「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【ニュース&レポート】ファビオ ペッキア監督、家族の事情により志半ばにして退任、後任は現時点で未定

アビスパ福岡は3日、急きょ会見を開き、ファビオ ペッキア監督が第16節大宮戦を持って退任することを発表した。それに伴い、マルコ アントニオ フェローネ・フィジカルコーチ、ヴァレーリオ ヴィスコンティ・アシスタントコーチも退任する。ファビオ監督は明日、イタリアへ帰国する。なお、後任監督は5日の練習から指揮を執る予定だが、現時点では未定。
以下、会見の模様を全文掲載する。

◎鈴木健仁強化部長 質疑応答
「本日はお忙しい中、また急にこのようなクラブからのアナウンスに対してお集まりいただき、ありがとうございます。昨日、試合後にファビオ監督の退任が決まりました。先週、ファビオ監督から、家族の事情によりイタリアに帰国したいという申し出がありました。クラブとしましては、今シーズン、アビスパの変わらぬ戦い方の初年度ということで話をし、ファビオ監督に受けていただいてスタートした1年だったので、シーズン途中で現場を離れるというのは、クラブにとっても、チームにとっても、また選手にとっても良くないので、クラブとしてはこのまま続けてほしいということで、時間をかけて話し合いをしてきました。しかし、本人の意思が非常に固かったことから、昨日の試合後に、クラブとしても退任の申し入れを受け入れて、退団に合意しました。シーズン途中のチーム状況がなかなか難しい中で、選手、スタッフには迷惑をかけるのですが、次に向かって進んでいかなくてはならないので、また新たに新しい監督とともに次に向かっていければと思っています。後任の人事に関しましては、決まり次第、みなさまに報告させていただきたいと思います」

Q:まず、次節のゲームにはファビオ監督は同行しないということなのでしょうか?
「はい、しません」

Q:その時に新監督が就任している可能性はあるのでしょうか?
「はい、就任しています」

Q:ファビオ監督はイタリアに帰るとのことですが、イタリアのチームの指揮を執るとか、去就について教えてください。
「一部報道で出ていた記事については本人とも話をしていまして、本人の話では家族の事情ですぐにでも帰らなければいけないということで、ファビオ監督自身も、記事を読んで知ったということでした。今は家族の下に帰りたいということなので、今後のことに関しては、本人も未定ということでした」

Q:自主的な退任と考えていいのでしょうか?
「そうです」

Q:昨日の試合結果に関しては、監督の退任問題に影響がありましたか?
「いいえ。試合前から話をいろいろとしてきましたし、レベスタでの開幕ということでファビオ監督も非常に楽しみにしていて、試合前の時点では、まだお互いに合意には達していなかったので、クラブとしては、昨日の結果、レベスタの雰囲気も含めて、試合後にファビオ監督が『続ける』と言ってくれればという期待もありました。けれど、試合が終わった後に改めて話をしましたけれども、本人の意思が変わらなかったので、クラブとして受け入れました。ですから本人も、昨日の試合の結果に関係なく家族の下に帰りたいという意思が固かったということです」

Q:次節までには新監督が就任されるとのことですが、それまでの間は、チームの練習においては、どなたが見るということになるのでしょうか?
「明日はチームがオフになりますので、明後日から新体制でスタートできると思います。明後日には新たな監督が指揮を執ってくれると思います」

Q:以前からお話を続けられていたとのことですが、ファビオ監督が最初に退任の意向を示されたのは、いつ頃なのでしょうか?
「鹿児島戦の後です」

Q:新監督に打診する際に、サッカーのスタイルは継続されるのでしょうか?
「はい。それは変わらずにアビスパのスタイルを継承してくれる監督にお願いしたいということです」

