなどはありますでしょうか?
「細かい部分は多々あるとは思うんですけれども、やはり戦う部分と、一丸となる団結力だと思います」

Q:戦う部分がまだできていないということを感じられているのでしょうか?
「そうですね。アビスパスタイルにもあるように、切り替えの部分だとかは、まだまだ足りないところがあると感じているので、日頃の練習から厳しく言っていきたいと思っています」

Q:16試合を終えて18位ですが、この現状をどのように受け止めているかということと、課題に対してキーポイントになるようなことがあれば教えてください。
「正直、そこまで悪いとは感じていなかったですし、いい部分もたくさんあって、その中で得点が少なかったというのが大きいというのと、あとは失点のところですよね。どうしても攻撃的になってしまうので、そこのところのリスク管理の部分を、もう少し改善できればと思っています」

Q:現状は少数精鋭のチーム編成ですが、その点について監督のお考えを聞かせてください。
「いまいる選手で戦うことが大事だと思うので、そこで戦いたいと思います」

Q:今回の件でコーチも代わることになりますが、藤崎さんや、宮本さんとの役割分担などは、どのようにしていく予定でしょうか?
「明日、ミーティングをしようと思っているので、そこで詳しく決めようと思っています」

Q:昇格を目指すというお話がありましたが、3分の1以上を消化した時点で少し勝点が離れています。この状態をどのように見ていらっしゃいますか?
「まだ狙える位置にはいると思うので、まずはプレーオフであったり、昇格を狙える位置まで、まずは1試合、1試合ですね。目の前の試合をしっかりと勝つというところから入っていきたいと思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]
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