「football fukuoka」中倉一志

フットボールな日々/宮崎の味

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宮崎グルメの代表と言えば「チキン南蛮」や、「地鶏のモモ焼き」などを思い浮かべる方が多いと思うが、実は宮崎県は隠れたうどん店。長嶋茂雄氏や王貞治氏が現役時代に足しげく通ったことで有名な釜揚げうどんの「重の井」をはじめ、いくつもの有名店が存在するばかりではなく、町のいたるところでうどん屋を見つけることが出来る。

県外から訪れた方が、まず目にするのは宮崎駅ビル内の「豊吉うどん」や、繁華街のど真ん中にある「きっちょううどん」あたりだろうが、昼夜を問わず、歩いていれば必ず「うどん屋」が目に入ってくる。なんでも、人口10万人当たりの店舗数では全国10位に当たると言われているそうだ。宮崎とはいえ2月は肌寒い日も多く、また手頃な値段で、待ち時間も少ないことから、キャンプ取材で宮崎に長期滞在する時は、私も良く利用させていただいている。

初めてキャンプに訪れた時は、超貧乏ライター(現在も経済状態にあまり変わりはないが)だったこともあり、毎日のように通い、メニューを端から順番に食べていたことを思い出す。当時、通っていたのは繁華街のど真ん中にある「きっちょうどんまねき橘店」。宮崎県内の大型チェーン店で、のれんの中央には、前宮崎県知事の東国原英夫氏を模したと思われる「まねき猫」が描かれている。宮崎に来た時は、まず最初にここのうどんを食べることに決めている。

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注文はセルフ方式。カウンターで注文をし、手際良く供された「うどん」を盆に乗せて自分で運ぶ。オーダーは、いつものように「天玉かうどん(360円)」。「天玉か」とは、天ぷら(さつま揚げ)と玉子、そして天かすのことで、麺が隠れるほどに乗せられた天かすと、山のように盛られたネギが嬉しい。伊予産のいりこと日高昆布で取った出汁は、澄んではいるがしっかりとした味付け。そして、うどんはコシの弱い柔らかな食感。これぞ九州のうどんだ。

なつかしく、そして私にとって宮崎キャンプの味を堪能して、いよいよ2日から福岡の宮崎キャンプが始まる。今年は久しぶりに2週間の長丁場。経費がかさむこともあり(汗)、この店でお世話になる回数も増えそうだ。いっそのこと、11年前を思い出して、メニューの端から食べてみようか。酒場巡りに加えて、それぞれの味を順番にレポートするのも悪くない。

【中倉一志=文・写真】
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