Q:後任監督を見つける時間もないので、やはり内部昇格という捉え方でいいのでしょうか?
「いえ、それも含めて検討しているということです」

Q:明後日の指導までに、すぐに見つかるとは思えませんが
「はい、大丈夫です」

Q:選手にはいつ伝えられたのでしょうか?
「今日の朝です。全員に伝えました」

◎ファビオ ペッキア監督 質疑応答
「難しい決断でしたが、鹿児島戦の後の火曜日に、イタリアに戻らなければいけないということをクラブに伝えました。理由は家族の事情です。仕事と家族とどちらかを選ばなければならないのであれば、家族を大事にしなくてはいけません。日本に来る時に、家族から離れなくてはならないことが難しいことであることは十分に理解していましたが、数カ月間離れていたことで家族内に問題が起こってしまい、日本にいられなくなってしまいました。クラブは非常に一生懸命に私をサポートしてくれて、それに対しては本当に感謝しています。けれども、今回の問題はクラブに関することや、仕事に関する問題ではないので、クラブが何かをできるという問題ではありませんでした。
クラブには、本当にありがとうと伝えたいです。本当に感謝しなくてはいけないと思っています。特に川森社長、そして私の仲間である鈴木強化部長には感謝の気持ちを述べたいです。そして、ファン、サポーターのみなさんにもありがとうと言いたいです。この数か月間、素晴らしい応援を見せてくれました。私たちが苦しい状況にいる中、特にホームゲームでは熱い声援を続けてくれました。その情熱は本当に素晴らしいもので、イタリアでは見られないほどの情熱でした。最後に、スタッフにも、選手にも、プレスのみなさんにも本当にありがとうと言いたいです。いつも囲み取材の後に、次の対戦相手について、いろんなアドバイスもしてくれました。将来がどうなるかはわかりませんが、いま私は『さようなら』ではなく『また』と言いたいです」

Q:鹿児島戦のあとにクラブに伝えたということですが、監督の中で決心されたのは、いつ頃だったのでしょうか?
「鹿児島戦のすぐ後です。鹿児島戦が終わって、家族と話した時に、家族が私に伝えていなかったいろんなことがあるということを知り、すぐに決断しました」

Q:帰国はいつになるのでしょうか?
「明日です」

Q:今日は選手のみなさんにはお会いになったのでしょうか?
「今日、選手とお別れの挨拶をしました。とても難しかったし、辛かったです。昨日の試合で見せてくれた情熱は非常に嬉しかったにも拘わらず、今日、退任するということを伝えるのは本当に難しかったです。レベルファイブスタジアムでは、いい経験をさせてもらいました。アビスパの苦しい時期は過ぎたと思います。これからみんなのベストを願っています」

Q:今シーズン掲げてきた攻撃サッカーに関して、まだ道半ばだと思います。その辺りに対しての責任については、どのようにお考えでしょうか?
「もちろん、ここに至るまで結果がついてこなかったということに関しては、責任を感じています。この5か月間を振り返れば、最初は上手くやれなかったり、チームとしてやるべきことを理解していても、それをピッチの中で継続できなかったりと、いろんなことがありました。けれども、これからについては私はポジティブに捉えています。そうした時期はもう越えて、これからは伸びていくだけだと思っています」

Q:一部報道にありましたように、イタリアのクラブで指揮を執るということについては、どのようなお考えがありますか?
「今の私が一番に考えなければいけないのは、すぐに家族の下に帰るということです。いろんな噂があるのはイタリアならよくあることです。私の第一目標は家族の下に帰ることです」

Q:改めてアビスパ福岡の選手たちにメッセージをお願いします。
「これまで、毎日、選手たちには何らかのメッセージを伝えきました。そして今日、最後のメッセージとして『勝つためにプレーしよう』と伝えました」

Q:福岡のサポーターに何か伝えたいことはありますか?
「本当に素晴らしいファン、サポーターです」

Q:家族の事情とのことでしたが、可能であれば、もう少し具体的にお聞かせいただけますか?
「プライベートなことなので控えさせてください」

Q:後任に伝えたいことがあれば教えてください。
「選手からすべての力を引き出すこと、いい仕事をしてくださいということです」

Q:任期途中での退任になりましたが、現時点でやり残したような想いとかはありますか?
「もっと多くの試合で勝ちたかったです」

Q:家族の問題というのは、鹿児島戦の後に起こったことなのか、それとも、シーズン前から起こる可能性があったのか、どちらでしょうか?
「来る前にはそういう状況があるとは思ってはいませんでした。ところが、最近になって状況が少しずつ深刻になっていって、決断したのは試合後ということです」

[中倉一志=取材・構成・写真]
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