石井紘人のFootball Referee Journal

無料:西橋勲PARに訊く副審からのオフサイドの見え方とインパクトのコンシダレーションの「近い」の考え方にあるフットボールアンダースタンド【審判委員会ブリーフィング2/6⑥】

26日、日本サッカー協会(JFA)審判委員会が今年初となる『レフェリーブリーフィング』を高円宮記念JFA夢フィールドにて開催した。

扇谷健司JFA審判委員会委員長の挨拶の後で、佐藤隆治JFA審判マネジャーJリーグ統括が2025シーズンのスタンダードの説明を行った。選手生命を脅かすチャレンジ、ハンドの反則同様に、

元Jリーガー御厨貴文主審が選手とレフェリーにある差異、ハンドの反則になるシュートやクロスブロック時のdeflectionと、ノーとされるPlay Successfullyについて【審判委員会ブリーフィング2/6⑤】

オフサイドのインパクトも競技規則を読んでいない方にも伝わるような文言で解き明かした。

 

オフサイドのインパクトのコンシダレーションには「GKやボールに対して近い」というのがある。

この近いに対し、アメリカンスポーツに慣れ親しんだ日本人からすると、「近いってどれくらいですか?」という声もあがりそうだが、フットボールの競技規則には記載されていない。その部分こそが、近年のJリーグ担当審判員がレフェリングに取り入れているフットボールアンダースタンドだと思う。

そこを可能な限り、メディアに伝えるために、インパクトになる事象とならない事象が紹介された。

 

●インパクトでオフサイドになる事象

ジュビロ磐田×サガン鳥栖戦の32

 

 

〇インパクトとはならない事象

町田ゼルビア×ヴィッセル神戸戦の88

佐藤マネジャー「GKとの距離は近いですし、オフサイドポジションにいる選手は止まっている訳ではありませんが、GKやボールに対してあきらかなアクションしておらず、ボールの軌道も近くは通っていない。

映像では分かりますが、AR(アシスタントレフェリー:副審)の位置からだと、どう見えるのでしょうか?」

 

西橋勲PAR

「今の説明通りなのですが、現場での難しさは、この写真のように斜め上からは見えていません。平面から判断しないといけない。

平面からだと、選手とかぶってしまう事もあります。

また、この(インパクトの)3つの項目も、ARが見やすいものと、ARからは見辛いものがあります。逆を言うと、レフェリーから見やすいもの、見辛いものもあります。

この2つの事象は、GKとオフサイドポジションの距離感は分かります。

オフサイドポジションにいる選手のGKへの行動、プレーしようとしているのか、ただ立っているだけなのか?も、ARからは遮られないので、よく見えます。

ただ、ボールにプレー出来る距離にいるかどうかは、ボールスピードも速いですし、ボールがどこを通ったかがARから見辛い。

そういう時は、ARからレフェリーに「オフサイドポジションにはいる。でも、どこを通ったかは分からない。影響どう?」とコミュニケーションシステムを使って発信します。

すると、「西橋、影響ないからゴールで良いよ」「近くを通っているから、インパクトある」と、チームで判断します。」

 

佐藤マネジャー「こういったケースは、REFARの協力がなければ、正しい判定はできません。昔より難しくなっています。

距離は主観の部分が大きい。なので、いくつもの映像を見て、アジャストさせていっています。」

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